ショートプログラム

わたしは映画やドラマを見るのが苦手なのだ。
お芝居をみるのは大好きなのだが、映像になるともうダメ。まず、他人(カメラ)の視点で画面を見ることを強制されるのがイヤ。監督のペースで場面がつぎつぎに切り替わるのにもついていけないし、登場人物も覚えられないし、伏線は忘れるし、ストーリーを追えない。
だからよっぽど美しい映像または珍しい視点でもない限り、すぐ飽きてしまう。最後までみても、よっぽど心にひっかかる内容でなければ記憶に残らない。

反対に、いきなり悲しい場面だけみて、前後関係がわからなくても大泣きできる。
映画とかいろいろ知ってないとなんかバカみたいに思われたりするし、資料として映画を見ないといけないときとかは、けっこうきついものがある。
お芝居なら目の前に役者がいるので、時々目を離してもなんとか状況がわかる。映像でも、バラエティとか、PVとか、集中しなくてもいいものなら見ていられる。
集中できるのは、フィギュアスケートのショートプログラムの長さくらいが限界。

そこへいくと、小説なら、自分のペースで何度も読めるからありがたい。
絵や写真は、動かない物体だし、好きなだけ眺めていられるから好き。音楽は、たいていそんなに長くないから、映像よりは大丈夫だけど、一回聴いただけではまず覚えられないし、そんなにたくさんの音楽は聴けない。新しい曲を聴くと情報が多すぎてちょっとしたパニックを起こすので、音楽が欲しいときは、気に入った曲だけ何百回もリピート再生してたりする。iTunesで一番再生回数が多いのは、くるりのワールズエンド・スーパーノヴァ。
わたしの中には、時間軸というものがないのだな。
あたまがミニマル。フランク・ステラ好きだしなあ。

あっ、でも映画が嫌いなわけじゃなくて、好きなのもあって、あんまり観てないからたくさんはあげられないけど、「ショコラ」とか「ファニー・ガール」とか「バグダッド・カフェ」とか…。