絵を描くのってしんどい。。。

このところ、2年前に描いた絵、12枚ほどの描き直し作業をしている。
最初に描いたときも、正直言って完成してるとは思えなかったのだが、あれ以上どうしていいかわからなくて、そのままになっていた。
いまみるとすごく雑で、これまだ下塗りじゃん、って感じ。
新しい絵を描くのもいいけど、描きたい世界そのものは2年前と変わってないし、骨格はそのまま残していいと思う。それでいかに完成度をあげるか。

キャンバスに描いた絵だから、上から何度重ねても大丈夫なのは良かった。
紙に描くほうが気軽だし、絵の具のなじみ具合とかも好みなのだけど、あんまりいじると汚くなってしまう。キャンバスに描く利点はこんなとこにあったのか。

展示のためとか、締め切りがあって描くわけじゃないので、(わたしは締め切りがないと描かないと思っていたけど!)手順も決めずに、ぱっと思いついた色を納得がいくまで何度も何度も重ねていく。

わたしが絵の具で描いたのは4年前の個展のときがほぼ初めてで、あのときはヘタなりに試行錯誤して、一枚一枚違う絵の具の使い方をしようとしてた。

その翌年くらいに、ある人に、人物を大きく描いてみたらとアドバイスされた。それも面白いし、やってみるだけやってみようと思った。
でも、あの目がでっかい人物は、大きく描くとすごくバランスがへんになるのだ。
絵自体はシンプルだから、持たせなきゃいけない空間も大きくなる。それは太い筆で描いたら解決するかなと思って試したり、たぶんアドバイスしてくれた人は背景は少なくするべきと思っていたのだろうけど、じつはわたしが描きたいのは人物より背景なので、人物を大きくするにつれて、どんどん背景も大きくなっていった。
結果的に絵自体が大きくなっていって、こないだはあんな壁画まで描いてしまった。

でもそうしてるうちに、塗り方や色に注意を払うことがしだいにおろそかになり、そこに頭を使わなくなって、手順が決まってきて、雑になってしまった。
ただでさえ、絵が大きいと小さい絵では気にならないアラが目についてしまうのに。
こないだ壁画をやったときに、そのことを痛感したのだった。
壁画じゃなくても、5枚組とか7枚組とかの連作を描いたときも、全体の世界観は悪くなかったけど、一枚一枚の絵を見せることができてなかった。
よくお客様に世界観があるね、と言ってもらってたのは、褒めてもらってたんじゃなくて、それ以外はダメだねって意味だったのだなあ。。。

絵の具をざっと薄塗りしただけでセンスよく仕上げられる人もいる。そういうの粋でカッコいいな~と思うけど、わたしのやりかたは違う。
下塗りの段階で終わりにしてもいいかも?と思うことも、塗り重ねる前の写真と比べたら、前のほうが良かったんじゃない?ってこともある。
イラストの仕事では、不完全な状態のほうが良さを出せることだってある。
でもしつこく何度も何度も塗り重ねないと、納得がいかないのだからしょうがない。塗り重ねた結果のほうが良かったと思えるような描き方をさぐっていかないと。

そうやって描いてると先が見えないのでけっこうしんどい。絵を描くのって大変。
使っている絵の具の特性もあって、わたしが絵の具で描いた絵は色合いが淡くて、妙におとなしくて、PCで描いた絵のような弾力がもうひとつ欠けている気がする。
PCで描いた絵のほうが仕事にもなってるし、やっぱり印象も強いのだと思う。

そこを埋めていくことはできるだろうか?
うーん、、、単純に画材を変えたほうがいいのかな。。。