派遣より弱い立場で思うこと

年収300万だった元派遣社員が、年収200万の仕事に就きたくないと言うことについて。

イラストレーターで年収200万いってたらたぶんマシなほうなんじゃないかなと思う。
30代でも、アルバイトしてないと言うと羨ましがられたりする世界だ。中にはすごい売れっ子もいるけど、そんなのはもちろんほんの一握りだ。

でも、売れっ子じゃなくてもプロだから、ひとりひとりの絵に個性があるわけで、そうやって綱渡りの中でたくさんの人がイラストを描いてるおかげで、いろんな場面で、バリエーションに富んだイラストに触れることができるのだ。

つまり、もともとイラストレーターは全員でワークシェアリングしてるとも言える。
売れてる人はシェアしてないじゃないかとかそういうことではなく、やっぱり売れてる人は上手いし、ちゃんと売れてるだけの理由があるので、売れてない大多数のイラストレーターも、そういう人を目標に描き続けることができる。

だから、問題は年収200万っていうことではなく、目標を持てるかどうかなのだろう。
300万の仕事を解雇されて200万の仕事にしか就けないんだとすれば、その人には現時点ではやっぱり200万の価値しかないんだと思う。(お金に換えられない価値うんぬんは置いといて)

でも200万あったらぜいたくや貯金はできないけど一人ならギリギリ暮らせると思うな。少なくとも犯罪を犯したりするほど追いつめられることはないだろう。(家族を養うとか、病気とかだと200万じゃ暮らせないだろうけど、無い袖は振れないし、そういうほんとに困ってる人を守るのは国の仕事なんじゃないの?)

自分より稼いでる人と比較してうらやんだり、世の中に対して憤っても意味がない。世の中から収入を得る他に生きる道はないし、景気が悪いのはどうしようもないんだから、まずは今の自分が200万の価値しかないことを認めないと、再スタートできないと思う。

たとえば介護とか、仕事の大変さに対して報酬が少ないとかいうけど、他に仕事がないなら、とりあえずやってみたらいいのに。
やってみなきゃわからないことってたくさんあるし、その上で、300万の価値を認めてもらえるようになることを目標にすればいいのでは。

やってみて合わなかったらまた考え直せばいいんだし。
自分の本当の価値を世の中が認めてくれないなんてさー、高校生じゃないんだからさー、誰にも認めてもらえない価値なんて、もともとないのと一緒じゃん。

自分から働きかけなければ、その人の存在になんか誰も気づくわけがないのだ。
解雇されて心が傷ついてしまったということはあるだろう。でもだからって犯罪を起こしていいってわけじゃない。
少し休んで元気をとりもどして、大変だけどまた頑張っていくしかないんだと思う。