この森で、天使はバスを降りた

Aさんと「この森で、天使はバスを降りた」(シアタークリエ)を観た。
招待券をもらったので。クリエは初めてなのだが、観やすい劇場だった。

映画が原作で、NYテロ事件の直前からオフブロードウェイで上演され、かなりの人気を博した作品だそうな。ふーん。
登場人物は少ないが、台詞もほとんどぜんぶが歌で、いかにもミュージカル。
確かに音楽は良かったし、キャスティングが地味だったが、なかなか面白かった。

それにしても、アメリカ人じゃないと絶対に思いつかないストーリーだった。
さびれ果てた村に、天使のようなよそ者の女の子がやってきて、かたくなな人々の心をいやすという、まあ王道のパターンなのだけど、「いろいろ大変なことがあるし、ベトナム戦争でも失敗したが、きっとやり直せるさ、だってここにはふるさとの土地があるから!」っていう結論。

えええ、、、土地ですか。。。よくわからないが、アメリカ人はそういう感覚なのだろうか。つ、強いな。。。
「それじゃなにも解決してないだろう!」と言いたくなるのは日本人だからかなあ。
もっと悩んでくれないと納得できないというか、、細かいこと気にしすぎなのかな。
大地=母性、みたいなギリシャ神話的イメージみたいだけど、うーん、公式サイトに「女性のための物語」とあったわりには繊細さに欠けるような。

…というようなことを考えるのも楽しいもんです。

ミュージカル嫌いの人って、よく「突然歌いだすのがイヤ」とか言うんだけど、(わたしなんか、ふだんでも気づいたら歌ったり踊ったりしてることがあるけどね)たぶん台詞を歌で表現することよりも、歌うことでいろんな問題がうやむやになって、いつのまにかやたら前向きな結論が出がちなイメージがあるので、そういうミュージカル的な世界観そのものにアレルギーがあるんじゃないかと思う。

葛藤するシーンが省略されると物足りないのは好みの問題かもしれないがよくわかる。
でもそんな作品ばかりじゃないと思うけど。。。
それに実際に歌ってるうちにいろんなことがどうでもよくなることもあるし、芝居つきのコンサートだと思って気楽に観たらいいのにな。