わたしがずっと描いてきたものは、「ハッと何かに気づく瞬間」。
喜怒哀楽の感情が生まれる一瞬前の「戸惑い」「驚き」「感嘆」です。
自分を取り巻く世界のわけのわからなさ、素晴らしさに出会ったときめきみたいなものだと思います。
<パソコン、photoshopで描く作品について>
わたしは、イラストレーションは主にphotoshopを使って描きます。
わたしはなによりも線に興味を持っています。線は、現実の世界にはあるようで無いものです。
photoshopを使うと、線が見えない小さな点の集合であることを強く意識させられます。
そして、画材などの条件に左右されずに、線だけを納得するまでいじることができます。
わかりやすくキャッチーな感じになるので、イラストレーション向きだと思います。
<絵の具などアナログ画材で描く絵について>
photoshopで描く絵では、線は線、面は面とはっきり分けています。
でも、もっとぼんやりして空気にとけ込むような線を描きたいこともあります。
なにもない空間に満たされている空気そのものを感じ取りたいようなときは、絵の具で描きます。
絵の具は主にアクリルガッシュを使っています。
作品に「もの」としての存在感があるので、展示会向きだと思います。
<あの子のこと>
わたしの絵に描かれた人物はみんな同じ顔をしています。
名前も年齢も性別もありませんが、とりあえず「あの子(Anoko)」と呼んでいます。
わたしにはあの顔を描くのがいちばん自然で、描いていると無意識のうちに同じ顔になります。
あの子は、わたしと絵の世界とをつなげてくれる案内人のような存在だと感じています。
<立体作品について>
発泡スチロールでわたしと同じ身長の「あの子」を作ったのが立体をはじめたきっかけです。
立体と言っても、表面に絵を描いているので、わたしにとってはあくまでも絵の延長です。
立体なのに線描、という矛盾が面白いなあと思っています。
それをさらに発展させて、空間をまるごと使うインスタレーションとして展示しています。
わたしには、自分の絵の世界とつながりたい、入り込みたいという欲望があるのかもしれません。
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