美術展めぐり」カテゴリーアーカイブ

るるる・られる

星舟庭の原田さん&大鹿さんと、ダンサーの新井さんが出演された舞台「るるる・られる」を見に、北本市文化センターホールに行きました。
(8/4には彩の国さいたま劇場でも同公演をやったのだけど、個展の最終日で見に行けなかった)

駅からホールまでの道の途中にぶどう畑や野菜の直売所があったり、ホールの向かい側では縄文遺跡の調査をしていた。このくらいの規模の町は、なんだか安心できて好きだ。

赤いワンピースをまとった、いつになく可愛い大鹿さんの声と、いつものように自然なたたずまいの原田さんのオルガンと歌、そして新井さんの、見る人をぐいぐい引き込むアイデアとパフォーマンス。ドゥイさんという2人組アーティストのすてきな美術、、、

言葉で説明するのがむずかしい、今までにみたことのない不思議な舞台。
いちおう子供むけの舞台だけど、ほんとに楽しくて、周りの子供たちと一緒になって本気でニコニコした。
あんなに元気いっぱいで楽しそうな大鹿さんははじめて見た。すごく練習したんだろうなあ。。。
いいなあ~~~、と思った。

***

「るるる」の前にはうらわ美術館のブラティスラヴァ絵本展に行った。トルネード!展でご一緒した作家さんが何人も出展されててテンションあがった。

終演後は、吉田稔美さんと一緒に東京に戻り、山下以登さんの個展(HBギャラリー)へ。女の子のあごのところのラインが好き。なんと正面の壁に「トルネード!』のときの懐かしいキリヌキ作品群がまとめて展示されていてビックリ!

直島

きょうは、またフェリーに乗って、いよいよ直島へ。
まずはうどんで腹ごしらえしてから、自転車を借りて、島内一周。

地中美術館、李禹煥美術館、ベネッセハウス、家プロジェクトと回る。
いやー、おしゃれな島だ。楽しかった!

海がキラキラ。

だいぶ日焼けした。日焼け止めコッテリ塗ってたのに、手の甲がヒリヒリ。
自転車立ち乗りとか久々にやったら、腰が筋肉痛。
直島銭湯(面白かった!)で汗を流し、さっぱりしてから、帰りのフェリーへ。

きょうの夕日も素晴らしかった。
宇野港から岡山駅に向かうバスの車窓から眺めた。写真は撮らなかったけど、目に焼き付けた。
海沿いを走るバスに乗ってた地元の高校生は夕焼けには目もくれない様子だったけど、それはもったいないよ!と思った。

駅前で適当に見つけたお店でバス待ち。岡山ラーメン食べて、ビールを一杯。ちょこっと酔った。
深夜バスで東京へ。

横浜トリエンナーレ

きょうは横浜トリエンナーレへ。
9/24に星舟庭も参加するライブの会場、新・港村の下見をしてきました。
つくりかけの村や、tptの公開稽古を見物してから、岸壁のテラスで横浜港の夜景をながめながら打ち合わせ。カフェのお姉さんがいい人だった。

ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展

きょうは、原宿のラフォーレで、ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展を見てきた。
チェコの人形劇の、人形が人間と同じサイズのものが展示されてて興味しんしん。
ラフカディオ・ハーンの「怪談」の挿絵は西洋人にしかできない表現なので参考にはならないけど面白かった。

カレル・ゼマン展

松濤美術館でカレル・ゼマン展をみた。
アニメっていうと平面の絵を動かすのがふつうのように思いこんでたけど、じつは人形を動かして撮影するほうが自然な発想なのかもなーと思った。

適当に入ってランチ食べたお洒落レストランの向かいっかわのアパートが、東電OL事件の現場だったと知ってびっくり。。。

橋口五葉展

実家に帰ってぼんやりしていると、なんだか、世界中のすべてのことがどうでもいいことのような気がしてくるなあ。

きょうは千葉市美術館で橋口五葉展をみてきた。黄色の使い方が印象に残った。
浮世絵の「髪梳ける女」 もすばらしかったけど、やっぱり装幀の仕事がいちばん素敵だったなー。

台所純情/伊藤喜朔展

きょうは龍昇企画公演「台所純情」(Space早稲田)を観てきました。
おにぎり食べる龍さん萌え。吉岡さんキモカッコいい。

芝居の前に、ふらっと早稲田大学演劇博物館に行ったら伊藤喜朔の舞台装置の展示をやってて面白かった。小村雪岱の絵もあった!

LA満喫

昨日はゲッティセンターに行った帰り、バス停を間違えてUCLAに迷い込み、やっとのことで脱出。広すぎる。。。そしてまたえんえんとバスを待った。
それからなんとか無事に、メルローズアベニュー(道が広くて日当りのいい下北沢みたいな通り)にある「JapanLA」(チャリティ展示をやっているお店)にたどりついた。うさぎの絵、お嫁入りが決まったようなので、じーっと凝視してきた。

そしてきょうは、すごくスペシャルな一日になりました。eimiさん、真珠子さん、森宏さん、森さんの妹さんとドライブ!
ハリウッドサイン に、ワーナーのスタジオ、ビバリーヒルズ、大きなピザ食べて、ロデオドライブ、そしてサンタモニカの海岸沿いをサイクリング。。。

LA最後の夜は、今回の展示関係のみんなでタイ料理。やっぱり文化的な違いは大きいし、それぞれ独立した作家の集まりというのもあって、コミュニケーションがとても難しかったけど、最後に正直なところを話すことができて、ほんとうに勉強になったし、たくさん素敵な友達ができた。

で、明日はラスベガスに飛ぶよ!

LA観光

イースターっていつなんだろ?卵とウサギの形のグッズをいっぱいみかけた。日本でもクリスマスとかハロウィンはやるけど、イースターにはなじみがないなあ。

きょうはまず現代美術館に行って、リトルトーキョーをうろうろ歩き、ゲッフェン現代美術館は閉館中だったので、隣の日系人博物館を見てから、カウンティ美術館へ。
カウンティの、ホックニーの大きな絵と、チベットの箱の装飾と、ちっちゃいエレベーターの模型(壁にの下の方にさりげなく設置されててじっとみてるととき どきドアが開くの!)と、日本の根付コレクション、面白かったなー。
日系人博物館はほとんど強制収容所関係の展示。興味深かった。

テレビのニュースはリビアのことばっかり。

ハリウッドがロサンゼルスにあるって知らんかった(←バカ)

青函紀行 その4

叔母の家の窓からは津軽海峡が見える。今朝は少しガスがかかり、下北半島が霞んでいた。(そういえば昨日の朝もホテルの窓の外が真っ白で、びっくりして起きたんだった)
でもお天気は良く、名物の朝市を冷やかしに行ったときは、だいぶ日差しが強かった。
地元の人は朝市や観光客向けの海鮮丼屋さんが軒を連ねるエリアなどには行かないので、叔母にとっても珍しいらしく、ちょっとはしゃぎながらひとめぐりした。

駅前で見送ってもらって10:40発の特急に乗った。ここからは一人旅。
青函トンネル記念館というところに、ずっと行ってみたいと思っていた。
いちおう地上からも行けるのだが、地下の坑道を見学するには電車で行くしかない。
今年12月に青森まで新幹線が開通するけど(青森ではポスターがたくさん貼られてた)、いまは北海道新幹線開通にむけての工事中なので、二つある海底駅の片方は閉鎖されて、見学できるのは本州側の最北端、竜飛岬の地下にある竜飛海底駅だけ。
この駅に停車する電車も1日にたったの4便のみ。新幹線開通後はたぶん見学できなくなる。

予約が必要ということで渋谷駅に行ったとき、窓口の人がこの記念館を知らなかったので、そんなマイナーな海底140mの駅で、他に見学者がいなかったらどうしようと不安だった。
でも、停車前に、2両目からしか降りられないので集まるようにというアナウンスがあり、出口に行ってみると、リタイア後とおぼしきおっさんや鉄ちゃんがごちゃっと集まってた。
それはそれで不安になったが、あとから家族連れも来たのでひと安心した。
坑道内の案内係の人もいっしょの電車に乗っていた。

海底駅の、人ひとりしか通れない、暗くて細いプラットホームに降り立ってからは大興奮。電車の走る「本坑」に並行している「体験坑道」を歩いて記念館に向かった。

ごつごつした壁や天井、地下水を排出するための太いパイプ、火災発生時のための風門、メンテナンスの人たちがトンネル内を移動するために使う自転車(ふつうのママチャリ)。
ここができた昭和63年当時、見学者でにぎわったころを偲ばせる、さびたジオラマや、使われなくなって久しく、土に還りかけている「竜宮水族館」も興味深かった。

工事に使われた機械や、資料の展示にはあんまり興味なかったけど、係の人の説明も聞きたいし、いろいろ見るのも忙しいし、ばたばたダッシュしまくって、ふつうに体験コースを歩く距離の1.5倍くらいは走ってたんじゃないかなあ。
そしてケーブルカー「もぐら号」に乗り、長~い斜坑を通って地上の記念館へと登った。(もぐらはここのキャラで、80年代風の絵柄。こんなとこにももれなくキャラがいるのね)

海底駅といっても、ほんとの海のド真ん中にあるわけじゃなくて、工事中や、有事に地上と出入りできるように、海と陸地の境界あたりにある。
実際、記念館のあるところは、工事中には基地だったらしい。

やっと地上にでると海がまぶしく見えた。記念館は道の駅もかねているけど人はまばら。
記念館自体もちょっとした展示物と映像コーナーがある程度で、本物のトンネルを見てきたあとではどうということもなかったが、プロジェクトX的な映像は、なかなか感動的だった。

何度も起きた事故や、開通式の様子。とにかく昭和っぽいというか、青春っぽいというか。
工事中にいっぱい人死んでるし、現代の感覚だと、よくまあこんな無茶したよなって感じ。
でも、実際にその跡地に立ってみると、やっぱり圧倒されるものがあったし、なんだかよくわからないけど、ここで人間のものすごいエネルギーが発揮されたのは確か。
ナレーションは、最後に、いつか北海道に新幹線が通るのが夢だ、と語っていた。兵どもが夢の跡だなあ、と思った。

また海底駅まで戻って電車に乗って、三たび青森駅に着いたのは15時近くだった。
そのままタクシーで青森県立美術館へ。美術館行きのバスが少ないのでしかたなく。
まず入り口にあるシャガールの「アレコ」の背景画がほんとに素晴らしかった。バレエの舞台背景用の3枚の巨大な幕。これずっとみてるだけで満足できそうなほどだった。

企画展が「ポンペイ展」で、元々あまり興味がなく、常設展だけ見るつもりだったけど、おととい三内丸山遺跡に行ったせいで、ちょっと見てみようかなという気になった。
壁に描かれていたのを剥がして復元した、フレスコとモザイクの絵が面白かった。
絵のいい悪いではなく、前に立つとその家で暮らしていた昔の人々の気配が感じられるようで、これが、ふつうの絵画よりも生活に密接した壁画というものの力なのかなあと思った。

それから常設展。青森出身の人の作品を集めているので、ばらばらといえばばらばらだけど、「あおもり犬」をはじめ、奈良美智の作品をまとめて見られるし、棟方志功のでっかい肉筆画がすごく良かったし、寺山修司の部屋も独特の雰囲気だった。
時間を忘れて見ていたら、帰りのバスの時間に遅れそうになってしまった。またばたばた走って、ちょっと離れたとこにある奈良美智の「八角堂」を一応見るだけ見た。
なんとかバスに間に合い、青森駅に戻ると、そこでまた別の長距離バスに乗り換えた。ここの乗り換えの時間が短くて心配だったのだけど、どうにかうまくいった。

高速道路からみる景色は、こないだの八甲田山の道路なんかに比べると単調だったし、だんだん暗くなってきたので、ちょっとウトウトしたりしているうちに、盛岡に到着した。

盛岡に来るのはまったく初めてだけど、曾祖父の出身地。どんなところなんだろう。
朝からまともなものを食べていなかったので、まずは駅前の盛楼閣で盛岡冷麺。
疲れていたし、こんな冷麺は初めてで、とても美味しく感じた。もう8時過ぎていたけれど、今晩泊まるところを決めていなかったので、食べながら検索。

ここまで来たんだから宿まで行って実際に見て、気に入ったところに泊まろうと考えた。それで少しうろうろして、安くて便利そうで、古いけどいい雰囲気のところをみつけた。
ネットで予約した方が安いだろうと、某サイト経由で何度か申し込んだけどうまくいかず、電源は減っていくし、ちょっと焦ったが、べつの旅行サイトを使ったらすんなり取れた。
無事チェックインできて、ほっとした。

青函紀行 その2

十和田市現代美術館は9時オープン。早起きして(早くもないか)朝イチで入館。
常設展も、企画展「草間彌生 十和田でうたう」もオブジェ中心で、明るくて大胆な雰囲気。
いい天気だったので、ガラス越しに見える青空と、美術館の空間がさわやかで気持ちよかった。

ロン・ミュエク「スタンディング・ウーマン」、ハンス・オプ・デ・ピーク「ロケーション(5)」、それに栗林隆「ザンプランド」も面白かったなー。
オノ・ヨーコのインスタレーションは明らかに恐山をイメージしてた。
美術館自体はそんなに広くないけど、美術館前の広場にもたくさん大きなオブジェがあって、草間彌生のでっかいかぼちゃのてっぺんによじ上ってる子どもがいた。すごい身体能力。。。
大人も子どもも理屈抜きで楽しめる素敵な美術館で、わたしもとっても楽しかった。企画展には周辺の商店街も協力していて、赤い水玉が窓にいっぱい貼られてたのも可愛かった。

もともと車を使う予定ではなかったので、このあと電車で函館に向かうつもりだった。
しかしここは十和田市。近くに奥入瀬渓流と十和田湖がある。

じつはわたしは恐山や奥入瀬渓流が青森にあるということすら知らなかったのだけど、同行者がいると、視野が広がって、思いがけない場所に行くことができてすばらしい。
奥入瀬渓流は薄緑の日本画の世界。岩絵の具の色彩だった。東山魁夷の絵の中にいるみたい。歩いたのはほんの一部だったけど、マイナスイオンをいっぱい吸い込んだ。滝も素敵で、思わず滝壺まで走り寄っちゃったりして、運動神経ないのに、危険。。。(スパイクつきのトレッキングシューズを履いていったのは本当に良かった。水にも強いし)
でも、水がゆったり流れているところと木々と苔々の、ふしぎな緑色がいちばん心に残った。

十和田湖はカルデラ湖で、微生物が少なく、透明度が高い(昨日の宇曽利湖もカルデラだった)。湖の底が、けっこう遠くまで見えた。ここの水が、水門を通って奥入瀬に流れていく。
湖畔を少し散歩してから、また車に乗り、湖の周りをぐるりと回って、八甲田ゴールドライン経由で再び青森へ。今日は一日中緑のトンネルの中を走ってた。

夕方、4時半ころに青森市内について、まだちょっと時間があったので、三内丸山遺跡へ。
立派なつくりの入り口の建物をくぐると、広々とした公園に復元された竪穴式住居や謎の柱など。またわたしは走りまわって柱の跡やらお墓やら見物し、Aさんはゆったりあたりを見回していた。ここは30分もあれば十分楽しめる。同じ敷地内の青森県立美術館は5時閉館なのでまた今度。

無事に青森駅に到着して、レンタカーを返して、特急スーパー白鳥で函館へ。
疲れて眠くなってしまったけど、青函トンネルに入るまでは起きていたかった。でも思わせぶりな短いトンネルがいくつもあって、気がついたら眠ってた。
北海道の地上に出たころに目が覚めた。夜7時半過ぎても、緯度が高いのでまだうす明るい。
木古内という駅に停車した時は、電車の音も止み、外もしんとして、乗客もみんな押し黙り、異様に静かで、時間まで止まってしまったようで、思わずひそひそ声になってしまった。
やがて街の灯が海に沿って見えてきて、8時過ぎに函館に着いた。

函館は両親の出身地だけど、駅に来るのは久しぶりだったので、新しくなっていて驚いた。
駅前から市電に乗り、函館山方面へ。宝来町(元々はこのあたりが本籍地だった)で降りた。
よく父が懐かしがっていた「小いけ」のカレーを食べてみたかった。
昔とは経営が変わって(そりゃ何十年も経ってるし)味も変わってしまったという話だけど、食べログでの評価は高いので「元祖小いけ」(すぐ隣に「本家小いけ」もある)でカツカレー。
すごく美味しかったけどな。安いし。冷凍カレーを持ち帰りできるというので、実家に送った。

それからロープウェーで函館山に登り、函館の夜景を見た。夜景は子どものとき以来。
展望台のガラス越しより、外に出て生で見るのが何十倍もきれいで、ずっと眺めていたかった。
それにお月さまが、ほぼ真ん丸の月が、異様に大きく、オレンジ色に光って禍々しいほどで、それが海に映って、光の道がくっきりとこちらに向かってきていた。なんなんだあれは。。。

またロープウェーで山を降り、ぶらぶらとベイエリアを歩いて、ホテルへ。
「ラビスタ函館ベイ」はなかなかこじゃれたホテルで、夜景を見ながら赤湯の温泉に浸かれる。お風呂からみたお月さまは、もうふつうの大きさに戻って、光の道もおだやかに拡散していた。