ものすごい無力感

大きな絵を描き終えるときはいつもそうなのだけど、ものすごい無力感におそわれる。
寒いし眠いし疲れたし絵は上手く描けないし才能ないし、

悲しい!悲しいよおお!

と、昨晩は、越谷からの帰りの電車の中で叫びだしたいような気持ちであった。
よっぽど今日も続きを描きに行こうかと思ったけど、これ以上やってももう無駄だし、正直いいかげんうんざりしてきたし、もう少し冷静な気持ちになってから、もう一度見に行って、まだ直したいと思ったら、少し修正はするかもしれません。
でもいまのわたしにできるのはここまでです。どうもすみませんでした。

クリスマスの夜。。。

深夜近く、アパートへの帰り道、最後の角を曲がると、少し先の道の真ん中に、後ろ向きで仁王立ちしているおっさんがいた。
近づいていくと、おっさんが頭だけ振り返って、目がばちっと合った。
おっさんはそのまま微動だにしない。

道はせまいし、両手が荷物でふさがってたので通りにくいなと思いつつ、さらに近づいていくと、、、
おっさん、なんかお尻丸出しなんですけど。。。
さりげなくズボンとパンツをお尻の下までおろした状態。さ、寒くないのか?

こりゃまずいなと思いつつ、そこを通らないと帰れないので、気づかないふりして、歩調も変えず、絶対振り返らないように、横をすり抜けた。
でもまあ、わたしもそのとき、あんまり寒かったし、深夜だから油断していて、パーカのフードを頭にすっぽりかぶって、けっこう怪しい格好をしてたのだったが。

ただの酔っぱらいだったのか、変態だったのかわかんないけど、どっちにしてもやっぱり嫌なものは嫌だな。
なにごともなくてほっとしたけど。

映画と絵画の境界線

きょうは、渋谷のアップリンクで行われた、短編フィルムの上映会に行った。
映画評論家で多摩美の先生でガンホ会の発起人、大久保賢一さんのプロデュース。
行く途中、渋谷駅前のスクランブル交差点で背後から前川さんに声をかけられた。目的地が同じとはいえ、大混雑の渋谷駅前でばったり、ってなんかすごい。

映画と絵画の境界線上にある作品、ということで、ほとんど停止してるようにみえるけど実はじわじわと動いていたり、カメラの位置がずーっと固定されてたり、物語がないもの、アニメ的な表現のもの、いろんなのがあって、それぞれすごーく面白かった。

前衛的な映像作品は美術館でよく見かけるが、映画とは別のものだと思ってた。
わたしは美術館で映像のコーナーがあると、素通りしてしまう場合が多い。
まあ映画も見ないし、映像のような時間的表現にほとんど興味がないこともあるが、美術館では絵のようにスクリーンが展示されていて(美しいのは確かだけど)、椅子がないから、じっくりみるには地べたに座り込んだりしなきゃいけないので困る。(絵だったらぼーっと同じのを何十分も眺めてたりするのにな。)

でも大久保さんは、こういう短編を映画館で上映したいと話されてて、ああそうか、こういうのもやっぱり映画の一種なのか、と思った。
大久保さんは「映画が映画館を出て美術館に進出している」という感覚のようだ。
サイレントの作品では、映写機の音がよく聞こえるのも面白かった。

映画の後は、大久保さんと音響家の森永康弘さんとのトークショー。
「音」を中心にこの世界を把握しようとしている人とは、同じ世界に暮らしていながら、まったく違ったパラレルワールドを見ているのだろうなと思う。
アルタミラの壁画の話が出て、うわ行ってみたいと思ったけど、公開されてないらしい。

わたしは、絵と映像の境界線ははっきりあると思っている。境界線のある場所は、人によって変わると思うけど。

自分の絵が具象だからかもしれないが、絵は、やっぱり基本的には、連続する時間のなかの大切な一瞬を永遠にとじ込めるために「切り取る」ものだと思う。
その時間が、現実の時間であっても、架空の(小説とか)の時間であっても。

なにかが最も素晴らしく見える瞬間の色や形を選び抜いて切り取ろうとしているのに、それが変化してしまったら切り取った意味がなくなってしまう。
映像から見たら絵は静止してるものに見えるかもしれないし、静止することも「動き」の一部ではある。

でも、切り取った絵は、動かないけど、動かないだけで、止まっているわけではない。だって絶対にそのあとで動き出したりはしないから。
さらにいえば、絵というのは写真とも違って完全に絵描きの脳の中で生まれた作り物なので、その前後の瞬間なんて初めからなかったかもしれないのだ。

絵は、人間が手で描くものだから、描くためには一定の時間が必要だし、一枚の絵の中には、絵描きが異なった時間に見たり考えたりしたものが混ざっている。
描かれたものをみるのは一瞬でできるから、絵画の中に動きを内包させることも可能だ。
一瞬で全体をみられない、絵巻物のような表現は、映像にかなり近い。壁画も、場合によってはそうかもしれない。
しかし、やっぱりそれは映像作家が描きたい動きとは違うような気がする。(絵巻物の時代には映像はなかったからくらべられないけど)

絵描きは絵を保存しておこうとするし、映像の人は動きを記録しようとしているし、一番大事なものも、作る動機も、目的も、もともとまったく違うんじゃないかと思う。
一人一人の人間の感覚の違いは、ここまで大きいのだ(小さいような気もするが)。
でも、一番大事ではなくても面白いものは面白いので、今日の上映を見られて良かった。

そのあと、大久保さんの奥様で、4月のソウル観光でもご一緒した京子さんや、大久保さん、森永さんやその大学のお仲間たちとみんなでまた飲みに行った。
前川さんとはここ4日のうち3日、一緒に飲んでる。。。感動のあまり、大久保さんに感想をわーわーとまくしたててしまった。。。

終電で帰宅したらFAXが届いてて「屋久島取材日程と注意事項」と書いてある。まったく心当たりがなく、たまげながらも、ええっ1/5出発!もうすぐじゃんとか、うーん飛行機イヤだなあとか、登山靴なんて持ってないよとかいちおう考えてから、よく見たら別の方に宛てたものだったので、ひと安心しましたとさ。

ガンホ会忘年会

渋谷・兄夫食堂にて、ガンホ会(ハングルプロジェクト)の忘年会。
中1日で、また前川さんにお会いすることになった。
前川さんのまわりの人々は今どきありえないくらいみんなタバコを吸うけど、韓国料理屋さんは煙の排出力が抜群なので、服や髪に匂いがつきにくくて良い。(わたしは吸わないけど、副流煙を気にして面白いことをみすみす逃すのは惜しい)

ガンホ会の集まりは夏以来。わたしもこのところ忙しすぎてちょっとほっぽってた。
会の名前の由来は、そもそも前川さんがソン・ガンホの大ファンで、このプロジェクトは、彼に前川さんの小説を読んでもらうためにはじまったから。

今回は欠席の人が多くて、プロジェクトについての話はほとんど進まず、結局、前川さんの武勇伝&恋バナを聞く会になっていた。
あれほどの恋愛の達人でもあんなにあれこれ悩んでるんですなあ。すごいパワーだ。。。

それにしてもマッコリってほんといくらでも飲めるし後に残らない。うちに帰ってからもうひと仕事できたくらい。あとズッキーニのチヂミが美味しかったな。作り方を教わったので今度やってみよっと。

GIRLS POP ATRIUMブログ

きょうは南越谷で壁塗り。もうなにがなんだか。
お店のブログでいろいろ紹介していただいてます。
帰るときになって、きょうでお店がオープンしてちょうど1ヶ月ということに気づいた。

うっそ。。。速過ぎ。。。

作業は、あと少し。年内には仕上げたいと思います。

久しぶりの社交

きょうは、ドットアーティスト、shioriさんの個展を見に、千駄ヶ谷のアートコンプレックスセンターへ。
わたしもドットは大好きなんだけど、shioriさんのドット好きは半端ではない。
メタルっぽい色の使い方が面白かった。4点揃いの、春めいた作品がとくに気に入った。

6月のアートフェアのときにご一緒した皆さんと再会して、シャンパンなど飲みながら、またのんびりおしゃべり。ああこんなゆっくりした時間は久しぶりだ。。。

来年の年末に、またACTさんでのグループ展に誘っていただいているので、それについてもすこしお話をうかがって、会場(すっげえ広い)を下見した。
まだ具体的なことはきまってないようで、なんだかよくわからないけど、なんとなく、この流れだと参加することになりそうな感じ。たたたいへんだ。

それから、アンファンテリブルの忘年会。
前川さんは最近またさかんにワークショップをされてるので、初めて会う方が多くて、去年・一昨年と欠席してたのもあって、最初は別の団体かと思った。

新旧ワークショップのお弟子さんたちや、役者さん、映画監督、カメラマン、文筆者、シングルマザー、まだ何者でもないけど映画を撮りたい22歳、などなど、あいかわらずいろんな人々のごった煮状態。みんなどっか不安定。しかしお酒は強い。

わたしはワークショップには一度も参加したことがないので自己紹介が面倒だが、きょうは最初からお酒入ってたせいもあるのかどうか、楽しく過ごせた。
昔は飲んでるあいだじゅう、うまく話せなくてずーっと黙りこんだりしてたな~。でもあんなへんな子がいても許容してくれる、不思議に懐の深い飲み会なのだ。今も昔も。

あいかわらずまわりの話題にはぜんぜんついていけないんだけど、わたしは絵描きです、とシンプルに言えるようになってからはずいぶんましになった。

酔うと思ったこと全部ぺろっとしゃべっちゃうので怖かったというのもあったっけ。それで飲み会の間しゃべったことを一言一句全部覚えてたりとかね。神経症だな。
いまは、しゃべっちゃってもまあしかたないかって思える。
22歳には戻りたくないなあ。いまだって何者でもないっちゃないけどさ。
でも、もう性格変えたいとか別の人間になりたいとかは思わなくなった。

英会話を習っていて、言葉がなかなかでてこないのは、頭が悪いからというより、そもそもしゃべるのが得意ではない性格のせいが大きいなあ、とつくづく感じるけど、もう性格なんて変えようにもどうしようもないとわかってるし。

久しぶりに飲んだら少し頭が痛くなってしまった。
2か月ぶんくらいの人にまとめて会ったような一日であった。

館詰

昨日の日記を読んだ友人Kからメールがきて(ヒマらしい)、「カンヅメは、旅館、ホテルなどに詰めて書くのが語源なので「館詰」ですよ。従って厳密には家に閉じこもる場合には使わないです。トリビア。」

ということだそうです。さすが物知りだ。。。なるほど。そりゃそうか。じゃあやっぱりわたしの場合は「引きこもり」でいいんだな。でも語源まで考えたら引きこもりってのも違うような気もするけどな。

しかし、トリビアって言ってるけど、ほんとにどうでもいい知識だ。。。
こんなダジャレみたいな業界用語にも正しい使い方ってあるんですな~

柚子と蜂蜜を買ってきて、柚子茶を自作。柚子茶は買うと高いなあと思ってたけど、適正価格であったということを理解した。

缶詰について

ホットカーペットの上に、ポトフを一皿ぶちまけてしまった。。。

わたしが「引きこもり」と呼ぶところの状況を、世間では「缶詰」と言うらしい。。。
そんなお洒落なもんではないのだけどなあ。自分ちだし。

引きこもってるあいだは、ただ、外に出られないというだけで、意外とちゃんと食事も(簡単なものだけど)作って食べてるし、早寝早起きで最低限の睡眠はとってるし、けっこう規則正しい生活をしている。そうでないと、さすがに2週間はもたない。
寝るのと食べるのだけが楽しみだし、食物繊維はちゃんと摂らないとホラね~。

でもなんか知らないけど、とにかくすごく神経が冴えているので、作業のあいまにちょっと息抜きに「数独」とかやったりとかすると、異様に速く解けてしまったりして拍子抜けしてしまう。

外に出られないのも、ほんとは、料理とかできるくらいなんだから、むりやり時間を作って、近所のジムにサッと行って、ちょこっと走って帰ってくるくらいならできないこともない気もするんだけど、精神的に追いつめられてくると、罪悪感もあるし、頭の切り替えができなくなり、部屋から出ようにも出られなくなって、自分から閉じこもってしまうのだ。

そんな状態になる前に早めにとりかかればいいかっていうと、こういう集中状態にならないと出てこないものもあるからなあ。

でも以前は挿絵一枚描くのでも、かなり追いつめられた気分になってたけど、いまは、2~3枚くらいならわりと平常心でこなせるようになったし、それでクオリティが落ちたということもないと思う。
まとまった数の絵を描かなければいけない単行本の仕事も、今後もっと数をこなしていけば少しは気楽にできるようになるんだろうか。まだそういうお仕事は6冊くらいしかやってないからわかんないけど。。。

山と山のあいだ

昨日は、部屋を片付けたり、たまってたメールの返信をしたりしてから、お店で販売するための、小さいお人形(限定20個)を生産。
大きいと売れないことを(やっと)理解したので、今回のはヤクルトくらいの大きさにしてみました。

きょうの昼すぎに例によって大あわてで仕上げて、それを運んで越谷へ。もう疲れてしまって、埼京線で立ってつり革につかまってたんだけど、目の前の席が空いても、そこに座るために動くのが億劫、というありさま。
でもお店に着けばそれなりに気力も出てきて、無理しないように作業した。

じつは、お店が入ってるデパート自体が1月末で閉店なので、この土日から閉店セールがはじまり、お客さんもだいぶ増えた。
お店の商品も増えてきていて、壁にもいろいろベタベタと貼られてるので、もう描き直そうにもどうしようもなくなってる部分もある。

きょうは編集者のAさんがわざわざ遠くまで出かけてきてくださった。
それでお茶しながら、絵本の企画についていろいろ相談したのだけど、なんだか話がかみ合わず、すぐ話がそれてしまう(わたしがそらしてる)。

Aさんはプロットについて話してるのに、わたしはずーっと、ディテールのことばかりを話してた。
「なんかこう、、、キラキラとか、ワクワクとか、、、」だめだなこりゃわたしは興味がないことにはまったく頭が働かない。
ストーリーになったものを読めばいろいろ言えるんだけど、プロットってなんのことだかいまいちわからないし、それだけ聞いても面白いんだかつまらないんだか、とんと判断がつかない。
わたしの頭の構造は微分方式だから、全体的なことはよくわからんのだ。で、Aさんには、わたしがなにをわかってないかがわからなかったのだった。
でも根気よく順番に説明してくれたので、最後のほうになってやっと、話がかみあわない理由だけはわかった。

ふだん編集者と打ち合わせのときはなにを話してるんですかと聞かれ、よく考えてみたけど、、、名刺交換して納期を聞いて、あとは雑談だけだなあ。挿絵にしても装幀にしても、プロットについて話す必要はたぶんないし。
だいたいいつも岩清水さんの好きなように描いてくださいって言われてるし。
ああっ、でも単にわたしが話を聞けてないだけって可能性もあるなあ。

来週はもうひと山。それを越せば、年末進行も少し落ちつくかな。
昨日ひと山越えて、次の山越えの間に「越谷」で壁塗りって、、、面白くないですか?

わたしの生きすだま

やっと、やっと、ひと山越えた。ううう~
ずっと引きこもってなにをやってたかというと、偕成社さんから春に出る、児童書「放課後の怪談」の2冊目の挿絵。

もー、、、死ぬかと思った。
というか、死んで化けて出るかと思った。
というか、死んでないけどどっかに化けて出てたかもな。六条御息所みたいに。

だってさー、こもってた間の記憶があいまいなんだもん。。。(壁塗りしてた時期を含めて、ここひと月半ほどの記憶が飛んでる)

化けて出たとしたらどこかなあ~。
この2週間、一度郵便局に行った以外、ずっと部屋にこもってたはずなんだけど、どっかでわたしを見かけたという方、いませんかね?

あっ、でも、挿絵はすごくいいのが描けました。出版されるのが楽しみ。

クラス会 ワイキキ・フィリアとabc 2009

なんかまたきゅうにイベントに顔を出すことになりました。
たぶん壁画描いたお店の打ち上げみたいなものかなと思いますが。。。
一般のお客様も歓迎のようです。年の瀬ですがご興味があればぜひ遊びにおいでくださいませ。

[クラス会 ワイキキ・フィリアとabc 2009]

2009.12.29(Tue)目黒CLASKA
Open / Start 14:30 / 15:00 – End 22:00 Charge(Day Only) : 2000+1drink
Band : ELEKIBASS / HARCO / yucca / The Sweet Onions / エイプリルズ / クノシンジ with ELEKIBASS & ???

DJ : グルーヴあんちゃん / 中村義響(The PEGASUSS)/ TWEE GRRRLS CLUB / muranao
Floor : DJカトリーヌ(Directions)/ 吉田哉人(大盛堂書店)and more…
VJ : 助川誠 / 須藤中也 with 世界のサイガート / onnacodomo
お絵かき : 茉莉枝 / よしいちひろ / KAROGARO / Ra’yka / 国重直子 / 岩清水さやか
アクセサリー & 雑貨:GIRLS POP ATRIUM / KAMIORI KAORI

堕落の道を、また一歩

またずっと引きこもってて、食糧がつきてきた。
しかし、いきなり超急ぎの仕事がはさまってきたりして、外出できない。
が、今回はいつもとは違う。
ネットスーパーなるものでお買いものすることにしたのだ。

前からネットスーパーの存在は知ってたものの、老人向けかな?なんて思ってスルーしていたのだったが、こないだあきさんにすすめられ、使ってみようと思って調べてみた。
そしたらすでにいろんなスーパーでやってるサービスなのだった。早い話、ネットでご用聞きみたいな感じ。普及してしかるべきサービス。

21世紀だねえ。なんかものすごく地道で現実的だけど。
テクノロジーというのは、結局、こういうことのために進歩してきたのか。
気になるお値段は、品物にもよるけど全体的に高くはないが安くもない。でも注文したらその日のうちにすぐ持ってきてくれるし、、、なんてことだ。
これはヤバい。ヤバすぎる。。。わたしをさらに堕落させる禁断の果実。
もうこのままずっといつまでもひきこもっていられるじゃないか。。。