ダニ・カラヴァン展

きょうは世田谷美術館「ダニ・カラヴァン展」に行った。

まず入り口の梯子とお米のインスタレーションにびっくり。
次の、背景に砧公園が広々と見える部屋のインスタレーションも清々しかった。あの展示室に、あんなすてきな窓があったんだなあ。

他は設計図や模型や映像での紹介だった。
作品の性質上仕方ないけど、もっと大きいやつを観たかったな。(わたしは映像による展示を見るのはどうにも苦手なのだ。)

それにしてもあの大がかりな環境彫刻を作る人が、なんと挿絵描きからスタートしたっていうんだからすごいよなあ。(そりゃあ確かにいきなりあんな大きなものを作れるわけないけど。)
ダンスなどの舞台装置もたくさん手がけたのに、結局、舞台は後に残らないから彫刻の道にすすんだというのには共感できる。

あれだけ変化しているのに、初期から現在まではっきり一貫したものがあった。
初期のイラストも良かったが、彫刻と同じ風景の、海のコラージュが良かったなあ。
彫刻を先に作ったのか、コラージュが先だったのか。

頭の中にある夢みたいな風景を、紙に写すだけじゃなくて、建築みたいに実用性があるわけじゃないのに、実際に作っちゃうなんてすごすぎる。スケールの大きさに脱帽。

こういうのが千年後くらいには謎の古代遺跡になるんだろうか。
「平和」みたいに大きなテーマを持つと作品スケールも大きくなるのかも。

常設展の「アウトサイダー・アートの作家たち/大地の歌を描く人々」も面白かった。障害を持った作家たちの作品展(どういう障害なのかわからなかったが)。
じつはこっちのほうがわたしにはヒントになる感じだった。すごい自由さに参ってしまった。

キャンバス地を木枠に張らずに描いたり、油性ペンで描きなぐってあったり。
わたしもふだん下絵はマジックで描いてるので、かなり刺激的な展示だった。