アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国

アートトレイスギャラリーの工藤春香さんの個展に行く。
優生保護法の歴史を、生きることが出来なかった子供の目線で表現していた。
社会的なテーマをアートで表現することに、わたし個人は興味がない。
でも、訴えたい強いテーマがあるときに、力のある作家がアートという手段で伝えると、文章なんかよりずっとすんなりと心に届く場合がある。とても有効なやり方なのだなと素直に思った。印象の強い展示だった。
 
それから東京ステーションギャラリー「アドルフ・ヴェルフリ展」へ。
電車の宙吊り広告を見て、これは見逃してはならんと思った。
アール・ブリュット(アウトサイダー・アート)の作家。
わたしは他のどの様式よりもアール・ブリュットが一番好きかもしれない。
そまつな大判の新聞用紙にびっしりと描き込まれた、おびただしい数の絵。
この集中力、あるいは執着力は、、、とても真似などできない。
ただ、画材なんてなんでもいいんだよな〜、と思う。
ついつい、耐久性とか考えてしまうけど(それはとても大切なことではあるが…)。
絵に力があれば、そしてしかるべき人に発見してもらえる運があれば、画材の条件が悪くてもどうにかして保存してもらえる。
絵がダメなら、耐久性なんかあってもしかたが無い。
 
そのあとアートラボに行き、村田いづ実さんのダンス・パフォーマンス(菅間圭子さんの演奏とコラボ)を見る。
去年亡くなられたお母様の思い出の品々に囲まれての「エア茶道」。とても胸にせまった。