照明っておもしろい

先週のワークショップの続き。今日の講師は舞台照明家の吉本有輝子さん。

わたしの絵は、線と面で構成されていて、平面的で陰影がほとんどない。
影はときどき描くが、あり得ない方向に伸びてたりして、かなりいいかげんだ。
細部や背景を飛ばしたいというのはよく考えるけど、とくに光は意識してない。
でも、絵が見えるということは、すでにそこには光があるということなのだ。

ちょうど先月、立体を展示したときに、あらためて、作品をよりよく見せるための照明効果に興味を持った。
照明家は、実体のある「モノ」を作ることはないけれども、そこにあるモノをどうやって見せるか、または見せないかということを通して、「見る」ということについて、おそらくモノを作る人以上に、純粋に考えている。
照明を当てようとする人は、ある距離感をもって対象物を注視しているが、光のあたるところに自分は存在していないのだからまるで神様みたいだ。
照明がなければ真っ暗になってしまうから、世界をコントロールする力もある。
でも、光を当てる対象物の形そのものは変えることができないので、その制限の中であれこれやっているのがとても面白そうだった。
こういうのってやっぱり写真に近い考え方なのかなあ。