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暮らしの哲学

池田晶子さんが亡くなられて、そろそろ3ヶ月がたつけれども、6月に毎日新聞社から出る「暮らしの哲学」の単行本に、連載時の挿絵を1点だけ載せていただけることになった。
雑誌の挿絵は、たいてい、一度使われたらそれきりになってしまうものなので、書籍の形で残していただけるのはとてもありがたいことだ。
あの絵は、絵としてはそんなにうまくないのだけど、自分でも気に入っていて、描きながらなぜか「考える時間」の最初の回に戻るような感じがしていた。

純粋挿絵

目的がなくなったまま残された階段を「純粋階段」という。
挿絵はその定義から言っても、何らかの目的のために描くものだけども、
雑誌やなにかにちょこっと掲載されたあとに残された、目的がなくなってしまった挿絵のことは、「純粋挿絵」と呼べるだろうか。

お別れ

「暮らしの哲学」担当の毎日新聞社Nさん、Tさんとお食事。ビールを飲みながらしんみり。
あまりに潔い終わり方だったので、気持ちの踏ん切りをつけるのが難しい。
最終回の文章は読み返すととても力強くて、もっと明るい絵を描けばよかったなとも思った。
でも池田晶子さんの挿絵をすることができてほんとうに幸せだった。
「考える日々」のシリーズ3冊をいただいた。帯に「元気を出せ!」と書いてある。
…まったくだ。明日からまた闘いだな。わたしの絵もまた変わっていくだろう。

考える日々

考える日々

    • 作者: 池田晶子
    • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
    • 発売日: 1998/12/01
  • メディア: 単行本

考える日々〈2〉

考える日々〈2〉

    • 作者: 池田晶子
    • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
    • 発売日: 1999/12/01
  • メディア: 単行本

考える日々〈3〉

考える日々〈3〉

    • 作者: 池田晶子
    • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
    • 発売日: 2000/12/01
  • メディア: 単行本

池田晶子さんのこと

文筆家の池田晶子さんが亡くなられた。
毎日中学生新聞の「考える時間」と、サンデー毎日の「暮らしの哲学」で、1年半の間、毎週挿絵を描かせていただいていた。
まったく偶然だが、池田さんはわたしと同じ大学の哲学科の先輩にあたり、それに、池田さんといえば「14歳」のための本が著名だけれども、わたしが14歳のときにちょうど池田さんが連載開始時のわたしの年齢くらいだったということもあって、勝手に縁のようなものを感じていた。

とつぜん2週連続で休載になったが、病気のことも知らず、亡くなるなんて思わなかった。
でも、呆然とするのと同時に、なんとなく腑に落ちたような感じもあった。

***

「考える時間」の文章は、どのテーマも冴えていて、透明な宝石みたいだった。
挿絵は、文章によって描かせていただくものである。
いい文章ならいい絵が描けるわけでもないが「考える時間」はわたしの代表作だと思っている。

毎中が休刊になって掲載誌がサンデー毎日に移ると、死や老いについての文が多くなった。
わたしももう30代だけれど、そういったテーマはまだ実感としては遠くて、ほんとうに難しくて、わたしが挿絵を描いていていいのかなと思うこともあった。
わたしが池田さんの年齢になったときどう考えるのだろうかと考えさせられたりもした。

池田さんには一度もお会いすることができなかったが、毎週挿絵を描くことで、わたし自身と対話する貴重な時間を持つことができた。

もしお会いしたとしても、こちらから言いたいことなど何もなかった。
ただ、絵描きとして、一度、ご本人のお顔を拝見したかった。
わたしは優しくないので人が死んだから悲しいという感覚はよくわからない。
ましてや、死はわからないものだから怖くない、年をとるのは面白いことだとくり返しくり返し書いていらした池田さんのことなのだから、悲しくはない。
でも涙が出てきて止まらなくなってしまって自分ですごくびっくりした。

池田晶子さん、ほんとうにありがとうございました。

誤植

よく間違われるのだけど、わたしの名字の表記は「石清水」ではなく「岩清水」。
「石」のほうが珍しいはずだし、手書きならほとんど間違われないのだが、パソコンで変換しようとすると「石」のほうが先に出るらしい。

だからメールとかで間違われるのはしょっちゅうなのだけども、メールならまあ個人的なものだし、わたしもめんどうくさいし、きっと忙しくて気がつかなかったんだろうなと思って、放っておくことが多い。

でも、ときどき、雑誌とかに間違って印刷されてしまうこともあって、これはさすがに困るというかへこむので、とりあえず日記に書いてみた。
変換ミスなら、頭ではわかってるということだろうし、こういう間違いってなかなか気づかないもんだけどねえ…。

***

話ついでだが、たまに「いわしじみさん」とか「おおしみずさん」とか、その他、いろいろ適当な読み方をされるときがあってすごく不思議。
ぜったいそうは読めないだろう…。思い込みなんだろうか。

人生はミステリー

今日、初対面の「小説推理」の編集さんのご実家が、わたしが学生時代に住んでいたアパートのすぐ近くの酒屋さんだったと判明。通り道だったので、時々夜中に自販機でジュースなんか買っていた。これはぜったいすれ違ってる。4年も住んでたし…。
東京は狭い。こういうことがあるから気を抜いたらいかんのだ。
近くに貨物列車の線路が走っていてよくガタガタ揺れていた、とか住んでた人じゃなければわからない話でかるく盛り上がった。

馬琴の嫁

小説現代で2年近く挿し絵を描かせていただいた連載が終了。
これはもう本当に難しくて、毎回毎回大苦戦だったけれども、最終回の絵はまあまあ良かったかな。
次につなげたいですね…。

打ち上げ

「賢者のリフォーム」の打ち上げに参加。
呼んでいただいて嬉しかったのだが、ただでさえ人見知りがはげしいうえに、あまり寝てなかったのでテンションがひたすら低くなってしまい、自己紹介も満足にできず、 大人としてこれではいけないなあと反省。