レアンドロ・エルリッヒ展/ドラえもん展

森美術館のレアンドロ・エルリッヒ展と、森アーツセンターギャラリーのドラえもん展を見に行った。
チケット売り場で行列ができていてびっくりしたけど、どちらの展示も、ふだんは美術展なんて見ないんだろうな〜というタイプのお客さんが多かった。

とはいえ、エルリッヒの展示はとても大きな作品が中心だったので、ゆったりと見て回れた。
となりのマンションの窓の中をひとつひとつ覗くような作品、試着室の鏡の中に入り込む迷路のような作品、廃校の教室に自分たちの姿が幽霊のように映り込む作品、美容院の鏡の奥にもう一つの部屋があるパラレルワールドみたいな作品などなど、、、。
目の錯覚や、思い込みを計算して映像や物が配置され、リアルに体験できる、大掛かりなインスタレーション。インスタ映えしそうな作品ばかりで、なにも考えなくても、誰でも単純に楽しめる。
これも、人が絵の中に入りこむための、ひとつのやりかたなんだなあと思う。

ドラえもん展のほうは、誘導の係員が多くて自由に見られない感じがあった。子供連れもいたけど、ちょっと不気味な作品もあり、子供向きの展覧会ではなかったと思う。
アーティストはみんなそれぞれ自分の表現があり、それとドラえもんをうまく融合させるのはそもそも無理難題なので、出展作家がどう折り合うのかには興味があった。
わたしが一番好きだったのはクワクボリョウタさんの、日用品を使った影絵のインスタレーション。ドラえもんの世界をさりげなく取り込みつつも、嫌みがなく、知的で美しく、ため息がでた。
有名アーティストに混じり、アートラボからは坂本さんと近藤さんが出展されていた。
坂本さんの絵は、しずかちゃんがモチーフのせいか、いつものやや病的な感じとは違っていて、今まで見た中で一番良いと思った。会場のなかでも特に目立っていたし、作品のまわりには人だかりができていた(この人たちがアートラボにも来てくれればいいのに)。
このあとアジアを巡回展示するのだそう。坂本さんブレイクしそうだなあ!