上野の国立科学博物館のラスコー展を見に行った(フランスからまさか洞窟を運んでくるわけにはいかないので、精巧に再現されたレプリカの展示)。
ラスコーの洞窟壁画を描いたのはクロマニヨン人。クロマニヨン人はホモ・サピエンスなので現代人の直接の祖先だそうだ。
クロマニヨン人の骨から再現した人形がすごくよくできていて、皮膚とか手足の体毛とかが生々しくて、見入ってしまった。思いのほか体格が良くて女性もけっこう背が高かった。こうして見るとほんとうに同じ人間だったんだなーと実感できた。
彼らは石器とか粗末な道具しか持っていなかったけど、現代人と同じような身体や知性や感情や感覚を持って生きていたのだ。
そして、大きな壁があればつい絵を描きたくなってしまうのは、彼らもわたしも同じ。これって本能なんだろうか?笑
ラスコーの洞窟は住居として使われていたわけではなく、模型によれば、かなりの奥行きがあり、曲がりくねった空間の広い範囲にわたってたくさんの絵が描かれていた。
石を削ってつくったランプの光を頼りに、こんな洞窟の奥まで入っていくのはどんなに恐ろしいことだっただろう。
絵の具は、植物の汁とか墨を使ってたのかな?と思っていたら、実際は岩石を砕いた顔料だった。どうりで、長い時間に耐えて残ったわけだ。
色も黒〜茶色〜黄土色、紫色とそろっていた。洞窟に描いてあるのは牛や馬などの動物がほとんどだから、これだけ色があれば充分なのだった(花や木を描くには足りないけど)。
その絵の具をぼかしたり重ねたりいろんな技法で使いこなしていた。動物の足の形など、とてもよく観察されて、写実的に描かれていた。
今はかすれてしまっているけど、描かれたばかりのときはさぞかし荘厳な空間だっただろう。
でも、凄いと言えば凄いけど、同じ人間と思えば当たり前なのかもな、とも思えた。
国立科学博物館に行ったのは初めてだったので、常設展も見た。
これが、ラスコー展以上に楽しかったかも。。。
いろんな動物の標本やら剥製やら模型やら化石やら、いろんな道具や機械やら、とにかくサイエンスっぽいものが、これでもかこれでもかと集められていた。情報量が多すぎて、いちいち説明文を読んでいたらとても見きれないほど。それぞれの分野に興味がある人だったら一つのコーナーだけでも1日つぶせるんだろうな。かっこいいなー。
なのでざっと駆け足で見ただけだけど、印象に残ったのは、くじらかなんかの巨大な腸に寄生虫がものすごい大量に群がってる標本とか、人類の祖先の「ルーシー」の人形(小さかった!)とか。
あと、ティラノサウルスのしゃがんだ形の化石なんてマニアックすぎて、そりゃ面白いけど、やっぱりティラノは立ち上がってガオーってしてる姿が見たいよなと思った。笑
ぜひまた行きたい。