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目の人々

岩清水さやか個展「目の人々」
2006年11月27日(月)~12月2日(土)
11:00~19:00(最終日は17:00まで)
南青山・ピンポイントギャラリー 最寄り駅は地下鉄・表参道駅です。

「目の人」とは、ある友人が、わたしの絵にでてくる人物につけた、よび名です。
友人は、「目の人」には名前があるの?とわたしに聞きました。
わたしは、そんなことは考えたこともなかったので、名前はないし、全部が同じ人かどうかもわからないし、男か女か、子供か大人かもわからない、見る人が好きなようによべばいいと言いました。それで、彼らは「目の人」になったのでした。
単数形か複数形か迷いましたが、今回は、「目の人々」というタイトルにしました。

5年前の冬、チョイスで入選した絵に描いた人物は、みんな、まだ目をつむっていました。
そして、その目がぱっちり開くまで、じつに、2年以上かかりました。

目の人は、いつも、何かをじろじろと見ています。
小説の挿絵として描いた人々も、それぞれの人格がありますが、やはり目の人です。
わたしは、絵を描きながら、いつもいつも、目の人々と見つめあっているわけですが、彼らは、自分であるようなないような、なんともいえない不思議な存在です。
また、ときどき、わたしとは、イコール「目」なんじゃないかと思うこともあります。
そういうときは、目があるだけで、楽しく生きていけそうな気がします。

搬入

わたしは芝居のチラシ描きからイラストをはじめたので、最初から描いたものは印刷されることが前提で、額に入れて飾るということはほとんど想定していなかった。

それで飾ってみての感想は、一枚一枚は暗いけど、全体的には妙にサワヤカな感じ。
気に入ってる絵もあれば、中には正直言っていまいちかなというのもあるのだが、みんなまとめて展示することで、わたしの現状をあらわしているんだからこんなもんか。

しかし無事に搬入できると思ってなかったので、まあよかった。
なんだか現実感がなくなってきた。

あたまがごちゃごちゃ

描いてる途中の絵を、部屋中にぐるりと並べてあるのだけど、こうしてみると、わたしの絵は、お部屋に飾るのには適していないなと思う。

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DMの印刷が出来てきたからそれをどうにかするのと、額縁とマットの手配と、物販の準備と…、BGMの選曲は友人Kに頼んだし…、

あとは、服を用意しないといけないなあ。面倒だなあ。月末は寒くなるかなあ。

***

来年の手帳とカレンダーを買った。カレンダーは、フェルメールのにした。
好きじゃないけど、なぜかどこかひっかかるフェルメール。

12月号

小説推理の12月号が届いた。12月って…!
早いなあ。しかし今のわたしにはすごく遠いような気もする。

ケーキ屋さん情報・その3

包装紙と紙袋のイラストを描かせていただいたケーキ屋さん、Konditorei SPIELEN(コンディトライ シュピーレン)は、10/1のオープン後、ずっと雨が降ってたのにもかかわらず、連日売り切れの大にぎわいだそうで、なにより。

わたしはもう少し落ち着いてから行くつもり。

買い込み

新刊です。

告白。―ピュアフル・アンソロジー (ピュアフル文庫)

    • 作者: 芦原すなお,岩井志麻子,若竹七海,岸虎次郎,本沢みなみ,安藤由希,前川麻子
    • 出版社/メーカー: ジャイブ
    • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫

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イーゼルやら、紙やら、絵の具やら、どかどか買い込み。配送してもらう時間が惜しいので、自分で運んだ。
で、さっそく、紙に水をなじませた(水張りは面倒臭いからやらない)。

ケーキ屋さん情報・その2

ケーキ屋さんの紙袋と包装紙の詰めの打ち合わせ。
お店の名前はKonditorei SPIELEN(コンディトライ シュピーレン)。
10/1(日)の大安吉日にオープンすることに決定だそうです!

お菓子職人の岡田さんにソルダムのコンポートの瓶詰めをいただいた。
開店前に食べられるなんてうれしい~。

突撃デビュー…

ひとくちにイラストレーターと言ってもいろいろなタイプがあって、(わたしは、日本の絵描きは、画家と名乗ってる人も含めて、ほぼ全員、イラストレーターと呼んでも差し支えないのではないかと考えている。)自称でもOKだし、 画廊でイラスト原画を売って生活してる人もいるし、素敵ライフスタイル系、モード系、アート系から、マンガやらアニメ系の人もいるし、CG系、写実系、ヘタウマ系、キャラクター系、リリー・フランキー、その他いろいろ、それに突撃体験レポ系の方々もいる。

わたしはひきこもりだし絵柄的にも突撃向きではないと思っていたんだけどなあ。

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上京して遊びに来た母が、わたしの部屋を見てひとこと、「生活感があるねー…」
こういうことを母に言われるとは、けっこう複雑な気持ちである。

おおっ

新宿の紀伊国屋に行ったら、文庫の売り場で、「夏休み。」がドーンと専用棚に並べられていて、なかなか壮観だった。
で、気が大きくなって、ゲド戦記(ハードカバー版)を全巻、購入。

ピュアフル・アンソロジー 夏休み。 (ピュアフル文庫)

    • 作者: あさのあつこ,石井睦美,石崎洋司,川島誠,梨屋アリエ,前川麻子,岩清水さやか
    • 出版社/メーカー: ジャイブ
    • 発売日: 2006/06/01
  • メディア: 文庫

へそまがり

忙しい時にかぎって、目の前に差し迫ってる〆切よりも、
明日とか明後日〆切の仕事のほうをやりたくなってしまうのはなぜ。

暖かい海

今日はグループ展の搬入日だった。
予定の時間には間に合わなかったがドライヤーを駆使してなんとか仕上げた。そのあとお店で額装をしてもらった。わたしには自分の絵を額に入れて展示するという概念が去年までなかったので、額装するのは今回が初めてで、時間もなかったし、大いにあわてた。

タイトルは迷ったが「暖かい海」にした。単なる思いつきである。
べつに海でも川でもプールでもよかったし、暖かくなくたっていいのだが。
「旅の原点」というテーマとなんの関係があるのかはわたしにもわからないが、そんなことは見る人がてきとうに考えてくれればいい。

青春の残照、あるいは苦い思い出もまた思い出

友人の婚礼当日。それはわたしにとっては〆切を意味する。絵を仕上げることは諦めをつけることであり、〆切はそのための時間だ。
徹夜明け、5分で菖蒲湯に入り、髪洗いっぱなしのスッピンで横浜へ。
携帯も腕時計も無いので時間が分からなくて焦ったが、ギリギリセーフで式場係の人にウェルカムボードを渡した。しかし本人たちには会えず、サプライズみたいになってしまった。(そのあと時間があったのでお化粧はきっちりできた)

披露宴は、久々に会う友人も多くて、たいへん楽しかったし、いい会だった。
ほとんどの招待客が大学の演劇サークル時代の仲間だったので、寸劇やらビデオレターやら、いろいろ工夫を凝らしているようだった。

で、しみじみ思ったのは、今は真っ当すぎるくらい真っ当な職業(主婦含む)についている彼らにとってあの頃というのは、美しく楽しい思い出なのだ、ということだった。
わたしはもう演劇には関わっていないけれど、納得しないままやめたので、いまだに、思い出すと苦々しい気持ちになるし、大部分はもう忘れた。
当時作った公演チラシのイラストは、まだ迷いがある時期のものなので、あまり思い出したくはない。

***

来場者でウェルカムボードに気付いた人はあまりいなかったようだ。
席札やカードの絵も、出来合いのものと思われてしまったフシがある。宴の本筋には関係ない装飾だし、個人作業だし、仕方ないといえば仕方ない。ブライダルを意識してエッジを立てず、可愛くしたぶん印象も薄かっただろう。もっと素人っぽく描いたり、内輪受けに走ってしまえば、手作りであたたかみがある、と思ってもらえたかもしれない。

わたしも、仕事ではないと割り切ってしまえばもっと楽しめたかも知れないが、親族もいるし、二人の希望でもあり、悪ふざけせずにいつものように仕上げた。
打合せの時、イラストレーターの友人がいるのを自慢したいと言われたけど、そもそもそんなことは自慢にはならない。

この結果は、事前にだいたい予想がついていたのだが、後に残るものなので、わざと素人っぽく描いたものを部屋に飾られたら困るし、わたしにとって絵を描くことは思い出ではないので、ずいぶん悩んだ。
頼まれたことは、たしかに嬉しかったのだ。
それに過不足なくこなせたと思う。でもとてもむずかしかった。

***

世の中にはイラストが溢れているし、誰でも簡単にダウンロードして使える。イラストは日常的に消費されてゆく風景の一部になってしまっているので、有名なイラストレーターの作品でさえ、例えば雑誌などに載っていても、見る人は、普通は、その絵を誰が描いたかなんて考えもしないものなのだ。

そういう意味では、気付かれない方がプロの仕事ってことになるのかも知れないが、現に寝不足だし、あれだけ人がいて手ごたえがないのは複雑だ。
まー、あれこれダメ出しされてもイヤだっただろうけど…。
もちろん素人でも勘のいい人には痛いところを見抜かれてしまうこともあるし、聞く耳を持たないわけではないけれども、わたしは気難しいのである。

こういうのを楽しめる性格なら、もっと一般受けするものを描けるのかなあ。(明るく親切な性格のイラストレーターだってたくさんいる。多分。)どうしたらこういうことを気持ちよくやれるんだろう。こうも性格が悪く、かつ不器用だと、真っ当な人生を送ることはむずかしい。
どんな職業でも苦労はあるのだろうが、30代の所得格差は拡大するばかりだ。

それでも本日の主役たちが幸せそうだったのは救いではあった。

タダより高いものはない

今頃になってまだ例の婚礼用のウエルカムボード作りの作業をしている。
これが使われるのは今週末。当日直接搬入にさせてもらった。

それにしても描いていて違和感があるのでなんでだろうと考えた。
ふだん、わたしは、仕事以外で絵を描くことはあまりない。
だから自分のために絵を描いているわけではないが、特定の誰か(知人とか作家さんとか編集さんとか)のために描くわけでもない。
ただ、わたしのいる立ち位置からしか見えない景色を紙に写して、世界のどこかでだれかが気に入ってくれたらいいなあという感じである。
気に入らない人は気に入らないでどうしようもないことなのだ。
特定の人のこだわりに合わせて描くのは、こんなに不自由なのかと今さら実感。

仕事の場合は、あまたのイラストレーターの中から選択されてから来るから、依頼をもらった時点では、かえって自由な気がする。
わたしがあまりコンペには積極的でないのも、同じような理由からだ(すでに描いてある、ストックの絵をコンペに出品することはある)

とにかく、仕事じゃないにしても、わたしにとって絵を描くことは遊びではない。
とりあえず、いつもは使わない色の絵の具が必要になって買いに行った。

異次元の旅

来月出展することになった、グループ展のお題は「旅の原点」。
私は、旅の原点とは、単純にA地点からB地点に移動する線のA地点のことで、山でも川でも街でもどこでもいいだろう、と思っていたのだが、、、

友人Kの解釈では、旅とはそもそもどうして始まったのか?という意味であり、ここは日本なのだから「股旅もの」の絵を描くと良いのではないかと言う。
その世界には遠近感とか時間軸とか歴史とか物語とかがある。

なるほどね。しかし私の世界はどこまで行っても2次元なのだ。
そしてどちらの意見もロマンやセンチメンタリズムには関係がないのだった。