水 神秘のかたち展

きょうはサントリー美術館の「水 神秘のかたち」展を観に行った。
前からとても見てみたかった重要文化財の「日月山水図屏風」が出展されてたから、会期終了ギリギリに行けてよかったー!と、わくわくしながら会場を一周したんだけど、、、出口まで行ってもお目当ての絵がない。
最初まで戻ってもう一周してもやっぱり無いので、出展リストをよく読んだら、展示替えで後半は展示されてなかったらしい。
日月山水図屏風は、この展覧会のポスターとかチラシのメインビジュアルになっていて、チラシには展示替えの予定があることは小さく書いてあったけど、どの作品がとは書いてなくて、まさかメインの作品が展示されてないなんて思わなかったよ。。。
もーーーー、ほんっっっとにがっかりした!!!
水を描いた作品をあつめた展示で、「石山寺縁起絵巻」とか、他にも素敵な作品がたくさんあったし、もともと水の表現には興味があったから面白かった(石清水八幡宮のコーナーもあったし)。
だけどだけどさ、、、ほんとがっかりしたよ。。。

金色の死

先月の谷崎名キャラ図鑑の題材は、「金色の死」の岡村君で、コラムは政治学者の苅部直さんでした。
岡村君は大金持ちで頭も良い美青年で、究極の芸術を追求した結果、それは人体の美だということで、全財産をかけて自分だけのための最高の美のテーマパークを作り上げたあげく、仏像のコスプレをして全身に金粉を塗ったくって窒息死(!)してしまう。
すごいなあ〜と思ったのは、岡村君の、作品によって世間の理解や評価やお金を得たいという考えが完全にゼロなところ。まわりのことなんか考えないで自分の好きなことだけやりたい気持ちを、とことんまでやりきるとこういうことになるんだろうか。現実には、たとえやりたいことをぜんぶやりとおすことができたとしても、それと同時に傑作が生まれるというのはめったにありえないと思うけど、これは小説だから、恐ろしいほどの作品ができたことになっている。
ただアートってやりっぱなしじゃだめで、きゅうくつで面倒くさい話だけど、誰かに評価されて、認知されてはじめてアートの流れの中に入れてもらえるものだから、岡村君の作品はいくら美しくてもこのままじゃアートとは呼ばれ得ない。唯一の目撃者であるこの小説の語り手によって世間に紹介されれば、アウトサイダーアートとして位置づけられたかもしれない。でも岡村君はそんなことは望んでないんだろうな。究極の自己満足だけど、これもひとつの理想だなとはわたしも思った。
(この絵は、岡村君も大好きなレオン・バクストの衣裳を着たニジンスキーのイメージをちょっとだけ借りてます。)

初詣

きょうは家の近所の神社に初詣に行ってきた。
ごくごく近所の人しか知らないような小さな神社。
今住んでるところの地名がつく神社なので、一度行ってみたかった。でも、これまでに拝殿と末社の場所は見つけていたんだけど、本殿がどこにあるのかわからなかった。これはちゃんと地図をみて探さなければと思って検索して、今日やっとたどりつくことができた。
おそらくもともとは広い敷地だったのが宅地や畑で分断されてしまっていて、うねうねくねった細い道を通って行かなければいけないので、場所がかなりわかりづらい。
ついてみるとあまり整備されていない、荒れ地みたいなところだった。短い参道の両脇は土地がえぐり取られたみたいになっていて、塀もないし、本殿の建物も本当に小さかった。でもできるかぎりきれいにしようとしている感じはわかったし、パワースポットな雰囲気もあった。境内にもりもり生えていた木は、ちょっと今までに見たことないような立派な巨木ばかりだった。ただし、枝はばっさり切られてしまっていたので、日が射して、からりと明るい境内だった。

小さなお寺や神社って日本中あちこちにあって、ふだんは素通りしてしまう。でもよく調べるとそれぞれちゃんと歴史や由来があって、地域の人が大切にしていたりする。
有名な寺社のように、歴史のメインストリームに登場したりはしないけど、ここにはここの歴史があったのは確かだし、その歴史は中央と完全に切り離されているわけではなく、めぐりめぐってどっかでつながってたりすることもあるから、とても面白い。

肉まんあんまんマラカスできました

肉まんあんまんマラカスを入荷しました。というか作りました。
紙粘土でできているので、食べられません。でも振ると音がします。

たぶん可愛いんじゃないかな〜?と思って、わくわくしながら作ったのですが、
実際にできあがってみると、、、なんか違和感が。。。笑
肉まんあんまんみたいなのに、目がついてると、ちょっとギョッとしてしまいます。
でも慣れればだんだん可愛く見えてくるんじゃないかな。。。?
大きさは5cm弱くらいなので、おまんじゅうみたいにも見えます。

20160124b

手作り肉まんマラカス

肉まんはてっぺんのしわしわ、あんまんは赤い印がチャームポイントです。
中身はお肉やあんこのかわりにビーズとか豆とかが入っていて、
一個一個ちがう音がするのも楽しいです。

20160124c

手作りあんまんマラカス

手作りのため、ひとつひとつ微妙に顔が違います。
どの子が届くかはお楽しみ。
(せいろはついていません)

サイズ/約 H3.3〜4.0×W4.8×D4.8 cm
素材/紙粘土、アクリル絵の具、紙
各2,700円(税込み)

※アクリル絵の具を使用していますので、小さいお子さんが舐めたりかじったりしないようにご注意ください。

アイロン台

最近、アイロン台を買い替えた。
前のはもう20年前に買ったものだった。当時、足付きじゃないのがいいなと思って何軒かお店を回って探した覚えがある。くるんである布がアルミコートのやつ。
わたしはアイロンがけが必要なような服はめったに着ないけれど、学生時代に舞台の衣装を作るときにさんざん使ったし、絵を描くようになってからは裏側を台代わりにしたりしてたので、
かなり汚れてしまって、これではたまにアイロンがけしたときに服に変な染みがついてしまいそうだったので、ヨドバシの通販で探して新しいのを買った。
そしたら前のと全く同じアイロン台が届いた。
縦横の長さは微妙に違うけど、表面の布地も裏側に貼ってある紙の柄も全く同じ。
この20年ってなんだったんだろうと思ってしまった。
アルミコートの布は、アイロン台界におけるすごい技術革新だったと思うんだけど、その後はあんまり変わらないのかなあ。
ただ、注意書きが増えておせっかい気味なのはいまの時代を反映してるのかもしれない。

10分で読める 学校のこわ〜いうわさ

「10分で読める 学校のこわ〜いうわさ」15日発売だったようです。
(まだ見本を送ってもらっていないのでどんな仕上がりなのかわからないんですけど。。。)

一時、アマゾンランキングの「こどものホラー・怖い話」カテゴリでベストセラー1位になっていました!(スクリーンショットを撮っておけばよかった。。。)

今回は、著者さんが誰なのか知らずに挿絵をお引き受けしたら、怪ダレの加藤一さんのチームだったのでびっくりするやら嬉しいやらでした^^
なんと表紙の絵も描かせていただきました。
怪ダレよりももう少し下の、小学校1〜2年生くらいの子向けの本で、文章もかわいらしい感じですが、しっかり怖いです。挿絵も年齢にあわせて描き方を変えています。


『10分で読める 学校のこわ〜いうわさ』詳細

同期会

今日は大学のミュージカルサークルの同期との新年会。
このごろは昔ほどはお酒飲めなくなってたけど、久々にけっこう飲めた。
楽しかったからかなー。
ここ数年は、誰かしら鬱病で休職中とかなんとか言ってたりしてたんだけど、今年はわりとみんな体調が良さそうで、いい雰囲気だった。
今日知ったのは、わたしはてっきり考古学というのは古代文明とか文字のない時代の研究をする学問なのかと思ってたんだけど、大学で考古学を専攻してた友達曰く、考古学はゴミから歴史を研究する学問なので江戸時代もぜんぜんアリという話だった。
そうだったのか〜。
加曽利貝塚の資料館では貝塚はゴミじゃないって書いてあったけどな笑

ネットショップをはじめました

いままでも、ときどき個展などの会場で手作りのおもちゃやオーナメントを販売していたのですが、イベントのときだけでなく、いつでもいろんな方にグッズを見ていただける場を作りたいなと思い、ネットショップを始めることにしました。

https://shop.iwashimizu-sayaka.com/

まだ、品数が少ないですが、トートバッグやマグカップなど、新しいのを作りました。
(こういうものは今までほとんど作ってこなかったのですが、どうでしょう〜?)

慣れないことも多く、正直いって不安もあるのですが、ここでしか手に入らない雑貨や、手作りのおもちゃ、へんなアクセサリーなどを、少しずつ増やしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

蓼喰ふ虫

先月の谷崎名キャラ図鑑の題材は「蓼喰ふ虫」の主人公・要。
離婚したいんだけど踏ん切りがつかない夫婦の話。文楽の人形に執着する心理の描写は面白かったけど、わたしはこういう話はどうもよくわからないのでモヤモヤと悩んだあげく蓼を食べてる虫を描きました。
コラム担当のノンフィクション作家の髙橋秀実さんは「要は阿呆の典型」だとボロクソに書かれてて、そう言い切れるのもすごいなあと思いました。

神宮前ギャラリー・セレクション展

さっき、やっと年賀状の印刷ができてきました ははは〜

お知らせが遅くなりましたが、2014年に個展をさせていただいた、神宮前ギャラリーさんのギャラリー・セレクション展に、わたしの作品も4点ほど飾っていただいています。
写真で見ただけですが他の出展者の方の作品もとても魅力的です。
期間は短くて、明日11日と、23(土)、24(日)の12:00〜18:00ですが、
もし近くを通りかかったらのぞいてみてください。
(2月にも展示していただけるそうなのですが、日程はまだ決まっていません)

https://jingumae-gallery.com/

ホームページ、リニューアル

久々にホームページをリニューアルしました。前にリニューアルしたのは2008年だから7年ぶり。
会社員時代におぼえた古い作り方でずっとやってきてて、シンプルな作りで気に入ってはいたんだけど、もういいかげん時代に合わなくなってきたので、夏の終わりころから少しずつ新ページを作り始めて、年末にやっと独自ドメインを取ってサイトアドレスを移転して、ついでにブログとホームページを統合しました。
まだデータをアップしただけなので、細かい設定ができてから旧ホームページなどで移転のお知らせをする予定。ほんとは年内に公開したかったんだけどなー。

いままでずっと独自ドメインを取らないでプロバイダのおまけのアドレスを使ってたのは、手作りっぽくていいんじゃないかなと思ってたからと、みんな直接アドレスを入力したりしないでまず検索するんだから、アドレスなんてなんでもいいんだろうというのもあった。

でも、最近は古い作りのサイトだとスマホとかタブレットとかにスムーズに対応できなくなって、検索にもひっかかりにくくなってしまってた。
このサイトは絵が中心だから、いくら解像度が高くなったとはいえスマホの小さい画面で見てもらってもね、、、と思ってたけど、最近はやっぱりスマホで見ている人の割合が多くなった。去年webアクセシビリティに関する本のお仕事もさせてもらって、それなのに自分のサイトが古いままというのもアレだな〜と思ったのもあった(あの本に書いてあったことを全部実行するのは難しかったけど、できる範囲で参考にした)。

画像もたくさん作りなおしたし、日記も全部読みなおした。なにしろ12、3年ぶんくらいのデータなので、ものすごい量で、なかなか大変な作業だった。

日記を読んで、わたしという人間は、いまもむかしも、その時々はふつうにしているつもりでも、ずっと変わらず揺れつづけているんだなあと思った。
この仕事を始めたころのわたしはとにかく生意気で、いっちょまえのつもりでああだこうだと書き散らしてみたり、いま思うと危ないなとか失礼だなとか思うようなことをよくわからないでやってたりしてハラハラする。でもそうじゃないとやってこれなかったよねとも思う。
いまと同じようなこと考えてるときもあるし、全然ちがうことを考えてるときもある。生活はあんまり変わらないけど、絵に関しての考え方はけっこう変わった。そのときは一生懸命でも、けっきょくうまくいかなかったり、忘れてしまっていたこともたくさんあった。
いまはほかの作家さんの展示を見て落ち込んだりはしなくなったけど、だからといって心が揺れなくなったというものでもない。
日々暮らしていると、そんなに大きく動いてる感じはないし、10年前といったってそんなに昔のこととも思えないんだけど、小さな揺れが、つもりつもって、やっぱりいろいろ変化してる。

シュトーレン

今年も、上北沢のケーキ屋さん、コンディトライ・シュピーレンさんのシュトーレンをいただきました。
わたしはこのお店の紙袋とか包装紙のイラストを描かせていただいてます。
見た目は地味だけど、薄くスライスして食べると、意外なほどフルーティで、紅茶によく合います。
ずっしりと密度が高いので一度にたくさんは食べられませんが、日持ちするので、毎日少しずつ食べるのが楽しみです。
毎年食べてるので、年々美味しくなっていくのがわかります。
 
上北沢駅の北口を出てまっすぐ甲州街道に出て信号を渡ったとこにあるお店です。ケーキ以外も、ジャムとかクッキーとか、夏ならアイスも、とても美味しいです。
お近くの方はぜひどうぞ~。

吉野葛

先月の谷崎名キャラ図鑑の題材は「吉野葛」の津村で、コラムは詩人の杉本真維子さんでした。
晩秋の奈良・吉野が舞台。母を早くに亡くした青年が、母の出身地である貧しい紙漉きの里・国栖へむかう。
山奥へ深く分け入っていく旅程と、心の奥の母のイメージをたどっていく過程とがリンクして、そこに「義経千本桜」の吉野山の段の静御前と忠信狐の話とか、葛の葉狐の伝説とか、「妹背山婦女庭訓」の情景とか、いろんな要素が複雑にからみあって、実話なんだか作り話なんだかよくわからなくなってくるような幻想的な小説でした。
この連載で今までに読んできた中で一番好き。
 
挿絵は、歌舞伎の妹背山の舞台装置(山と山の間に川が流れている構図)とか、関西の商人が主人公の話なので琳派っぽい感じとかを少し意識して描きました。
紙漉きの里の白、半透明に熟した柿…、と色の印象が鮮やかな小説だったので、カラフルな絵に仕上がりました。

環境ポスター展終了

環境ポスター展、無事におわりました。
初日と最終日は時間が短いし、休廊日もあって実質4日間くらいの展示でした。
足をお運びくださった方、どうもありがとうございました。
 
わたしもこの仕事を始めてから12~3年で、そこそこ知り合いも増えてきたけど、この展示は40年も前から開かれているそうで、参加者も大先輩の方々ばかり。いまわたしが感じているような壁や不安はもうとっくに乗り越えてきたよという方々。作品も、手堅くプロフェッショナルな作品が多かった。
やっぱりわたしはどうしてもプロになりきれないところがあるんだよなー。。。エゴが強くて、ポスターとかカレンダーに向くような絵がどうしても描けない。
わたしは初参加で、今回初めてお目にかかる方がほとんどで、しかも人数が多くて、重鎮ぽい方とかは話しかけづらいし、なかなかうまく交流できなかったけど、レセプションパーティの準備や打ち上げで少しなじめたかな。
 
パーティ料理はほぼ参加者の分担による手料理で、ほんとうにすごかった。ものすごい段取りの良さと見事な出来ばえで、びっくりした。こんなのはじめて見た。
わたしは人に振る舞えるような見栄えのいい料理なんてできないので困ってしまって、リーダーのまゆみんさんに相談したら、野菜の浅漬けの分担にしてもらえてほっとした。
浅漬けの素なんて使ったことなかったけど、指示通りに漬けたら案外美味しかったので、ま~、つぎの個展のときは浅漬け作って持っていこっかな~。笑
個展のときはテンパってるから、料理どころじゃないんだけどね。。。