堀内誠一 旅と絵本とデザイン展

きょうは、世田谷文学館「堀内誠一 旅と絵本とデザイン展」に行った。
アンアンの創刊時のアート・ディレクターで、絵本作家で挿絵画家で、絵と文によるおしゃれな旅行記のはしりでもあった、多才な人。
「たろうのともだち」とか「秘密の花園」とか、読んでたなあ…。

わたしはデザインのことはよくわからないし、なにも言うことはないんだけど、デザイナーの人が描いたイラストって、ほんとに過不足がないというか、印刷した時にいちばん映えるように最適化されてて、不要な部分は一切描いてない。
だから、額に入れて飾ったときに良いとはかぎらない。昨日見た小林かいちも同じ。
これってほんとにすごいことなのだ。デザインの力ってほんとに大きい。

イラストレーションって、やっぱり印刷されてなんぼのものだから、ほんとうは、イラストレーターの側が、印刷の条件に合わせて、出版された時に一番きれいに見えるように計算して描くべきで、「印刷したら色が再現されなかった」なんて文句をいうのは責任放棄だと思う。

でも、デザインの専門家じゃない人間が、イラストだけずーっと描いてると、どうしても、印刷で再現できないこともあれこれやってみたくなってしまうし、必要のない細部にこだわってしまったり、力の加減が難しいところがある。

さらに個展をやろうとか思うと、どうしても、文字とかは抜きにして、額に入れて展示した時にいちばんかっこよく見えるように描きたくなってしまう。
だからイラストレーターに徹するならば、個展はたまにやるサービスくらいに考えて、深入りしないようにしたほうがいいんじゃないかとも思うんだよね。
展示は営業の一環だから、それはそれで必要なものなんだけど。。。

でも、そうやって自己主張せずにいられない、性というか業みたいなものが、絵描きの面白いところなのかもしれない、と開き直って暴れるしかないのかな…。