西アフリカ<グリオ>の世界:伝統からポップスまで

きょうは、竹村さんに誘っていただいて、JASRAC主催のワールドミュージック講座に行った。
会場は代々木上原にある古賀政男音楽博物館・けやきホール。すぐお隣にJASRAC本部のビルが建ってる。

きょうのテーマは、西アフリカ音楽、そのなかでもとくに、ギニア・マリ・コートジボワールの伝統的な語り部による「マンデ音楽」。
今年は、たくさんのアフリカの国々が植民地支配から独立した、「アフリカの年」1960年から50周年なので、アフリカは要注目だとのこと。

イスラム圏の北アフリカと違い、西アフリカは「無文字社会」だったため、歴史や、大切なことを伝承するために歌や音楽が使われた。マンデ音楽はそのために特化した一族「グリオ」による音楽なのだそうだ。
そんな社会では、音楽というものの重要性や観念自体がまったく違うんだろう。実際に、独立後は、政治的にも文字の代わりに音楽が大きな役割を担ったそうだ。

…と言われても想像できるようでできない。なんかすごいことのような気がする。
講師の鈴木先生(奥様がその語り部の一族の方なのだとか)によるレクチャーが、いかにもマンデ音楽が好きなんだなーというのが伝わってきてとても面白く、断片的に聴かせてもらった音楽も、どれも素敵だった。

それから、西アフリカ伝統の楽器奏者ママドゥ・ドゥンビアによる演奏を聴いた。
「コラ」はひょうたん製の大きな弦楽器で、なんともいえないやさしい音色。王様が疲れたときに演奏された癒しの音楽なのだそうだ。いかにもそんな感じ。
「ンゴニ」は三味線によく似た楽器だった(音色は三味線より太い気がした)。

ママドゥ・ドゥンビア氏はテレビにも出てるとかで、なんだかたくさんしゃべりたいことがありそうだったけど、そんなにいろいろ説明しなくても(国が違っても地球は一つですとかなんとか)、音楽聴かせるだけでも十分に伝わる力があると思ったけどな。

それから竹村さんと、お友達のSiさん、Saさんと夕食にいくことになった。最初に入った、看板に「クスクス」と書いてあったレトロな内装のお店は、クスクスは品切れ、ワインもほとんどない、コーヒーもない、でもマスターの愛想だけは異常に良いという不思議なお店で、みんなお腹がすいていたので、別のお店に入り直した。

こちらはオシャレで、でもお料理は大盛りにしてくれたりして良いお店だった。Saさんはご両親がコートジボワールやモロッコに住んでらしたそうだし、竹村さんもSiさんもモロッコとかケニアとかに旅行されたり、日本での「アフリカフェス」にも行かれたことがあるとか。

わたしは、アフリカって、今まであまり意識したことなかったけど。みなさん面白い話をたくさん聴かせてくださって、とっても面白かった。
なんだか最近知り合う人は語学が堪能な人がやたらと多いなあ。
外国語って、特別なことじゃないのかなあ。