青函紀行 その3

ここのホテルでは自分でコーヒー豆挽いてドリップして飲むの。
なんつう優雅な朝よ。のんびり起きて、また露天風呂(ちょっと日差しに無防備)。

今日もまたいいお天気で、夜景よりむしろ朝の景色のほうが良かった。
北国の色とりどりのトタン屋根や、ペンキで思い切って塗られた家並みが可愛い。
朝食は「ラッキーピエロ」で、一番人気のチャイニーズチキンバーガーを食べた。
ご当地バーガーで日本一って書いてあったけど。。。ほんとかなあ?エビチリ味でまあおいしかったけど、また食べに来ようとまでは思わなかった。
函館出身のGLAYが昔ここでよくだべってたんだそうで、ファンが巡礼に来るらしく、GLAYへの感謝状が飾ってあったが、彼らの曲を全く知らないのでピンとこなかった。

それから函館山の急な坂道を上って、教会などのあるエリアを散策。子どもの頃はよくわからなかったけど、いろんな宗派の教会が隣接して建てられてる。
ライラックとか、チューリップとか、八重桜とか、いっせいにまぶしく咲いていた。
ハリストス正教会の中に入って、山下りんの描いたイコン画を眺めた。

今回の一番の目的は、うちの祖父が創業して、いまは従兄弟が運営している、「函館公園こどものくに」にある、日本最古の観覧車に乗ることだった。
ここに来たのは中学生のとき以来。観覧車に乗ったのはたぶん3歳とかが最後のはず。
園内は遠足にやってきた子どもたちで、思ったよりにぎわっていた。
ほんとに古くて小さくて、門も入場料もなくて自由に出入りできるし、雨が降ったらお休みという、ハメハメハ大王の国みたいな遊園地(晴れてよかった)。

乗り物に乗るには、まず切符を買って、係の人が来るまで待たなければならない。
でも、大きな遊園地もいいけど、こういうのも人のぬくもりがあって素敵だと思う。遊んでる子どもたちも、ひいき目じゃなく、すごく楽しそうだった。
観覧車以外の遊具も、素朴なカエル釣りとか「アポロ2000」とか、レトロで面白い。園内にかかってた曲は「ひょっこりひょうたん島」。たぶん狙ってるんだろうけど。

従兄弟は出張中で、残念ながら会えなかった。でも無料券を3枚ずつもらったので、サメ型の乗り物に1回、観覧車に2回乗った。大人二人で乗っても全然大丈夫だった。
観覧車はカゴが8つしかなくて、ひとつひとつのカゴは、横がけで二人乗り。乗る時に好きな色のカゴを選ばせてもらえた。
回転の外側を向いてゆっくりと上がって行き、てっぺんまで登ると海が見える。それから後ろ向きで、回転の中心側を見る形で降りてくる。写真を撮ろうと体を動かしたりすると、カゴがぐらぐら揺れてスリルがあった。満足。

遊園地の隣を降りていくと、これまたちいさな動物園がある。子どものころ、わたしはここのことを「したのどうぶつえん」と呼んでいた。口蹄疫予防のため、ヤクとかヤギの檻には近寄れなかったのにはびっくりした。

それから五稜郭の近くまでタクシーに乗って移動した。
運転手さんは、昨日の夜景はとくにきれいだったと言っていた。わたしたちのことを学生と勘違いしてたくらいだからあてにならない気もするけど。(いったいなぜ主婦二人組には見えないのだろうか?お土産あまり買ってないから?)
小腹満たしに立ち寄った六花亭のカフェはなんとコーヒーが無料だった。さすが観光地。五稜郭タワーにのぼってひととおり景色をながめてから、五稜郭公園内を散歩した。
上から見ると反対がわに通り抜けできそうだったのに、工事中でだめだった。

前に来た時に食べて美味しかった「函太郎」で遅めの昼食。回転寿司なのに、ウニとかカキとかボタンエビとかトロとかすごく美味しいの。それでたらふく食べてひとり2400円くらいってどうなってんの。安すぎる。

Aさんはそろそろ帰りの飛行機の時間。少し海辺で時間つぶしをしてからお見送りした。

今晩は、叔母と従姉妹が暮らすマンションに泊めてもらうことになっていた。
このマンションのお風呂は温泉。昨晩の赤湯とは違って、透明な湯の川温泉。
着いた時にはまだ明るかったので、車でご先祖さまのお墓参りにつれていってもらった。
父方のお墓は函館山の左側、母方のお墓は右側にあって、どちらからも海が見える。でも全く場所を覚えていないので、叔母たちにつれていってもらわなければ無理だった。
その足で函館山と反対側にある山に登って、函館の夜景を裏から眺めようと思ったが、またまた口蹄疫予防のために通行止めになっていて、途中であきらめて引き返した。
温泉に、料理上手な叔母の大ごちそう、それにおしゃべり。今日も楽しい夜だった。