また観ちゃったよ、エリザベート

宝塚月組「エリザベートー愛と死の輪舞ー」観劇。これで8回目だ。あほか。
一長一短あっても毎回それぞれ面白いのは、大変なことなのだろうし、あのコーラスの異様な不協和音に包まれる感覚はたまらんです。

今回のトートは、目立つ癖とかが少なくて、正統派といった感じだった。一幕終わりで銀橋に後ろ向きで座る姿が超麗しくて、後光が射してた。
エリザベートは、やたら走るのが速くて、手足が細くて長くて、夢も特技もないのにバイタリティだけはある、アンバランスな女。ひとりで生きていきたいし、周囲からも浮いてるのに、たまたま絶世の美女だったのが不幸のはじまり。

ふつうのミュージカルだったら、変わり者の元気な女の子があらわれたことで、まわりのみんなの心が解放されて、幸せになる話が王道だと思うのだけど、エリザベートの場合は、彼女がいようがいまいが、みんな不幸になっていく。
あれを観おわって、元気づけられるということもない。なのにまた観ちゃうのは、やっぱり異空間にトリップできるからなんだろうな。

あんなへんな話を、茶化したりせず正攻法でやれてしまうのは、さすが宝塚。
エリザベート観た翌日は、頭の中であの音楽がぐるぐる鳴りつづけるのだけど、「全ての不幸をここに始めよう、ハプスブルクの栄光の終焉~」なんてのがエンドレスで回ってると、ほんとに暗い気持ちになるよな。