仕事納め

一年ぶんの日記を読み返してみた。今年ずっと考えていたテーマは、わたしは自分の原画をお金と換えることができるのか、ということだったみたいだ。
で、結論としては、今の段階では「できない」。
わたしはまだ、モノとしての絵を商品として割り切ることができない。(ふだん仕事でパソコンを使って描いている絵には、もともと原画にあたるものがない)

絵を描いていて一番すばらしいのは試行錯誤して描いている「時間」であって、描きあげてしまったものはただの残骸だから、どうでもいいという考えもできる。
また、お世話になった人にさしあげてしまいたくなる気持ちもとてもよくわかる。わたしの絵がいろんな場所に飾られていたら、すごく幸せなことだとも思う。
その絵を見てわたしの絵を知ってもらえるチャンスも広がるかもしれないし。
それはわかっているけど、これはわたしにとって、守らなければならないことだ。

ギャラリーの方に相談したら、「絵はタダであげないほうがいい、それは絵の価値を下げることになるし、自分でお金を出して買ったものは大事にしてもらえるから」と言われた。
たしかにその通りだろうなと思った。
でも反対に「お金を払って買ったのだから、どう扱おうと買った人の自由だ」という考え方もある。ふつうの場合はこっちが多いのではないだろうか。

でもわたしは描いた絵はほんとに自分の一部のような感じがしていて、お金がどうこうじゃなく、大切にしてもらいたいだけなのだ。
自分の絵は誰かに大切にしてもらうだけの価値はあるのだと思っていたい。ネットオークションとかで売られたりしたら寂しい。

いくら大事に扱っていても、絵が傷んでしまうのはある程度仕方がないけど、だからほんとうに、気持ちひとつの問題なのだと思う。
それを望むのは、絵描きの分をすぎたことなのだろうか?わたしが考え過ぎてるだけなんだろうか?重いですかねえ…。

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とはいっても、自宅に絵を置いておくと、ほんとに邪魔なんだけどね。