底なし沼

イラストレーターになりたいという人に相談されることがたまにあって、なんでわたしなんかに聞くんだ、って思ったりするのだけども、そういうとき、わたしは、ほんのちょっと前までは、イラストレーターというのは人として最低の職業だから、いろいろ他の仕事を試してみて、どうしてもこれしかできないとわかったら、それから目指しても遅くはないですよ、と答えていたし、心の底からそう思っていた。

でも最近はちょっと考えが変わった。
なりたいならば、そう言ってるだけじゃなくて、さっさとなってみればいい。
自称でいいので、なるだけならほんとに簡単。
それで合わなかったらやめればいいし、やめられるならやめたほうがいい。

それに、イラストレーターやっているうちに、それよりさらにどん底のヤバい人たちがいるのがみえてきた。

だからイラストは通過点としてそっちに行くケースもあるだろうし、このまま踏みとどまれるなら踏みとどまったほうがいいし。
ああ、底ってないものなんだなあと。。。思うわけです。

こないだ世界堂の絵の具売り場にいたら、某・超有名芸能人が隣で買い物してた。
そりゃ芸能人と言えども画材買うなら画材屋にいくだろうし、わたしは絵の具を物色するのに夢中で隣なんか見てなかったので、はじめは全く気がつかなかったのだけど、わざわざその人、口笛吹いて自分の存在をアピールしてきたのだ。(その通路にはわたしとその人しかいなかった)
単に、休日でウキウキしてただけかもしれないけど、ふつうあんなホコリくさい画材屋で口笛は吹かないだろう。

びっくりして思わず二度見してしまった。
業が深いと言うか、なんというか、、、ばかなやつだなあと思った。
同時に、あれだけ有名になるにはこれくらい目立ちたがりじゃなきゃいかんのかもな、やっぱり、すごい人なんだろうなあと、うっすらと尊敬した。

アーティストって言葉がなんかイヤな感じがするのは、あれは差別語だからだと思う。
一方ではすごいすごいと持ち上げつつ、ほんとは最低なのはみんなわかってるのだ。
アーティストたるものはピュアであることを期待されがちだけど、ピュアってのはバカってことじゃん。
河原乞食とか昔から言うし、おバカタレントが流行ったりとかするのも、根っこは同じことなんだろうなと思う。