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青函紀行 その2

十和田市現代美術館は9時オープン。早起きして(早くもないか)朝イチで入館。
常設展も、企画展「草間彌生 十和田でうたう」もオブジェ中心で、明るくて大胆な雰囲気。
いい天気だったので、ガラス越しに見える青空と、美術館の空間がさわやかで気持ちよかった。

ロン・ミュエク「スタンディング・ウーマン」、ハンス・オプ・デ・ピーク「ロケーション(5)」、それに栗林隆「ザンプランド」も面白かったなー。
オノ・ヨーコのインスタレーションは明らかに恐山をイメージしてた。
美術館自体はそんなに広くないけど、美術館前の広場にもたくさん大きなオブジェがあって、草間彌生のでっかいかぼちゃのてっぺんによじ上ってる子どもがいた。すごい身体能力。。。
大人も子どもも理屈抜きで楽しめる素敵な美術館で、わたしもとっても楽しかった。企画展には周辺の商店街も協力していて、赤い水玉が窓にいっぱい貼られてたのも可愛かった。

もともと車を使う予定ではなかったので、このあと電車で函館に向かうつもりだった。
しかしここは十和田市。近くに奥入瀬渓流と十和田湖がある。

じつはわたしは恐山や奥入瀬渓流が青森にあるということすら知らなかったのだけど、同行者がいると、視野が広がって、思いがけない場所に行くことができてすばらしい。
奥入瀬渓流は薄緑の日本画の世界。岩絵の具の色彩だった。東山魁夷の絵の中にいるみたい。歩いたのはほんの一部だったけど、マイナスイオンをいっぱい吸い込んだ。滝も素敵で、思わず滝壺まで走り寄っちゃったりして、運動神経ないのに、危険。。。(スパイクつきのトレッキングシューズを履いていったのは本当に良かった。水にも強いし)
でも、水がゆったり流れているところと木々と苔々の、ふしぎな緑色がいちばん心に残った。

十和田湖はカルデラ湖で、微生物が少なく、透明度が高い(昨日の宇曽利湖もカルデラだった)。湖の底が、けっこう遠くまで見えた。ここの水が、水門を通って奥入瀬に流れていく。
湖畔を少し散歩してから、また車に乗り、湖の周りをぐるりと回って、八甲田ゴールドライン経由で再び青森へ。今日は一日中緑のトンネルの中を走ってた。

夕方、4時半ころに青森市内について、まだちょっと時間があったので、三内丸山遺跡へ。
立派なつくりの入り口の建物をくぐると、広々とした公園に復元された竪穴式住居や謎の柱など。またわたしは走りまわって柱の跡やらお墓やら見物し、Aさんはゆったりあたりを見回していた。ここは30分もあれば十分楽しめる。同じ敷地内の青森県立美術館は5時閉館なのでまた今度。

無事に青森駅に到着して、レンタカーを返して、特急スーパー白鳥で函館へ。
疲れて眠くなってしまったけど、青函トンネルに入るまでは起きていたかった。でも思わせぶりな短いトンネルがいくつもあって、気がついたら眠ってた。
北海道の地上に出たころに目が覚めた。夜7時半過ぎても、緯度が高いのでまだうす明るい。
木古内という駅に停車した時は、電車の音も止み、外もしんとして、乗客もみんな押し黙り、異様に静かで、時間まで止まってしまったようで、思わずひそひそ声になってしまった。
やがて街の灯が海に沿って見えてきて、8時過ぎに函館に着いた。

函館は両親の出身地だけど、駅に来るのは久しぶりだったので、新しくなっていて驚いた。
駅前から市電に乗り、函館山方面へ。宝来町(元々はこのあたりが本籍地だった)で降りた。
よく父が懐かしがっていた「小いけ」のカレーを食べてみたかった。
昔とは経営が変わって(そりゃ何十年も経ってるし)味も変わってしまったという話だけど、食べログでの評価は高いので「元祖小いけ」(すぐ隣に「本家小いけ」もある)でカツカレー。
すごく美味しかったけどな。安いし。冷凍カレーを持ち帰りできるというので、実家に送った。

それからロープウェーで函館山に登り、函館の夜景を見た。夜景は子どものとき以来。
展望台のガラス越しより、外に出て生で見るのが何十倍もきれいで、ずっと眺めていたかった。
それにお月さまが、ほぼ真ん丸の月が、異様に大きく、オレンジ色に光って禍々しいほどで、それが海に映って、光の道がくっきりとこちらに向かってきていた。なんなんだあれは。。。

またロープウェーで山を降り、ぶらぶらとベイエリアを歩いて、ホテルへ。
「ラビスタ函館ベイ」はなかなかこじゃれたホテルで、夜景を見ながら赤湯の温泉に浸かれる。お風呂からみたお月さまは、もうふつうの大きさに戻って、光の道もおだやかに拡散していた。

青函紀行 その1

昨日の晩、上野発の夜行列車に乗って、北へと旅立った。
寝台特急「あけぼの」は車内販売がないので、食糧をいろいろと買い込んで。
今回の旅の道連れは、編集者のAさん。と言ってもまだ一度も一緒に仕事をしたことがないので、実質ただの友達なんだけど、お互いに敬語を使いあうことで、なにかを守っているという関係(笑)。

今回も、当初は函館に取材に行こうと言ってたのに、青森にも行きたいなんて欲張って、すでに目的がよくわからなくなっている(当然ふたりとも自腹)。
なにしろ月末の金曜の夜だから、Aさんは会社の仕事を無理矢理片付けてきたそうだし、わたしも来週のぶんの〆切までまとめてやっつけてからきたので、すごい開放感だった。

ソロ寝台はひとりずつ個室になっていて、個室の窓から景色が見える。
2階のわたしの個室で、お菓子を食べ食べ、打ち合わせ(←いちおう仕事の)。まるで夜逃げして行くみたいですね~なんていいながら。
わたしが飛行機嫌いなので電車にしてもらったのだが、夜行列車もなかなかいいもんだ。

深夜頃には解散して眠った。でもこの季節なので4時すぎには外が明るくなった。東北の田んぼは今がちょうど田植えの時期で、早朝から農作業をしてる人の姿が見えた。
新緑の木々や、いろんな花(林檎の花もまだ残ってた)を眺めてると飽きなかった。

10時くらいに終点青森駅に着き、2両編成の東北本線に乗って下北半島に向かったが、、、乗換駅の野辺地で1時間も待たなければならないことが判明した。
でもAさんは慣れたもので、じゃあレンタカー借りましょうということになった。
わたしはペーパー・ゴールド免許保持者なので、ここから先はぜんぶおまかせ。もと営業部でならしたAさんの運転で、一路、恐山へ。

Aさんはとても旅慣れているので、肩の力が抜けていて、すごく適当。
わたしは滅多に旅をしたことがないし行動力もないけど、計画性もなくて、やっぱり適当。
経験か行動力か計画性のどれかがあれば上手に旅もできそうだけど、わたしには何もない。しかし今回Aさんは先に帰ることになっていたので、途中からは一人旅になってしまう。
こりゃ無理だと思って、出発前日にあわててiPhoneを買いに走り、最低限のアプリを入れた。(そろそろ新機種が出そうだけど、いま買わなきゃしょうがない)
だったら乗り換えくらいiPhoneで調べとけよって話なんだけど、ほら、まだ使い方がよくわからなかったし、ソフトバンクだから圏外のことが多くて。

海沿いの、ずうっとまっすぐの道路わきには、漁に使う丸いガラス玉がごろごろ転がっていた。菜の花畑の黄色い長方形も目に鮮やかだった。下北名産センターというところに立ち寄って、ホタテの味噌貝焼きというのを食べた。

そこからもう一息。山道を登って行くと、若返りの水というのがあったのできっちり飲み、さらに行くと目の前がぱっと開けて宇曽利湖が見え、同時に硫黄の強烈な匂いに包まれた。「三途の川」を渡って、ようやく霊場恐山に到着。(そういえば、こないだ「asta」さんの挿絵で三途の川の絵を描いたばっかりだ)

新緑の季節のせいかもしれないけれど、意外に明るく、清潔感のあるところだった。
イタコのおばあさんのいる建物をのぞいてみたけど、口寄せして欲しい人もいないので、お寺にお参りしてから、白い火山岩に覆われた「地獄」の岩山を登った。
たくさん小石が積み上げてあって、これみんな誰かが積んだのかと思うと気が遠くなる。
当然ソフトバンクは圏外だったので「恐山なう!」はできなかったけど、まさに岩山にいた時に、ドコモユーザのAさんに仕事の電話がかかってきたのには驚いた。
地獄の奥には白い極楽浜と、エメラルドグリーンの湖、黄色やオレンジ色の小石に黄緑の山。すごくカラフルで、怖いというよりポップな印象で、けっこうのんびりと散策を楽しんだ。

それからお寺の境内にある温泉に入った。粗末だけど清潔な木造の小屋の中にあるヒノキ風呂。湯船があるだけで、洗い場もない。湖と同じ、ちょっと濁った薄緑色の熱ーいお湯。
これはほんとに極楽でございました。いい温泉って長く浸からなくてもスッキリするんだな。
お土産に、ふつうの4倍くらいの太さの恐山線香を買った。

Aさんはゆっくり景色を見ながら運転したがっていたけれど、後ろの車に煽られまくって、まだうす明るいうちに今晩の宿泊地、十和田市についた。
泊まったホテルのすぐ近くに文化会館みたいのがあって、そこによく演劇の公演が来るらしく、出演者(すごい顔ぶれ)の寄せ書きの色紙が、ホテルの壁にたくさん飾られていた。
きっとホテルの社長が演劇好きなのだな。演劇好きに悪い人はいない(バカが多いだけ)。

明日見に行く予定の十和田市現代美術館を下見に行くと、カラフルにライトアップされていた。
夕飯は馬肉料理「吉兆」で、馬刺と馬肉鍋(味噌味のすき焼き風)とバラ焼き(生姜焼き風)。iPhoneで食べログ使って調べた(はじめて役立った)。美味しかったー!
ふたりともグルメには興味ないなんて言ってたのに、しっかりご当地グルメを食べ歩いてる。
日帰り入浴できる温泉を探したけど、目指して行ったところは潰れていたのであきらめた。
1泊3,090円朝食つきという激安ホテルだったので、隣の部屋の学生がうるさかったけど、なんかもうそんなことはどうでもよくなってぐっすり眠った。

挿絵本の世界展

きょうは町田で大学の同期とランチの約束をしてたので、ちょっと早めに出かけて、前から一度行ってみたいと思っていた町田市立国際版画美術館の、「挿絵本の世界~きれい、カワイイ、怖い 本と版画のステキな関係」展へ。

まずヨーロッパの印刷の歴史のおさらい。木版・手彩色の聖書の挿絵からはじまり、活版印刷の活字と挿絵の角度がおもいきりズレたものが展示されてたりして、マニアック。「神曲」の挿絵の中に登場人物のイニシャルが書きこまれてて、新しい!と思った。

この展覧会のメインは19世紀ヨーロッパの華やかな挿絵群。これを、きれい、カワイイ、怖いの3つに分類しましょう、ってのが面白い。

「きれい」はバーン=ジョーンズ、ミュシャ、ルペール、バルビエなど。
ミュシャは好きじゃないけどやっぱりすごい。バルビエは最高よね(うっとり)。
「ガゼット・デュ・ボン・トン」の原書は初めて見た。こんなに分厚かったんだ。
初期の資生堂デザインの元ネタ満載のファッション誌(でも今の感覚だと超豪華本)。ポショワールといって、ステンシルみたいな手作業で着彩されてたそうだ。ははあ~。
印刷といっても版画みたいなもので、ごく少部数だし、そりゃ上流階級志向にもなるわ。

「カワイイ」はウォルター・クレイン、ケイト・グリーナウェイなど。
グリーナウェイってべつにそんなに絵は上手くないと思うんだけど、たしかにカワイイ。でもこのカワイイは、昨今日本でいわれてるカワイイとは微妙に違うカワイイだと思う。

「怖い」はウィリアム・ブレイク、ビアズリー、マネ、ルドンなど、すごいメンツ。
そう「怖い」は一大ジャンルなのだ!もちろんみんなモノクロ。怖いはモノクロ。
怖いがいちばん見るものの心にダイナミックにゆさぶりをかけてくるというか、扇情的というか、もうちょっとで下品の側にころびそうな危うさを感じさせた。
ここまでだけでもすごい数の絵で、かなり見ごたえがあったけど、テニエルとかラッカムとかの絵がなかったのがちょっと意外なような気はした。

最後のコーナーは、20世紀のアーティストによる挿絵。シャガール、ドニ、ピカソ、デュフィ、カンディンスキーなど。
シャガールは彼の世界をそのまま小さくした感じ。デュフィ素敵。ドニも可愛くて大好き。
でもいちばん気に入ったのはオスカー・ココシュカの力強い線描の挿絵だった。

ヨーロッパの挿絵に描かれている人物って、風景と同じ強さというか、顔の描き方が非常にそっけなくて、したがってキャラクター性がほとんどなくて、それが全体の調和と、落ちついた上品な雰囲気につながっている。同じ版画でも、日本の鈴木春信とか歌麿とかはかなりキャラクターが強い。

浮世絵は人物にフォーカスするあまり、全体の構成はいいかげんだったり、背景を雲母刷りでごまかしたり適当なのも多い。でもそのぶん粋で、勢いがある。

見る前は、きれい、カワイイ、怖いに「カッコイイ」を入れてもいいのでは?と思ってた。
でも、カッコイイという価値観は、あちらの挿絵には、もしかすると元々ないのかなあ。

「おしゃれ」なカッコよさはきれいに分類できるだろうし。日本の小説挿絵だと、剣豪ものとか、カッコよくヒロイックに突き抜けたものも多いけど、ヨーロッパのものって、上流志向なせいか騎士道ものでもカッコイイよりきれい寄りだし、今回はなかったけど、もっと大衆的なミステリーとかの挿絵でも上品で妙に大人っぽい。
でもラファエル前派なんかはけっこう庶民的で下品だし、カッコイイも探せばあるのかも。さらにもうひとつ分類を加えるなら「エロい」だろうけど、、、。

図書館情報学専攻だった友人Kによれば「本」という形態はそれ自体すごい大発明だった。
「本」は便利だったからこそこれだけ利用され、広まった。
いま電子書籍の話題でもちきりだけども、基本的に世間は便利な方向に流れて行くと思う。
わたしの絵は一応CGだから、電子書籍で見られることに対する抵抗はなくて、なるようになれという感じだけど、紙の本って、やっぱり魅力的だよねえ。。。

劇団チャリT企画「アンポテンツ」

今年で60年安保から50周年なんですって。。。知ってた?

王子小劇場にて、早稲田劇研OGのSさん&Aさんと、劇団チャリT企画を観劇。
いまはコント中心に変わってしまったという劇研の伝統を守る最後の劇団。
それにふさわしい濃ゆい作風、バンカラ☆ポップってキャッチがまさにぴったり。
あの異様にキレのいい動きと滑舌、それにお得意のストップ・モーションも健在。
ちょっと「ゴドー待ち」っぽいところがあるのがまたなんとも。。。
昔は劇研系の芝居って暑苦しいなあと思ってたけど、今となってはかえって貴重。

テーマは過激といえば過激かもしれないけど、よくまとまっているし、セリフがぜんぶきっちり聴きとれるので余計なストレスなく観られる。
でもなにかスゴイ衝撃が脳天にガツンときた。劇研観た!って感じ。学生運動のシュプレヒコールとか、夢にでてきそう。笑いすぎて涙出た。
なんだかどっと疲れて、ついつい帰りにパフェ食べちゃったよ。。。

お屋敷町探検

きょうは、あきさんと遊びに。田園調布のお屋敷町の散策。
ひさしぶりに春らしいお散歩日和でよかった。
学生の頃に住んでいた、日吉の町のつくりは田園調布の真似だと聞いていた。
田園調布駅には今回初めて降りたけど、たしかに放射状の道の形はそっくり。
でもあのがちゃがちゃしたひようらとは全然違う。。。まあそりゃそうか。。。

よく東横線の窓から見上げていた、丘の上のお屋敷を間近でみるのが面白かった。
スケッチブックを持っていったけど、見所たくさんで絵をかくどころじゃなかったし、個人のお宅をあまりじろじろ観察するのもなんなので、どんどん歩きまくった。
大きな木や植物が多くて、家なんだか森なんだか?みたいなお家がたくさん。立派な大きなお家ばかりで、なんだか感覚が麻痺しそうだった。
でも手入れが大変そうで、実際、壁がはがれてたり、表札にガムテープが貼られたり、更地になってたりするところもぽつぽつみかけた。

あきさんはなぜか有名人の住んでるお家にくわしいので、いろいろ見て回った。
政治家のお家のまわりには何人も警察官が立ってたりした。
でもわたしはそれより古いお家の手すりとか窓枠とかを見るほうが興味深かったかな。
あとすごい急な坂道も。下がってまたぐっと上がるのが一望できて平衡感覚が狂った。

それからおなかべこぺこになって目黒に移動して「デラッセ」でフレンチ。
おーいーしーかったーーー。

カッコ良きもの

昨日は雪が降ったりしたけど、きょうはいい天気。
両親と妹と舞浜駅で待ち合わせて「ZED」を観に行った。シルク・ドゥ・ソレイユ、やっぱりとってもすばらしかった!

わたしは1年半ほど前に、オープンしてすぐに1度観ていたく感動した。
そのときは安い端っこのほうの席だったので、もう一度、今度はぜひ前のほうの席で観たいなあと思ってた。
で、今度は真ん中の、前から8列目あたり。これより前だとずっと見上げる形になってきついだろうと思ったので。それでも頭の上までぶんぶん人が飛んできて迫力があった。
クラウンたちも近くまでやって来て、なにやら父もいじってもらってたし。

ただ、、、1年半前と違って、空席がすごく多かった。日曜なのに。。。
ちょうど先週くらいに、以前は休憩をはさんで2幕形式だったのを、1幕形式にリニューアルしたばかりなので、お客さんも入ってるのかと思ったら。
余計なお世話かもしれないけど、大丈夫なのかなあ?客席が広すぎるだけかなあ。それにしても。。。

相変わらずのすばらしい演技に、こちらも一生懸命拍手したんだけど、その音がみんな広ーい空間に吸い込まれてしまってもう一つ盛り上がらない。
うーむ。。。心の底から残念だ。

リニューアルしたといってもほとんど内容は同じだったし、専用劇場だから大きくは変えられないのだろうし、人間ってすごいなあと思う反面、あまりにもすごすぎて親しみがわく感じではない。リピーターははじめから期待されてないのかなあと思うけど、プレミアシート一枚でディズニーランドのパスポート3枚分のチケット料金で、上演時間が1時間半では、子ども連れの観光客とかにはなかなか厳しいだろうなー。(でもいま端っこの席で観ると、周りがガラガラだから気分的に盛り下がると思う。だから観るなら無理してでも一番高い席がいいと思う。)
ディズニーリゾートの全体的なニセモノくささの中にあって、あれは本物だと思うし、ああいうほんとにすごいものには、残っていってほしいけどなあ。

けさ新宿駅に映画「タイタンの戦い」の車田正美が描いたポスターがいっぱい貼られてて、デッサンとか画面構成とかめちゃくちゃなんだが、なんだかすごく突き抜けてて、ああ、やるならここまでやらなきゃいかんよな~と思って、一日中、カッコいいとはどういうことか、について考えていた。

カッコ良さって、アート的とかオシャレ的な洗練方面に行くこともあるし、ヒロイックな方向、劇画的だったり、オタク的萌え方向に行ってしまうこともあるし、かと思えば不良っぽかったりヤンキーだったり、孤独感みたいなこともあるし、でも陶酔感みたいなものがあるのと同時に、客観的な評価でもある。
なんというか、極端なことがいいのかな。。。

ZEDはあれだけよくできてるけど衣裳のテイストとか外国風ヤンキーって感じ。洗練されてはいるが実は超悪趣味。フィギュアスケートとか新体操とかの衣裳に似てる。

わたしはどっちかといえばヤンキーよりファンシー寄りなつもりでいたんだけど、そうでもないのかも。。。好きなものにヤンキー的なものも多いしなあ。歌舞伎とか。
しばらく、わたしの中のカッコ良さについて考えてみようと思う。

歌舞伎座にサヨナラ(2)

きょうも、歌舞伎座で行列。第二部の、三人吉三巴白波と藤娘が観たくて。

でもきょうは暖かくてお花見日和だからか、昨日よりは列も短かめだった。
行列のなかには外国人観光客がけっこうたくさんいて、なにもわざわざ今月並ばんでも、、、とは思ったけど。
三階席の一番後ろの列に、ツアーの外国人がずらっと並んでたのが、藤娘の前の休憩でみんな出てっちゃって、空いた席がもったいなかった。
三人吉三は豪華キャストだったし、見た目も綺麗だけど、動きは少ないし、あの名ゼリフとか、外人にわかるわけないよなー。藤娘のほうが踊りだからわかりやすそうなのに。。。しかたないけど。ああでもこんな面白いのがわかんないなんて可哀想なことだ。

わたしは坂田藤十郎さんの藤娘をみるのは初めて(山城屋って屋号はまだ慣れないなあ)。
あの大輪の花のような方の藤娘ってどんな感じなんだろうと思ってた。なんかもっとエロい感じなのかなと思ったらそうでもなく、健康的で明るい印象で、酔っぱらうところとか、とってもキュートだった。背景がクリーム色だったのもあって、太陽みたいな黄色のオーラがみえた。
それは藤の精のイメージとはちょっと違うような気もするけど、黄色と藤色の組み合わせはすてきだなあと思った。

歌舞伎座にサヨナラ(1)

きょうは、16時から歌舞伎座の幕見のために行列した。
ほんとうは第二部の2幕目から観たかったけれど、すごい行列だったのであきらめて、第三部からの列に並ぶことにした。
まだ月初めだっていうのにびっくり。しかもこんな寒いのに。
歌舞伎座サヨナラ公演だから早く観なきゃって、みんな考えることは一緒か。

2時間以上も並んだかいあって座ってみることができた。
かけ声をかけるプロフェッショナルなお客さんも多くて、やっぱり盛り上がる。
演目は「実録先代萩」と「助六」。最後はやっぱり助六なのだなー。
実録~で、芝翫さんの浅岡が子役二人にじわじわ追いつめられてくのも面白かったし、助六は、主役も当然だけど、チョイ役で出てくる俳優さんたちが異様に豪華。それに玉さまの揚巻の打ち掛けと帯がほんとに素敵。。。
今回の助六を観た!というのはこの先ずーっと語り継げると思う。
海老蔵さんは、口上のセリフをまだちゃんと覚えてないみたいだったけど(笑)
それにしてもあんなどうでもいい話が歌舞伎の代表作なのってすごいことだ。。。

その後のソウル・オブ・ルージュ

きょうは、夜から池袋へ、前川麻子さんのワークショップの見学に。

途中、キンカ堂のシャッターに「ありがとう」とか書かれた張り紙がたくさん。わたしは池袋はそんなになじみがないけど、やっぱり倒産は残念。

ワークショップはなんだか抽象的で高度なことをやってるということだけはわかった。
よく理解できなかったけど、普通と言えば普通のことのような気もするし、この場でしかお芝居をはじめられない人もいるんだろう。

後半、山田伊久磨さんがゲストで登場、前川さんとのエチュードを見ることができた。
イクマさんといえば、六本木キャラメルでの前川さんとの二人芝居。
10年以上前の「ソウル・オブ・ルージュ」の続きの設定でのエチュードだった。

正直いって「なんかすごかった」こと以外は忘れてしまっていたのだけど、見ているうちに、当時のキャラメルの高揚した空気感をはっきり思い出せた。
演技してるうちに、現実には起こらなかった過去のことまで、本物の自分の記憶のような気がしてくるんだって。
役者さんってほんとに何考えてるんだかわかんない。

ハプスブルクの宝剣/BOLERO

また宝塚観ちゃった。
「ハプスブルクの宝剣」は周りから人格を否定された青年が自分探しをする話。
でもなんとなんと最終的に自分は見つからずじまい。不条理劇?
まあ、自分探しってそんなものかもしれないけど。。。
この主人公には「そんなに頑張らなくてもいいんだよ」という言葉を贈りたい。
で、なにひとつ問題が解決してないのに、昔の恋人に偶然再会したとこで終わる。びっくりした。けっきょく彼女に会いたかっただけなのか~。
たぶんこのあとまた同じ話がくりかえされるんだろうな。無限地獄。

「BOLERO」は色彩がきれいで、楽しかった。

医学と芸術展

森美術館「医学と芸術展」に行った。
招待券をもらっていたのだけど、あんまり興味がわかず放置していたら、ついったーでフォローしてる方々の評判が良いみたいだったので、最終日の夜に見に行くことにした。

大隈重信の使っていた義足、妊婦の解剖図や模型、貞操帯、手術の道具、バイオテクノロジーを使った作品、などなどなど、学術的なものから変態じみたものまでずらり。
インプラントの手術をしたばかりなのもあり、いろいろ考えさせられた。こういう方向のアプローチもあるのだな。

一番心に残ったのは、亡くなる直前と直後の顔の写真を並べて展示したもの。閉じられた老人のまぶたの皺の美しさが印象的だった。

ノーモア虫歯

朝から歯のインプラント手術(金属を骨に埋め込む手術)。
母が「付き添いはいらないの?」とか、かなり心配してたので、なんだかわたしまで不安になってしまったじゃないか(ありがたいけど)。

きょうは先生がいかにも手術っぽい服を着ていたのでさらにびびった。
でも、レントゲンや血圧測定などをのぞけば、実質1時間半くらいで終わった。
口のところ以外は全部布で覆われてて、なにが行われてるかわからなかったし、痛みもほとんど感じなかったので、途中で眠りそうになってしまった。

終わった後は出血もすぐに止まったし、麻酔が切れてしまってからも、痛いには痛いが、痛み止めなしでも我慢できないほどではない。ふつうにご飯も食べられるし、入浴や激しい運動も明日からはOKだそうだ。ただ、じっとして動けなかったせいか、めずらしく肩が凝った。

これでほっとひと安心。でもこんなのもうやだ。ノーモア虫歯。

手術の後どうなるかわからなかったので、昨日までに仕事は片付けて、きょうの午後から来週前半くらいまでとくに予定を入れてなかったら、突然、宝塚月組「HAMLET!!」のチケットを譲ってもらえることになった。

家で痛みに耐えるのと劇場で耐えるのなら劇場のほうがましということで、いそいそ出かけていったのだった(結局痛くなかったけど)。
なんかX JAPANみたいに髪が逆立った人がたくさんでてきたりして、「To be or not to be~?」って何度も歌っちゃうんだよ。さすが宝塚。

その間にちょっと時間があったので、弥生美術館で開催中の、明治~昭和の挿絵画家・鰭崎英朋展も見に行った。
弥生美術館(&竹久夢二美術館)は初めて。なんとも趣味的な美術館ですなあ。

鰭崎英朋は、挿絵画家だったころの鏑木清方と並び称された人。英朋は色っぽくて清方は清潔、みたいな説明が書いてあったけど、そうかな。わたしは鏑木清方はなんか女々しくて品がない気がして好きじゃないのだが。
英朋は、乙女チックな感じが一切ないところが好き。
小村雪岱の絵が好きなのも、叙情的だけど大人の世界だから。竹久夢二もなんのかんのいって少女趣味とは違う、大人の絵。天才。

英朋と清方の合作の絵がいくつか展示されていた。合作ってのはすごい。なんでそんなことできるんだろう。画家同士がこんなに近いなんて信じられん。共通の日本画の文法orテクニックを持ってるからできることなのだろうけど。
その後清方は日本画の大家になり、英朋は最後まで挿絵画家として生きた、というのもちょっといろいろ考えさせられますなあ。

あと英朋のスケジュールのメモに、挿絵1枚1時間で描くってあった。速すぎ!

ありがとうございました LOVE ∞

きょうでもう展示が終わりなので、夕方、搬出に行った。
クローズの直前に編集者のAさんがきてくださったので、ちゃちゃっと絵を梱包して一緒にギャラリーを出て、ハッと気がついたら、なぜか歌舞伎座の幕見席にいた。
歌舞伎座はけっこう通ったけど、実は幕見はしたことがなかった。
もうすぐ取り壊しだからいまさらだけど、けっこう見やすかったんだなあ。

観たのは、「高杯」と「籠釣瓶花街酔醒」。
勘三郎さんは次郎冠者に次郎左衛門と、出ずっぱり。二月歌舞伎なのに派手!
いやあしかし玉さまの八ツ橋のオーラはすごかったな。。。
籠釣瓶を見るのは3回目で、雀右衛門さんと福助さんの八ツ橋は過去に見たけど、やっぱり玉さまの神々しさは、すっばらしいわ。なんなのあれはー。
壁だか柱だかにもたれてたたずむ仁左衛門さんは宝塚顔負けの麗しさだったし、二人の並びがそりゃもう錦絵のようでしたよ。眼福眼福。

玉さまは明治時代の演目が似合うなあ。
明治の歌舞伎は、江戸時代に対するオタク的な憧れや理想化が強すぎて、美しいのに陰湿で壮絶な感じなので、わたしはあんまり好きじゃないんだけど。
意識は近代化してるから、主人公がコンプレックスをかかえてたりとか、この話も、最終的に誰も幸せにならないし、ほんとに後味が悪くて嫌い。
ま、それでも面白いから3回も観てるんだけど。

でも遊んだだけじゃなくて、終演後に多少は仕事の話もしましたよ、念のため。

期間中、展示においでくださったみなさま、どうもありがとうございました。
やっぱり6日間は短すぎだなー。みなさんともっともっとたくさんお話したいのに。
グループ展は他の出品者のお客様にも見ていただけるのが一番の利点だけど、出版関係のみなさまには、今回、他の出品者と作品の質的にかなり違っていたので、足をお運びいただいて、ちょっと申し訳ない気がしました。

絵を描く機会を積極的に作るということで、出品する意味はあるし、気軽にお目にかかれる機会でもあるので、展示はちょくちょくやるべきなのだけど、なんか志向的にちょうどぴったりくるグループに入れてないんだなー、わたし。
誘われたら受けるんじゃなく、そろそろ自分の場所を探していかないといけないか。

でも、個展やるのは面倒だし、絵だけ飾るような展示にはもう興味もないし。それに、個展でお客さん集められる自信があんまりないし(4年前よりはまし?)。
どうしたらいいんだろう。。。

イラストをメインに、カフェとかで展示するようなことも考えてみようかなあ。
…カフェとか似合うと思う?どっちかっていうと喫茶店タイプじゃない?わたしの絵が飾られたカフェって、あんまり落ちつかないのでは。。。

石井桃子展

世田谷文学館で開催中の「石井桃子展」に行った。
児童文学者・翻訳者・編集者ということで、展示はほとんど細かい文字が印刷されたパネルだったので、読むのにけっこう時間がかかった。絵本もたくさん置いてあった。

最近図書館通いしている中で読んだばかりの本も多くて、これも、これも、この本もこの方の作品なんだ、、、って感じだった。
ええ、大人なのに作家名とか気にしないで読んでたもので。

100歳を迎えたときに書かれた文章が感動的だった。
こういうすごい人が100年も生きるようじゃあ、200年くらい生きないと絶対追いつけないじゃんね。。。
絵本に手を出すなら本気でやらないと無意味なんだなと改めて思った。

外は、薄暗く、雪がふわふわと舞っていた。窓ごしに見えた、紅梅と白梅の花の粒々がとてもきれいだった。とくに白梅は、発光してるみたいにまぶしく見えた。