目の人々

岩清水さやか個展「目の人々」
2006年11月27日(月)~12月2日(土)
11:00~19:00(最終日は17:00まで)
南青山・ピンポイントギャラリー 最寄り駅は地下鉄・表参道駅です。

「目の人」とは、ある友人が、わたしの絵にでてくる人物につけた、よび名です。
友人は、「目の人」には名前があるの?とわたしに聞きました。
わたしは、そんなことは考えたこともなかったので、名前はないし、全部が同じ人かどうかもわからないし、男か女か、子供か大人かもわからない、見る人が好きなようによべばいいと言いました。それで、彼らは「目の人」になったのでした。
単数形か複数形か迷いましたが、今回は、「目の人々」というタイトルにしました。

5年前の冬、チョイスで入選した絵に描いた人物は、みんな、まだ目をつむっていました。
そして、その目がぱっちり開くまで、じつに、2年以上かかりました。

目の人は、いつも、何かをじろじろと見ています。
小説の挿絵として描いた人々も、それぞれの人格がありますが、やはり目の人です。
わたしは、絵を描きながら、いつもいつも、目の人々と見つめあっているわけですが、彼らは、自分であるようなないような、なんともいえない不思議な存在です。
また、ときどき、わたしとは、イコール「目」なんじゃないかと思うこともあります。
そういうときは、目があるだけで、楽しく生きていけそうな気がします。