村山知義と三匹の小熊さん/ZINE’S MATE THE TOKYO ART BOOK FAIR

きょうは、まず、渋谷の松濤美術館の近くにある、ギャラリーTOMへ。
展示していたのは、村山知義の絵本、紙芝居、それにアニメーション。「三匹の小熊さん」というキャラクターが登場する作品を集めた展示。

村山知義は、演劇とか舞台美術とか挿絵とかプロレタリア文学とか転向文学とか、いろんな分野で活躍した人なので、名前はなんとなく知っていたのだが、ちゃんとまとまった形でイラストの仕事を見たのははじめて。
プロレタリア文学なんていうとなんだか貧乏臭いイメージだけど、当時としては最先端のお洒落なものだったのかもしれないなあ。
それくらい、素朴なのに洗練されてて、媚びないのに可愛らしい絵だった。
でも少女趣味じゃない可愛さだから、知的で上品。

いまは日本中可愛いものが溢れてるけど、当時はさぞかし斬新だったことだろう。
絵本を見るかぎりでは、小難しいこと考えてる人にはとても思えない。
子どものため、子どものため、という説明文が、今見るとうるさい気もしたが、人々の意識が今とは違ったろうし、それくらいアピールする必要があったのかも。
で、またアニメがちょっと笑える感じで可愛いんだ。DVD買おうかとすごく迷ったけど、影響されそうだったのでやめた。
うーん、あんなにシンプルでもいいのかあ。。。

それから、寄り道しながら表参道までとことこ歩いて、だいぶ前に装幀のお仕事でお世話になったデザイナーさんが出展されてた、ZINE’S MATE THE TOKYO ART BOOK FAIRへ。
2カ所の会場はどちらも大盛況で、カッコいい本がところせましと並んでいた。
入り口でばったりR君に出くわしたのだが、混雑ですぐ見失ってしまった。

ノートにさらっと描いた落書きみたいな絵を、束にしてホチキスで留めたような、簡略な本というか冊子が多かった。ああいうの、流行ってるんですかね。
あれならわたしにもできるかな~って、ちょっと真似してみたくなっちゃった。
わたしが作ったらあんなふうにお洒落にはならないだろうけどさ。

それにしても本が好きな人ってたくさんいるんだなあ。
そして、カッコいいということは、果てしないことであるなあと思った。