イケメンのチャクラ

友人Kは次の仕事の企画書を書かなきゃいけないというのに、突然ゲームに目覚め、ときめきメモリアル(女性向け版)をやりこんでいて、イケメンのチャクラが開いたとかなんとか言っている(企画書にも役立つみたいだけど)。
それでわたしにもゲームをすすめてくれるのだが、そんなチャクラが開いたら、たとえば嵐の追っかけしたり、テニミュに通い詰めたりするようになっちゃうのでは。。。

そのゲームでは、登場人物のイケメンたちをデートに誘うために、それぞれのイケメンの好む「ヘアゴム」とか「バレッタ」とかを街中買い漁るんだって。
バレッタって、昔はみんな使ってたけど、いまはあんまり見かけないよね。。。
でも実際に、メガネっ娘好きがいるように、バレッタ好き男子ってのがいるんだそうだ。

そういえば、男性の作家さんの小説の挿絵を描くとき、ヒロインの髪型が「ポニーテール」だとか、「スカートと共布のシュシュ」をつけてるとか、小説の筋とは全く関係ないところでやたらと克明に描写されてることがあって、今どきそんな微妙なファッションの美女がいるはずがないので、非常に悩むんだけど、なにか大切なメモリアルなんだろうなと、なるべく忠実に再現しようと心がけてます。
AKB48もまさに「ポニーテールとシュシュ」って歌出してるみたいだし(プロだなあ)。

演劇通のAさんのお友達の娘さん(中学生)のクラスメイトたちは、嵐か、二次元か、宝塚か、そのどれかのファンに分かれるのだそうだ。(共学だと宝塚ファンなんてめったにいないだろうから、たぶん女子校?)その三択なら嵐がいちばん真っ当でしょうねーと言いつつ、先日、宝塚を観に行った。

しかも全国ツアー公演(都内の会場だけど)。だって演目が「蒲田行進曲」だったんだもん。さすがはつかこうへい原作だけあって、宝塚にしては密度の高いお芝居で、あんな濃ゆい人間関係は尋常ではないので、宝塚っぽくはないけど現実ばなれしていた。
銀ちゃんのギンギラスーツの着こなしは素晴らしかったし、ヤスの芝居がすごくうまかった。
全国ツアーらしく客席にスタアさんが降りてきて、至近距離で衣裳の布地の織目まで見えた。
ヤスなのに妙にグロッシーなリップに戸惑い、銀ちゃんの細くて長い足に感心した。Aさんは「つかこうへいが死んだら死ぬ」と言ってたほどのつかこうへいファン。わたしも舞台も映画も観てたし小説も読んでたくらい好きだったんだけど、内容は忘れてた。

Aさん曰く、銀ちゃんとヤスのSとMの力関係が逆転するのが見所、ということだったが、宝塚版は、小夏との三角関係にフォーカスしたせいか、その部分はあまりよく見えなかった。
というか銀ちゃんとヤスのキャスティングを逆にしたほうが面白かったんじゃないかなあ。トップ様が「もっと殴ってくれ」とかいって三番手にボコボコにされるほうが痛快なような。
そのほうが両方に意外性があってときめく気がする。なんかややこしい上に変態っぽいけど。フィナーレの銀ちゃんの電飾ピカピカのスーツがボリショイサーカスみたいで超素敵だった。

銀ちゃんの真っ赤なズボンを間近でみたら、石川遼くんのファッションを思い出した。
スターなのになんであんな、赤とか黒とか、ヒールっぽい色彩感覚のウェアを着てるのか、ヒーローだったらもっと若人らしいさわやかな色があるだろうに…と、疑問に思っていた。
まあわたしはテレビ見ないから、たまに見るネットニュースの写真の印象でしかないけど、遼くんに対抗する選手の方が、色彩的にはどう見ても庶民の味方っぽいのに、スターの圧倒的な輝きの前では、必ず霞んで見えてしまうのには感嘆するほかない。
あの着こなしっぷりは、スポンサーの意向だけでなく、本人の趣味でもあるとしか思えない。色って性格表すからなあ。意外にアンチヒーロータイプなのかなあ。
どっちみちゴルフわかんないし、ものすごくどうでもいい話だけど。。。
でもあの毒々しい色合いが、実はたくさんの人々に愛される絶妙なセンスなのかもしれない。

さっき、地下鉄に乗ってたら、向かいに座ってたマッチョな黒人さんが、黒シャツに、ゴールドと赤茶のダンダラ模様のものすごい布地のスーツを着ていた。

ぎ、銀ちゃん、、、!? カッコイイ!!

ついぼーっと見とれてたら、ひと駅乗り過ごしてしまったよ。
うっかりチャクラが開くところであった。