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吉野葛

先月の谷崎名キャラ図鑑の題材は「吉野葛」の津村で、コラムは詩人の杉本真維子さんでした。
晩秋の奈良・吉野が舞台。母を早くに亡くした青年が、母の出身地である貧しい紙漉きの里・国栖へむかう。
山奥へ深く分け入っていく旅程と、心の奥の母のイメージをたどっていく過程とがリンクして、そこに「義経千本桜」の吉野山の段の静御前と忠信狐の話とか、葛の葉狐の伝説とか、「妹背山婦女庭訓」の情景とか、いろんな要素が複雑にからみあって、実話なんだか作り話なんだかよくわからなくなってくるような幻想的な小説でした。
この連載で今までに読んできた中で一番好き。
 
挿絵は、歌舞伎の妹背山の舞台装置(山と山の間に川が流れている構図)とか、関西の商人が主人公の話なので琳派っぽい感じとかを少し意識して描きました。
紙漉きの里の白、半透明に熟した柿…、と色の印象が鮮やかな小説だったので、カラフルな絵に仕上がりました。

環境ポスター展終了

環境ポスター展、無事におわりました。
初日と最終日は時間が短いし、休廊日もあって実質4日間くらいの展示でした。
足をお運びくださった方、どうもありがとうございました。
 
わたしもこの仕事を始めてから12~3年で、そこそこ知り合いも増えてきたけど、この展示は40年も前から開かれているそうで、参加者も大先輩の方々ばかり。いまわたしが感じているような壁や不安はもうとっくに乗り越えてきたよという方々。作品も、手堅くプロフェッショナルな作品が多かった。
やっぱりわたしはどうしてもプロになりきれないところがあるんだよなー。。。エゴが強くて、ポスターとかカレンダーに向くような絵がどうしても描けない。
わたしは初参加で、今回初めてお目にかかる方がほとんどで、しかも人数が多くて、重鎮ぽい方とかは話しかけづらいし、なかなかうまく交流できなかったけど、レセプションパーティの準備や打ち上げで少しなじめたかな。
 
パーティ料理はほぼ参加者の分担による手料理で、ほんとうにすごかった。ものすごい段取りの良さと見事な出来ばえで、びっくりした。こんなのはじめて見た。
わたしは人に振る舞えるような見栄えのいい料理なんてできないので困ってしまって、リーダーのまゆみんさんに相談したら、野菜の浅漬けの分担にしてもらえてほっとした。
浅漬けの素なんて使ったことなかったけど、指示通りに漬けたら案外美味しかったので、ま~、つぎの個展のときは浅漬け作って持っていこっかな~。笑
個展のときはテンパってるから、料理どころじゃないんだけどね。。。

地球はともだちポスター展

11/24(火)~30(月)に、市ヶ谷の山脇ギャラリーで開かれるグループ展に参加します。
わたしは、ポスター展というのは初めてです。
 
この展示は、デザイナーさん中心のグループで今までにも何回か開かれているようで、わたしは今回初めて出展のお誘いをいただきました。
ポスター展という企画は、デザイナーさんならではの発想だなと思います。
B1サイズということで、ふつうのイラストの展示にくらべてかなり大きいので、不安。
わたしはあくまでイラスト描きなので、デザイン的にかっこいいものは作れないけど、大きい紙に印刷された自分の絵を見てみたい気持ちはあり、参加することにしました。
  
地球はともだちというテーマだけ与えられて、内容やコピーは全部各自で考えました。
でも、わたしは、基本的に、環境問題はなるようにしかならないだろうと思っているので、一生懸命考えてはみたものの、どうしてもなにも思いつかなかった。。。なので、地球のともだちって誰かな~?というゆるい切り口で描きました。
宇宙人に向けての地球観光PRポスターみたいなイメージです。

地球はともだちポスター展
市ヶ谷 山脇ギャラリー
11月24日(火)~30日(月)(29日 日曜日休館)
11:00~18:00 最終日30日は13時まで
パーティー 11月28日(土)16:00~18:00

谷崎名キャラ図鑑、今月の題材は「鍵」の妻・郁子。
コラムは宗教人類学者の植島啓司さんでした。
夫婦がそれぞれの日記(盗み読みされているという前提)の中で、いろいろ妄想したり、複雑きわまるかけひきをしたりする話。
人間心理を読むのが得意な人って、表面はふつうでも、内面的にはこんなふうにドラマチックに生きてたりするのかな。。。

(仮)の事情

アンファンテリブル公演「(仮)の事情」の千秋楽を見てきました。とても面白かった。
演劇を見たぞ!って感じ。役者さんみなさんすごくカッコ良くかつ可愛かったです。

この公演では、「カルチベート・チケット」という試みがされていて、わたしもそのしくみの説明用のカットを描かせていただいたのですが、正直半信半疑でした。でも結果的には大成功で、たくさんの方が利用されたそうで、少しでもお手伝いできて良かったです。

犬の力を知っていますか?

2007年に亡くなられた池田晶子さんのエッセイを再編集した本、「犬の力を知っていますか?」が毎日新聞出版から発売されています。
わたしは池田さんが亡くなる直前までサンデー毎日で連載されていた「暮らしの哲学」と、毎日中学生新聞の「考える時間」の挿絵を担当していて、今回の本にも「暮らしの哲学」の挿絵2点を収録していただきました。

亡くなって8年もたってから新しい本が出るのもとてもすごいことですが、その中に挿絵を入れていただけて、本当に光栄です。(挿絵って、一度使われたらたいていそれっきりなので。。。)

古い絵なので、連載時の絵をいま見返すと恥ずかしいものが多いのですが、比較的よく描けていたものを選んでいただきました。
池田さんの文章に当時かなり影響されていたのがよくわかります。
あの連載は自分の絵を作る上でとても大切だったのだなあと、改めて思います。

犬の力を知っていますか?

犬の力を知っていますか?

  • 作者: 池田晶子
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
  • 発売日: 2015/08/29

暮らしの哲学

暮らしの哲学

  • 作者: 池田晶子
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2007/06/29

夢の浮橋

読売新聞夕刊に月イチで連載中の「谷崎 名キャラ図鑑」、今月の題材は「夢の浮橋」で、コラムは日本文学者のジョルジョ・アミトラーノさんでした。
題名のとおり、源氏物語が下敷きになっていて、 美しいような、けしからんような、もやに包まれたような、なんともいえない不思議な読後感の小説でした。

 

署長・田中健一の憂鬱

川崎草志さんの小説『署長・田中健一の憂鬱』のイラストを担当しました。
デザインはwelle designの坂野公一さんです。

この小説は、小説宝石での連載時から挿絵を描かせていただきました。
いつもプラモデルのことばかり考えているエリート警察署長が主人公なので、プラモデルのパーツを描いてみました。

カッティングマットの上で作業中のイメージです。
そのイラストを使ってデザイナーさんがいろいろ遊んでくださいました。

表紙、目次、扉、それに奥付まで、あちこちにイラストが使われていて、見本を受け取ってびっくりしました。とてもうれしかったです。

うっかり変なとこで切断しちゃった体のパーツがあったりとか(笑)、ちょっとした「間違いさがし」風にも楽しめます。

光文社さんから、お盆休み明けの発売になります。プラモデル好きの方にぜひ。

署長・田中健一の憂鬱

署長・田中健一の憂鬱

  • 作者: 川崎草志
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/08/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

異端者の悲しみ/猫と庄造と二人の女

読売新聞夕刊に月イチ連載中の「谷崎 名キャラ図鑑」先月と今月のぶんの挿絵です。

201507292

1枚目は「異端者の悲しみ」のお富ちゃんで、文章は青山七恵さん。
2枚目は「猫と庄造と二人の女」の庄造で、文章は市川真人さんでした。
どっちの小説の登場人物も、ものすごいダメ人間ばっかりで、可愛くて面白かったです。

デザイニングWebアクセシビリティ

今週末くらいにボーンデジタルさんから発売になる「デザイニングWebアクセシビリティ」という本の挿絵を描きました。
webデザイナーさんなどのための分厚い専門書です。
たくさん挿絵使っていただきました。amazonの書影でもいくつか本文中の挿絵を見ることができます。
目や耳が不自由だったり、マウスやキーボードの操作ができなかったり、その他いろんな状況におかれた人がいますが、誰でもスムーズに利用できるようなコンテンツを作るための本です。
類書が少ないようですのでご興味のある方はぜひお手に取ってみてください。

デザイニングWebアクセシビリティ – アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ

  • 作者: 太田良典,伊原力也
  • 出版社/メーカー: ボーンデジタル
  • 発売日: 2015/07/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

怪ダレ脳

街を歩いててたま~に出くわす、コンクリート壁いっぱいに手形をベタベタつけて「木」とかに見立てたコミュニティアート的なやつが怖くて怖くてたまりません。

。。。怪ダレ脳なのでしょうか。

それはさておき、怪ダレシリーズの電子書籍版が発売になっています。(1巻『タタリの学校』、4巻『恐怖の教室』、5巻『悪霊の教科書』)
ニンテンドー3DS専用のコンテンツです。

今までにも挿絵を描いた実用書が電子書籍化されたことはあったのですが、電子化の作業にはわたしはノータッチでした。
でも今回はきちんとチェックさせてもらえたので、本当に良かったです。やはり、元々紙に印刷される前提で描いているものなので、電子化しても全く同じというようにはできません。
3DSは特に、2画面の状態で表示されるので絵が真ん中でちょん切れたり、画面に合わせて縮小されてしまったりするので、見やすくなるように、あちこち手直しさせてもらいました。

電子書籍は、印刷という工程を通さないので、パソコンで描いたのに近い状態で絵を見てもらえるという面白さもあります。
機械的に、ただ紙の本を電子データ化するだけではもったいないし、本とは全く別の媒体として、やろうと思えばもっといろんなことができる可能性があるなあと思いました。

春琴抄

「谷崎 名キャラ図鑑」連載2回目のテーマは「春琴抄」で、5/23の読売新聞夕刊に掲載されました。

「春琴抄」は、学生の頃に島津保次郎監督の映画版を見た印象が強かった。
なんでこんな古い映画を見たかというと、美術を小村雪岱が手がけていたからで、久々に見直したら、花見の席で琴を弾く場面とか、やっぱり絵のようにきれいだった。
ただモノクロ映画なので、色がよくわからないのが、挿絵の資料としては残念。

文章を読むのは今回が初めて。
短い小説だけど、佐助が失明する場面が怖くてそこから先に進めなくなって読み終わるのにかなり時間がかかってしまった。
でも面白かったなー。面白すぎると挿絵描くのも大変で、描きたい要素が多すぎて一枚にまとめるのが難しかった。
それに着物を描くのも本当に難しくて、、、ちゃんと勉強しなきゃなと思った。

悪魔の十三階段

怪ダレ13巻「悪魔の十三階段」の見本をいただきました!

今回は、表紙にあの方が登場しています。笑
1巻が世に出たのが2008年だから、その頃の読者の中には、もう大学生とか社会人になってる人もいるんだな~ いやはや。。。

お店に並ぶのは27日頃になるそうです。

怪異伝説ダレカラキイタ?〈13〉悪魔の十三階段 (怪異伝説ダレカラキイタ? 13)

  • 作者: 加藤一,岩清水さやか
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2015/05
  • メディア: 単行本

Yokohama College of English

大学時代の美術サークルの同期が、4月から横浜で英会話教室「Yokohama College of English」を始めました。
わたしはWEBサイト用のイラストを描かせていただきました。

講師の村上さんは帰国子女で、英語も堪能で、英語を教える経験も豊富なかたです。アットホームな、あたたかい感じの教室になるだろうなーと思います。
新しいことを始めるのってすごく大変だと思うけど、なんだか、わたしまでワクワクした気持ちになりました。
教室のスタートに花を添えることができて、うれしいです。