美術展めぐり」カテゴリーアーカイブ

芸術ざんまい

今日は、大鹿さんたちと、初台の東京オペラシティに、原田さんのパイプオルガンのコンサートを聴きに行った。
コンサートホールは、ピラミッドの内側にいるみたいな、不思議な空間。
ジュアン・アラン「架空庭園」、デュリュフレ「アランの名による前奏曲とフーガ」など、わたしははじめて聴く曲ばかりだったが、どれもすばらしくて、魔法にかけられたみたいな気分になった。
演奏中の手足の動きがスクリーンに映し出されるのを見るのも楽しかったが、目を閉じてウトウトと聴いていたい気持ちもあって、悩んでしまった。

それから、大鹿さんと、建築家の野上さんと3人で、六本木の森美術館の「英国美術の現代史:ターナー賞の歩み展」を見に行った。
じつはわたしは森美術館ははじめて(なんでだかずっとタイミングをはずしてたのだ)。
とても面白かったけど、企画の性質上、作家ひとりあたりの作品数が少ないので、なんとなく食い足りなさが残った。もっとたくさん見たかったなあ。
わたしはカプーアの作品が好きで、思わずぐっと近寄りすぎて注意されてしまった。
六本木ヒルズの展望台から見た東京のパノラマは、まるでグーグルアースみたいだった。

解散したあと、ひとりで国立新美術館「モディリアーニ展」を見に行った。
じつは国立新美術館もはじめてなのだった(なんでだか)。

モディリアーニって、ゴッホやルノワールくらいの人気があるのかと思ってたが、そうでもないんだな…。けっこうすいていたし、全体にうす暗い雰囲気で、GWがあったせいかもしれないけど展示スペースの広さと作品数のバランスがへんだった。

それにしても、モディリアーニの人物の目の描き方は、ほんとに面白い。
目玉の色素が薄い人って、たしかにあんなふうな感じに見えるもの。
わたしの絵があんななのは、描いてる人物の目玉がいつも黒だという偶然のせいでもある。関係ないけど棟方志功の絵ってゴッホっていうよりモディリアーニに似てるなあと思った。
国立新美術館、5月末からの「エミリー・ウングワレー展」も面白そう。また見に来よっと。

上野ぐるぐる

今日は、あきさんと、国立西洋美術館「ウルビーノのヴィーナス」展を見に行った。
待ち合わせの時間より早く上野についたので、国際子ども図書館をのぞいてみた。
「チェコへの扉 子どもの本の世界」という展示をしていた。
いろいろ素敵なのがあったが、しかけ絵本にとくに興味を持った。でも、どれもガラスケースの中に並べられていたので残念。やっぱり絵本は手に取ってみないとなんだかよくわからない。

ヴィーナス展は、ギリシャ時代からのいろんなヴィーナス像をあつめた展示。
「みんなおしりがキレイだねー」と感心しながらみてまわった。
ヴィーナスはたいてい横たわってるのだけど、その向きによる印象の違いが面白かった。頭が左になってるほうが誘惑してる感じがする。お魚をお皿に並べるのと同じ向きだ。

「ウルビーノのヴィーナス」は、やっぱり魅力的。。。ぴちぴちだ。。。
モデルの人もきれいだったのだろうけど、絵だからこそこんなに印象的なのだ。
新婚さんの寝室にかけた絵らしいけど、これはちょっと魅力的すぎないか???

国立西洋美術館の常設展示は大好きだ。
コルビュジエの建築もすばらしいのだけど、いまは改修中なのか、渡り廊下から先には入れず、わたしがいちばん好きなボナールの絵がなかった。でもいつもと違う階段から降りられて面白かった。

それから、上野公園周辺で、あきさんに写真の取り方をレクチャーしていただいた。あきさんは、ながらくウォール街でバリバリ働いたあと、日本に帰国してからは、金融関係の翻訳業と並行して「オレンジページ」などで写真のお仕事もされている。
なにを選び、どう切り取るかの瞬間的な判断など、わかりやすく説明していただいた。
レンズを通すと、ちがったものの見方があることに気づくことが出来てとても新鮮。

それにしても、わたしが撮った写真は、作品というより資料という感じになる。同じカメラで同じものをあきさんが撮った写真とくらべると、なんか、平面的なのだ。
写真の善し悪しはわからないが、自分でも撮ってみると、鑑賞するところがかわるなあ。

すぐにそれをなにかに取り入れようとかいうことではないけど、とても面白かった。

長い一日

今日はまず「ザ・チョイス大賞展」(伊東屋ギャラリー)を見に行った。
すでに活躍されてる方も多かった。みなさんとてもすばらしく、ちょっと動揺。
銀座まで行ったので、STAGE 1ギャラリーに寄りたいところだったけど、どうしても、今日は千葉市美術館に行きたかったので、そのまま千葉へ。

千葉市美術館でいまやってる展示は、「日本の版画 1941-1950「日本の版画」とは何か」と、「芳年・芳幾の錦絵新聞 東京日々新聞・郵便報知新聞全作品」
ふるえが来るような絶妙な組み合わせ。見る前からワクワク。
日本の版画展は約10年前から1~2年おきにやっていた展示で、今回が最終回。
わたしは1回目は見てないんだけど(すっっっごく残念)、ほんとにいい展示だった。

今回は戦時中の版画が中心で、ちょっと地味だった。戦争中の作品は、極論すればすべて戦争をテーマにしている、というようなことが説明文に書いてあった。
そうだよなあ、目の前にあるわけのわからないものを描かずにいられるわけがない。
花一つ描くにしたって、戦争の影響はあっただろう。戦争に協力するとかなんとかいう次元ではなく。

1944年、45年の作品はほんとに少なくて(展示されたものは、その時期のものを多くあつめていたが)、でもそれでも必死に制作を続けた人もいて、たとえば川上澄生は、1943年に中学校の先生をやめて、戦争が一番大変だった時期に、絵本を作っていたという、なんだかほんとに鬼気迫るものがある。
あとやっぱり、わたしはそんなに好きではないんだけど、棟方志功の作品はすごかった。迫力が違う。リズム感も強烈。ああいう版画、ありそうでほかには全然ない。

錦絵新聞は、明治時代初期、浮世絵(木版の錦絵)から印刷への移行期に、その名のとおり、錦絵で新聞を作ってしまったという、へんてこなもの。
大衆向けに、内容はほとんどがゴシップ(女房が浮気して夫に刺されたとか)だけど、現代の挿絵のルーツとも言えると思うので、とても興味があった。
印刷もまた、版画といえば版画だし…。
落合芳幾の作品の多さと、月岡芳年の作品の人物の描き方、臨場感に圧倒された。

美術館の中に4時間半くらいいた(ほんとはもっといたかった!)。

それから、千葉から引き返してきて、ギャラリーDAZZLEさんの「THE MOVIES 21」展のオープニングに顔を出した。「ようこそ先輩」展でご一緒した、西山亜紀さんが出展されてたので。
人がたくさんでゆっくり見られなかったけど、おしゃれな展示。
そのあと二次会にもお邪魔した。いろいろおしゃべりして、とても楽しかった。

生命のダンス

今日は、国立西洋美術館に「ムンク展」を見に行った。
なんかもう、ビリビリ震えが来た。

わたしは、ムンクは、嫌いだ嫌いだと思ってたけど、やっぱり、好きみたい。というか、マチスよりもゴッホよりも、とにかくムンクが大好きみたい。
ムンクの絵がお部屋に飾ってあったらイヤだけど、でも、好きなものは好き。

展示の前に見たら影響されてしまうと思って、今ごろ見に行ったのだけど、影響された方が良かったかもしれないなあ。
でも、いろいろ描いたあとだから、こんなに心に染み込むのかも。
不安とか、絶望とか、愛とか、全部ひっくるめて、とにかく感情が揺さぶられる絵。
生命力を充填してもらった感じ。
ああ…、なんか…、もっとがんばろう。

帰りに、また画材を物色。油絵もいいなあ~なんて。

リッチで、スマートで、モダンで

またまたあきさんと、世田谷美術館「福原信三と美術と資生堂」展へ。
わたしの大好きな、戦前に活躍した挿絵画家・舞台美術家の小村雪岱は、初期の資生堂意匠部に籍を置いていたので、あの歌舞伎「一本刀土俵入り」の舞台装置図などが展示されていた。
それに山名文夫のイラスト原画がたくさん。もー、よだれでそうだった。
山名文夫も大好きで、学生のころはよくマネして描いてたものだ。
他、おびただしい数の香水ビン、ポスター、資生堂ギャラリーのコレクションなど。
常設展では、長谷川潔の版画も展示されていた。今日はすばらしい秋晴れで、砧公園も気持ちよかった。そのあと渋谷の隠れ家的居酒屋で軽く飲む。
あきさんが連れてってくれるお店はいつもとってもおいしいのだ。

長谷川潔展

今日は、伊丹市立美術館「長谷川潔展」に行った。
たぶん、横浜美術館でやっていた展示の巡回なんじゃないかな?
長谷川潔の銅版画は大好きなので行きたかったのだけど、横浜は、遠くてね~、なんて。でも見られてよかった。すばらしかった。
係の方も親切で、閉館時間すぎてもゆっくり見させていただいた。

舞台芸術の世界展

東京都庭園美術館「舞台芸術の世界 ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン」展に行った。
レオン・バクストの衣装デザイン画、それに、ジョルジュ・バルビエのリトグラフ。
うーん、素敵。もー、大好き。
舞台デザインの絵もたくさん。アバンギャルドで、もう自由自在だ。

数年前、高円寺の明石スタジオでやった芝居「ネクスト・アパートメント」の舞台装置をデザインしたときのことを思い出す。
あれは、会社をやめてすぐのころで、会社員時代(たった2年間だけど)に固くなった頭をまだひきずっていた。
今ごろになって反省したりして。

暑さ対策

あんまり暑いので、この太陽エネルギーを有効活用すべく、サン・ティー(日光を利用した水出し紅茶)を作ったりしている。
おしゃれと貧乏のせめぎあいのような飲みものだけど、お日さまのおかげさまで(へんないいかた)、苦みがなくて飲みやすい。

***

で、夕方を待って、冷房は苦手なので厚着して、東京オペラシティアートギャラリー「メルティング・ポイント展」に出かけた。
ジム・ランビー、渋谷清道、エルネスト・ネトの3人の作家のインスタレーション。
ああ面白かった。すいててのんびりできたし。でももっとたくさん見たかったな。
エルネスト・ネトは今、香川県で個展をしているそうだ。見に行きたいなあ~。

足にマメができた…

今日はまずグッゲンハイム美術館に行った。
そしたら外壁が工事中で、まわりに木材が組まれて茶色になっていてすごく残念。でも中は工事はしていなかった。ぐるぐるのスロープでちょっと気分が悪くなった。
’78年生まれとかの若い作家の作品も展示されていた。うぬぬ。
常設展示の絵の、白い鉄の額縁が、建築のデザインと合っていて面白かった。ルソーの、フットボールをするヒゲのおじさん達の絵が見られて良かった。

次に、フリック・コレクションに行った。昨日と今日で、フェルメールを7点くらい見た。東京などで見たのを合わせると、じつはフェルメールはもう半分近く見てるんじゃないだろうか…。
フラゴナールの大きい絵がたくさんある部屋が圧巻だった。
あと、トイレがすてきだった。

で、もう美術品はお腹いっぱいという感じになったので、画材屋さんめぐり。
とくに目新しいものはなかったけど、なんでもあった。
とりあえず、画材屋さんの匂いをかいだらホッとした。

***

そして、ギャラリーのレセプションパーティ。
大勢のお客さんが来てお部屋にみちみちに詰まって、暑くて頭がぼーっとした。こっちはしゃべれなくて固まってるのに、お客さんの方からどんどん話しかけてきてくれて、ありがたかったのだけど、答えようのないようなことばかり聞かれて困った。
この海はどこの海なのか?とか(九十九里浜です)、ラインとドットが良いとか(そうなのかなあ…)、日本語でだってうまく応対できない、わたしは。
サインを求められたのはびっくりした。そんなもんどうするんだろうか。

打ち上げはタイ料理屋さんで、アミノ酸を摂取。夜遅くまでまたいろいろ話せてとても楽しかった。

お宝ざくざく

今日はメトロポリタンミュージアムに行った。
6時間半かけて、今日入れる部屋全室を踏破した。ただ通りすぎただけの部屋もあったけど。足がもうガクガク。よかったのは服飾研究所のポール・ポワレの特別展。友人Kに見せたかった。
あとモダンアートが良かったなあ。奥の方なので人が少なくて安らげた。全部まわれば世界の美術史をだいたい網羅できる。でも日本美術はさすがにちょっともの足りなかった。それにやっぱりイスラム系は弱いみたいだった。
しかしよくもまああんなに、世界中の財宝をざくざく集めたもんだ。
こうしてみると、歴史的に、人は美術を必要として来たんだなと思える。

夜は、クリスピークリームドーナツを食べてひと休みしてから、ミュージカル「メリーポピンズ」を観に行った。ニューアムステルダム劇場は、意外に小さくて、日本でいえば南座みたいな感じ。
英語はぜんぜんわからなくても、有名な曲ばかりだし、なかなか楽しめた。ディズニー物だと思ってそれほど期待してなかったのだけど、最後のとこなんかちょっとじわっと来ちゃったよ。

それにしても、こちらの人は大きいので、自分が小さくなった気がするのはたいへん良い。

意外に楽しくやっている…

とりあえず、なんとか歩いて行けそうなMOMAに行くことにして、てくてく歩いていたら通り過ぎてセントラルパークに出たので、しばらくぼんやりしてからMOMAに戻ったら、チケット売り場で、行きの飛行機で一緒だったSさんにばったり会った。

MOMAは、超有名な絵が山ほどあって、鼻血が出そうだった。
日本で行列して見たことのあるのもけっこうあって、「やあ、また会えたね~!」というへんな感動のしかたをした。

それからSさんとレストランに入って、こちらにきてはじめてまともなものを食べた。その後いったんSさんと別れて、Sさんがおすすめだという、大きな教会とロックフェラーセンターに行ったがロックフェラーは祝日で中に入れなかった。
そう、今日は独立記念日なのだった。

わたしはとくに興味もなかったのだけど、Sさんが、やはり飛行機が同じだったF君も一緒に花火に行こうと誘ってくれた。
待ち合わせまでに時間があったのでホイットニー美術館にも行って、ホッパーとか、サイケデリックヌーボーとかの展示を見て、感動して外に出たら雨が降っていたのでここでやっと地下鉄に乗ろうという気になった。

疲れたのでホテルに帰って一休みしてから花火へ。雨なのに。
国連のあたりで見た。花火の色は赤・白・青が基調で、ピースマーク形の花火も上がっていた。
帰りはすごい人ゴミで夜遅かったけど地下鉄も全然へいきだった。
一日でできることって案外多いものなんだなあと思った。

鳥居清長

きょうは母とデートで、千葉市美術館「鳥居清長 江戸のヴィーナス誕生」に行った。
わたしは元・千葉県民だし、千葉市美術館はお気に入りなので、ちょくちょく行く。
いつも思うけど千葉市美術館はほんとに美術好きな人がていねいに企画してる感じがする。
それにわたしは清長が大好き。ものすごいたくさん展示されていて幸せだ。

あれだけいっぱい描いてたら、そりゃあ画風もどんどん変わっていくだろう。
清長は、やっぱり冬の絵より、夏の絵がいい。黄色とか黄緑色の印象が強いせいだろうか。
夏が好きだったんだろうなあと思う。
なんだろうな、ああいう明るさって、たしかに存在していて、ああわかるって思うんだけど、ちゃんと表現されたものは、なかなかほかでは見かけないような気がする。

***

千葉市美術館、来年の1月から待望の「日本の版画」展をやるそうな!
こんどは1941-1950年。いやー楽しみだ!!
しかも同時に展示するのが「芳年・芳幾の錦絵新聞」。ひゃああ…なにがなんでも行かねば!

海辺のフルーツ

7~8年くらい前にニューオータニ美術館で見た、「海辺のフルーツ」という妙に可笑しいタイトルの絵が好きだったのだが、(可笑しくないかなあ。わたしにはツボなんだけどなあ。この無意味さというかひねりのなさが。なかなかこんなタイトルはつけられない。)画家の名前を忘れて、ずっとそのままになっていた。

さっきふと思いついてニューオータニ美術館のサイトを見たら所蔵品のリストの中にあった。アンドレ・コタボの絵だった。

メモ代わりに書いておこう…。自分で覚えなくても検索すればすぐわかる世の中だけど。

ART@AGNES

今日は、整体師のテルコさんにさそってもらって、神楽坂のアグネスホテルでのアートイベント、「ART@AGNES」に行った。
ホテルじゅう、人が腸詰めのようにみちみちに詰まっていて、見るのがたいへんだった。こぢんまりとしたすてきなホテルで、楽しかったけど、…しかし、

アートってよくわっかんねーなー。

宝物としての本

また三の丸尚蔵館に伊藤若冲の「動植綵絵」を見に行った。
それから、千葉市美術館に足をのばし「イギリスの美しい本」展/追善浮世絵展。
見ごたえがあった。でも展覧会図録が売り切れていて残念。
千葉まで行ったので、実家に帰りたかったけど今回は見送り。