千人仏ワークショップ

横浜のブランクラスで行われた三杉レンジ先生のワークショップ「千人仏プロジェクト〈主演・助演・裏方/映画的システムでの絵画制作〉」に参加してきました。
三杉さんは美術教師の経験などを生かした知的な作品が特徴の作家さんで、アートラボでも展示されています。311後には、5年にわたり被災者の方々に絵画指導をしてコミュニケーションをとりながら、1000枚の仏像の絵を描いてもらう「千人仏プロジェクト」を主導されました。

震災後、たくさんのアーティストが我先にと被災地に行ってボランティアをやったり制作をしたりチャリティ展示をしたりしていました。アーティストの役割は「現代」を見つめることなので、たしかにあの災害は取り組むべき大きなテーマです。でもわたしは正直いってそういう動きには懐疑的でした。誰かの役に立って自分の存在意義を確かめたい、さらにアートは誰かの役に立つのだと思いたいという気持ちはよくわかるけど、自分の無力さを認めることも必要なのではないかと思ったからです。
でも同時に、行動できる人はすごいなあという気持ちもあって、三杉さんが試行錯誤しながらたくさんの人とつながっていったお話はとても興味深かったです。行政などの大きな組織から始まった動きではなく、草の根からの活動でこれだけのことができるのだと。

千人仏は被災者のためのプロジェクトなので、今回のワークショップでは某アーティストの顔をみんなで描きました。わたしは美術の実技教育をほぼ受けていないので、木炭で絵を描いたのは初めてでしたが、どうも邪念が多いのか、なかなか被災者の方々の絵のような素朴な味わいは出せません。。。
ブランクラスで用意してくださったおいしいごはんをいただきながらのおしゃべりも面白かったです。