萌え=キャラ?

わたしのサイトには韓国とか中国とか台湾からのアクセスが意外とある。
でもわたしは英語のサイトは時々見るけどアジアのサイトはめったに見ないのだが、前川さんのプロジェクトのこともあるし、韓国のイラスト事情はどうなってるのかなーとネットで見てみた。

しかしヒットするのは萌え系ばっかり(日本とあまり変わらない気がするが)。
萌えじゃないイラストを見るにはハングル読めなきゃだめだなーと、とりあえず韓国語のテキストを買ってきた。
文字と簡単な文法を覚えれば、検索くらいはできるだろう。。。
いまは模様にしか見えない文字が読めるようになったら、同じ画面でも、まったく違う見え方がするんだろうな。

イラストにもいろいろあるけれど、いちイラストレーターとして、萌えとかキャラというのは避けて通れないキーワードだと思う。日本人が子どもの頃に一番接する機会が多い絵ってたぶんマンガ・アニメ系だから。

萌え=キャラ、つまり、キャラの不完全な情報を脳内で補うのが萌えだそうな。
それだと結局萌える人自身のキャパシティを越えたものは出ない気がする。究極の片思いみたいなものなのかな。。。それなら理解できなくもないか。

でもわたしも小説の挿絵でキャラクターっぽいもの描いてるし、脳内補完もするけど、子どもとか老人のキャラクターに萌えてるわけじゃない。

萌えってもっとなんかむきだしの欲望みたいなものだろう。

例えばラファエル前派は、直接的すぎて下品な気がしてわたしは好きじゃないが、欲望のおもむくままに描いてるようで、あれは萌えなんだろうなと思う。(関係ないけどウィリアム・モリスの自画像って宮崎駿監督の自画像に妙に似てる。)

マンガやアニメの絵がすべて萌えだとも思わないが、マンガの絵の一番の特徴は、本物の人間を観察しないで、過去のマンガをまねるとこから新たな絵柄を作りだしていることだと思う。
だから目とかおっぱいとかが異常に大きくなっていく。

わたしの絵も、目なんかありえないくらい大きいし、モデルも使わないし、意識的にマンガ的な記号を描き込むことも多い(汗とか、フキだしとか)。
かなりマンガに近いので、気になってモヤモヤしてしまうんだろうな。

外国の人は日本のマンガの絵をみて目が大きいのを不思議に思うようだけど、目が大きいのは、それだけ日本人が目に関心があるからだと思う。
関心のあるものを大きく描くのはごく自然なことなんじゃないだろうか。

日本人は目玉が黒いから顔をぱっと見たときに目玉が一番目立つし、アイコンタクトで意思疎通してるから、目に対する興味が強いのだろう。
目を合わさないようにするマナーも、目を意識してることの表れだし。(わたしは視力がいいのでわからないけど、近視の人が多いせいもあるかな?)

外国のイラストだと鼻がすごく大きくて目は点だけだったりする。
白人は目の色素が薄い人も多いし、小説なんか読んでも鼻についての言及が多いし、たぶん彼らは鼻で意思表示できるんじゃないかなあ。(それに加えて、異文化に触れる機会が多いと表情だけではコンタクトできないから、あの大げさな身振り手振りが必要になってくるんだろうけど。)
そうすると鼻に陰影をつけて立体表現しようと考えるのは当然の流れで、つまり持って生まれた顔かたちによって、描く絵も大きく変わってしまうってことだ。

もちろん、描く人の現実の顔と理想の顔かたちには開きがあるけど、それでも現実からあまりにもかけ離れた絵ってそう簡単には生まれてこないものだ。
(ちなみにわたしのイラストの人物はみんなわたしになんとなく似てるんだけど、どこが似てるかというと、実は目ではなくて鼻の穴の形だと思う。なにしろみーんな同じ。)

そうなると興味深いのは黒人の描く人物画だけど、これがなかなか見る機会がない。
やっぱり彫刻か染色に向かいやすいんだろうか?