日別アーカイブ: 2018-03-25

慶州へ

今回は長めの滞在なので、ちょっと他の地方に足を伸ばしてみたかった。都会しか知らないので、田舎の様子も知りたい。
みなさんに相談した結果、慶州(キョンジュ)に行くことになった。慶州は新羅時代(前57〜935)の古都で、世界遺産にもなっている仏国寺(プルグクサ)や石窟庵(ソックラム)が有名。
もう一つ候補にあがったのは全州(チョンジュ)。ビビンバの本場だそうで、こちらも魅力的だったけど、今回は見送りとなった。


慶州は、ソウルから高速バスで南東に4時間ほど、釜山の少し手前あたりにある。
高速バスは片道2〜3000円くらい。ゆったりした座席で快適だった。


↑途中休憩したサービスエリアからの風景。
田舎の景色は一見日本と似てるけど、建物の屋根と、山々に散在するお墓の形(丸い丘のようになってる)が違う。お墓を撮影するのは気が引けて自粛。

慶州に着いたのは夕方4時頃。
街の第一印象は、なんか奈良っぽいな〜、という感じ。
奈良には20年以上前に一度行ったきりだけど、観光地っぽさと繁華街っぽさと田舎っぽさの配合が似てる気がする。

まずは街の中心部近くの歴史遺跡地区を散策することにした。韓国は日本と時差なしだけど、やはり西にあるので日没が遅く、この時間からでもじゅうぶん観光できる。
夜でもコートなしで大丈夫なほどの暖かさには驚いた。桜が咲いてるのも見かけた。


↑バスからみかけた小さなお墓の何百倍もあるような、こんな大きな古墳が、街のいたるところポコポコとある。古墳の内部を見学できる施設は、工事中で見られなかった。


↑瞻星台(チョムソンデ)。東洋最古の天文台だそう。


↑雁鴨池(写ってないけど)のほとりの東宮(王宮の別宮)跡地。
あまりにも古すぎて、復元されたこぎれいな建物と、ここに建物があったはずという区画があるのみ。奥州平泉を思い出してしまう。世界遺産てこういうパターンが多いのかな?


国立慶州博物館の展示はとてもよかった。閉館間際でゆっくり見る時間がなかったのが残念。土でできた小さな仏塔が可愛い!


↑半跏思惟像。まるでルーブル美術館のサモトラケのニケのよう。


遺跡群の近くに、古い韓屋をリノベーションしたおしゃれショップが密集しているエリアがあり、その中の一軒のゲストハウスに泊まった(入口はカフェになってる)。一泊5000円ほど。昨晩ネットで予約した。一昨年ソウルで泊まった韓屋ゲストハウスは古い建物そのまんまで、風情があるかわりに若干不便だったけど、ここは新しくて各部屋にトイレとシャワーがあって便利だった。たぶんこのあたりは最近になって再開発してるんだろう。遺跡も工事中の所が多かったし。

日没は遅いけど、田舎なのでまわりのレストランはけっこう早い時間に店じまいしてしまった。繁華街に行けば開いているお店もあったけど、慶州は食事はあんまり…、と聞いていたし、このところ毎日食べ過ぎなので、夕食は適当にカップラーメンで済ませた。

副社長さんのお宅にお招ばれ

Zeinxenoギャラリーの副社長さんのお宅にお招きいただき、仁川に行った帰りにみんなでお邪魔した。
どっしりと大きくて素敵なお宅。中庭にはご主人が日曜大工で作ったというベンチが置かれ、室内には絵のコレクションと一緒に、家族旅行の記念写真やお土産、お子さんたちの子供の頃の靴(額装されている)など、趣味良く飾られていた。あれだけいっぱい飾っても上品なのは、センスがいいからなんだろうなあ〜。

ご主人(国際線のパイロット)はちょうど出張中だった。
副社長さんはとても快活な方だけど、お嬢さんがフランスに留学し、最近になって大学生の息子さんが兵役に就いてからというもの、寂しくてかなり落ち込んでいる様子だった。ヒマでヒマでしかたがないのだそう。
でも、昔ラジオの脚本を書く仕事をしていたというだけあって話題がとても豊富で、楽しい夜を過ごさせていただいた。


たくさん手料理を振る舞ってくださった。チヂミ、プルコギ、チャプチェなど。とっても美味しかった!


わたしの作品(うちわ)と、イナジンさんの絵は、お嬢さんのお部屋に飾られていた。

イナジンさんたちが帰宅した後、わたしは一晩泊めていただくことになった。


翌朝、副社長さんが手作りのキンパ(のり巻き)を作って持たせてくださった。
海苔を巻いた後、表面にごま油をたっぷり塗って完成。カラフルで可愛い断面!

わたしは元々さほど話好きでもないうえに、お互い片言の英語で、話し相手としてはあんまり役に立てず申し訳ないなあと思ったけど、コレクターの方がどんなふうに生活にアートを取り入れているかを見ることができて、とても良かった。