心の闇ドロドロ

絵本の打ち合わせ。
今まで企画を友人Kに一任していたが、それではうまくいかないことがわかったので、わたしもアイデア出しに加わることになった。

ふだん小説の挿絵を描くときは、作家さんからもらった原稿にあわせて描く。
その制約の中で、いろいろ試したり、新しい引き出しを見つけたりするのだが、わたしがストーリーにかかわることはないし、そんなつもりもまったくない。(連載だと、わたしの絵が自然にストーリーに影響することもあるけど)読者にとって絵はおまけだし、基本的に、作家さんのほうが絵描きより断然えらいのだ。

でも、今回は、それと同じつもりでボーッとしていたらいけないのだった。
絵本にもいろんな作り方があるだろうけど、今回の場合は、わたしも、やりたいことをまず前面に出して、作る動機を二人がちゃんと共有しないと、企画自体が動き出さない。

わたしたちは絵本に興味があったわけではなく、子どもにすごく関心があるわけでも、どうしてもやりたいことがあったわけでもないので、これに気づくのに時間がかかった。

文を書く友人Kはもともと親友なので、文と絵の立場が完全に対等なのが面白いところ。
なれ合うってことは二人の性格上あんまりありえないし、そんなゆるいことしてたらまず形にならないだろうと思うが、時々ケンカ腰になったり、鬱になったりして、すでに心の闇がドロドロ出てきている。友だちと仕事するって難しいな…。言いたいこと言えるのはいいのだけど。

友人Kと作る以上、どっかに友人Kの本業とリンクする内容にしたいと思うが、わたしはやりたいイメージをぱっと相手に伝わる言葉で表すのが困難なので、とりあえず絵を描いてみてから考えなきゃいけない。それには時間が必要だ。(絵の題名も、たいてい描いたあとで適当に思いつきでつけているし。)

企画を立てるなんて、いままで考えたこともなかった。
でも、ふたりともいわゆる絵本作家ではないし、絵本に生活がかかっているわけでも、どうしても絵本を作りたいわけでもないから、つまんない企画しか出せなかったら、わざわざそんなものを世に出す必要もない。さらに言えば、たとえ企画が面白くても、わたしが描く理由がなければ、描かない。

うーん、それはプロの仕事のやりかたじゃないと思うが。。。(笑)でも今回はどうやらそういう考え方しないと始まらないみたい。
編集さんがすごく理解のある方なので、それに甘えさせていただいて、あせらずに、時間をかけてゆっくり考えて、後に残るような作品を作りたい。