トラベルの語源はトラブル

きょうのソウルは暖かくてとてもよいお天気。
早起きして、実家に泊まっていたソンさんにむかえにきてもらい、大きな市場や、いろんな問屋街(日曜だから閉まってたけど)をひやかし、たまたま通りかかった普信閣で、伝統衣裳の派手な行列に遭遇したり、お粥を食べたり、菊茶を飲んだりしながら、鍾路の大きな本屋さんへ。

小説とかの装幀や、絵本や美術書、イラスト雑誌などを物色&買い込んだ。
街中の標識とかもそうだけど、漢字表記はほとんどなく、ハングルばかりだから、自力ではまったく何が書いてあるのかわからない。

知りたかったのは韓国のイラストレーションの傾向なのだけど、出版物のイラストは、わりと保守的というか、プロフェッショナルというか、丁寧に描き込まれた暖かみのある絵や、繊細な線のイラストが多い。不景気のせい?
なんというか日本的なファンシーさはなくて、手堅く大人っぽい印象。アニメ系のものを除けば、日本からより欧米からの影響が強そうだった。
ここに新参のイラストレーターが入り込むのはけっこうハードルが高そうだ。
ヘタウマ系とかアート系のお洒落な絵は、広告とかに使われることが多いみたい。
いずれにせよわたしの絵に似たのは全然みかけなかった(いいのか悪いのか)。

それから明洞に出て、化粧品屋さん(男性の韓流スターのポスターだらけ)を見たり、地下道の商店街を眺めたり。地上より地下のほうがキッチュで面白かった。
1日遅れで日本からきた、映画評論家のOさんMさんご夫妻&そのお母様と合流。
人ごみの中、うっかり迷子になったりしつつも、どうにか昼ご飯にありついた。なんかの麺と餃子で、とても美味しかったんだけどなんという名前だったか忘れた。
わたしは、韓国料理が辛いのは気候が寒いせいだろうと思っていたのだけど、これは間違いで、元々、辛い料理は韓国でも南のほうのものなのだそう。
そういえば北朝鮮の冷麺は辛くないし、ソウルの宮廷料理も辛くはなさそうだ。
辛い料理は暑い国のものなんだな。東南アジアの料理も辛いものね。

そのあと、大学や小劇場があつまる街、大学路へ。
あちこちに演劇のポスターが張られ、劇団員がチラシ配りをしている。
演劇のポスターのイラストの、なんかイマイチあか抜けない感じは日本と一緒だな。

写真の下段中央は「熱海殺人事件」のポスター。その右隣は「グリース」、その上は「イヨネスコフェスティバル」。イヨネスコ生誕100周年だそうな。へー…。
ソンさん曰く韓国の演劇はコメディ中心で、ワッと笑ってそのまま忘れる感じだそう。
ここでもうろうろしてる間にまた前川さんがいなくなっちゃったりもした。

そして仁寺洞の観光客向けお土産屋さん街に寄って(ここの記憶があいまい)から、南大門市場で銀食器やら韓国海苔やらお茶やら朝鮮人参やらをそれぞれ買い込んだ。
ずうっとソンさんに頼りっぱなしで、どこ歩いてたのかわかってなかったんだけど、あとで地図見たら、けっこう狭いエリアをぐるぐる回っていたんだな。

明洞で焼肉を食べて解散したのはもう真夜中。でもそれから前川さんとわたしは、汗蒸幕&ヨモギ蒸し&アカスリ&足ツボ&金箔パック&カッピングのコース。
裸で、おばちゃんたちに揉まれたりこすられたりしてると、心が無になりますなあ。
またわたしがロッカーの鍵をなくしたりと一騒動あったけど、疲れはとれた。
なんかちょっとぼったくられた気もするけどね。。。

レジデンスに戻って、こってり眠った。ふつうに観光した一日だった。