お出かけ」カテゴリーアーカイブ

音羽屋!

カウパレードの最終日なので、牛におわかれを言いにいった。
せつない。(オークションはいつのまにか締め切りが一週間延びてたけど)

それから、あきさんと歌舞伎座(夜の部)。
十種香は、玉さまの八重垣姫に福助さんの濡衣、菊之助さんの勝頼。
もう~…きれいできれいで、夢をみてるよう。刺客の松緑さんも良かった。
福助さんの英執着獅子も良かったなあー。わたしは福助さんの女形なのに健康的で強そうな感じがとても好き。
雪暮夜入谷畦道の菊五郎さんの直侍も、すっっっごくカッコ良かった。装置も小道具もまるで広重の浮世絵のように清冽ですてきだった。

あああー歌舞伎ってすばらしい。わたしもかけ声かけたいよー。
ただ芝居とはいえ父と息子による濡れ場にはちょっと引いたかも。。。
しかし何度も観てる演目なのに話をすっかり忘れてた(あほだ)。前のときは国立劇場で観たせいか、印象が全然違った。
いろいろ問題点はあってもやっぱり歌舞伎は歌舞伎座で観るのが一番だ。

歌舞伎座は再来年には取り壊し&建て替えだそうで、ついにきたかって感じだけど、うーん、残念なの半分、期待半分ってとこかな。(建て替えでチケットが値上がりしないといいのだけど。。。)

観劇後は「串の坊」で串揚げおまかせコース。美味しかったー。また食べ過ぎた。

アヴァンギャルド・チャイナ

アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―展(国立新美術館)に行った。
中国は、他の国々でモダニズムが終わった後に、一気に現代美術に触れたっていうんだから面白い。

「表現の自由を回復する有効な手立て」としての現代美術。そうかあ、そういうものかあー。
やはりモダンというよりアヴァンギャルドという呼び方が合っている。前衛というか、アングラというか、すごく攻撃的。

作品からは切実なエネルギーを感じたが、全体的にかなり暗いエネルギーだった。
他の国々のアヴァンギャルドに比べても「お洒落さ」が抜けてると思う。
でも、政治的だったり、社会的だったり、明確な敵が存在していて、芸術運動の集会の資料とか見ても、なんだかむやみに臨場感があった。
外国人からみても、作者の感情や動機や、やむにやまれぬ衝動がありありとわかる。言葉に変換してああだこうだと言いやすいし、批評されやすいと思う。

政治とか経済とか戦争とかが歴史のメインストリームなのだろうが、美術は、それとは別の流れで(もちろん政治とまったく切りはなすことはできないが)、批評的に、世界なり時代なりを俯瞰するためのきっかけとして利用されているのだ。
それはそれで面白いけど、美術は本来個人的なことのはずなので、とても不思議だ。
個人的でも、世界に開かれてるものと開かれてないものとがあるということか。

最近の中国美術は、政治的なテーマから離れる傾向にあるようだけど、逆に言うとちょっと前までは芸術家も政治のことで頭がいっぱいだったんだな。

今、中国の政治家は美術をバックアップしてるらしい。政治経済だけでなく、文化が認められなければ一流の国になれないからだそうだ。
中国の作家は国のために絵を描くという意識を持って活動しているのだろうか。
売れる作品は人を集めて大量生産したりもするそうなのだが、そういう姿勢は社会主義と関係あるのだろうか。それとももっと昔からそういう傾向があるのだろうか。

暴れて嫌になる夜の連続

きょうは、毛皮族のアラビアンナイツバイオレンス『暴れて嫌になる夜の連続』(新宿シアタートップス)を観に行った。
ずっとみたいみたいと思ってたんだけど機会を逃していて、今回が初・毛皮族。
やっぱりもっとはやく見にきてればよかった。こういうの大好き。面白かったー。
フィナーレはまるでショーパブみたいで、客席は男性が多め。女性のほうが共感できそうな内容だったような気もするけど。
暴力と自己批判の嵐。プロレタリア恋愛!ってわけわかんないけどすごい言葉だなあ。
千秋楽だったせいかカーテンコールでも歌ってくれたし、爽快だった。あー、小劇場をみたぜ!って感じ。演劇ってすばらしいね。

東京駅をひとまわり

また東京に出張してきた友人Kと日本橋の「たいめいけん」でランチ。
「凧の博物館」(たいめいけんビルの5階)の看板を見つけて入ってみた。
なんというか、本気の凧コレクションであった。
世界中の凧をところせましと展示するのみならず、凧職人の仕事場を再現してみたり、中国の子どもが描いた凧あげのお絵描きから、ベンジャミン・フランクリン人形まで、凧に関するものならなんでも集めずにはいられない感じ。
凧の材料も揃っていた。長ーい竹ヒゴが欲しくなったらここに買いにいこう。

それからカウパレードをひととおり見てまわった。
なんだか狭かったり暗かったりの場所に置かれてる牛も多くて、わたしの牛は、全体の端っこだけど、前後左右から見てもらえる場所でよかった。
ペニンシュラのドアマンがずっと見ててくれるからなんとなく安心だし。

丸ビルのコールド・ストーン・クリーマリーでひと休みして解散。

リフレッシュ

今日は、あきさんと歌舞伎(昼の部)を観に行った。
最初の演目「竜馬がゆく 風雲篇」が意外に面白かった(亀治郎さんが超可愛い)。
一番のお目当て「日本振袖始」は、玉さまが福助さんに襲いかかるという、なんとまあ恐ろしい設定。。。でも怖いというよりちょっとかわいそうな感じだった。

それから、あきさんおすすめの文明堂のカフェと、三笠会館のイタリアンバールでおしゃべり(さすがにどちらもいいお店!)。
あきさんは2年前までウォール街で働いてた方なので、経済についての話も少し。
わたしはまっっったくの無知だから、突っ込んだ話はできなくて残念だけど、リーマン・ブラザーズがいかに業界内で評判が悪かったかとか、そういう会社にはやっぱりそれなりの人間が集まるものだとか、今回のアメリカの対応が、バブルがはじけたときの日本に比べていかに素早かったかとか。あまりにも遠い気のする世界でも、結局のところ人間が基本なのだということはわかった。

わたしが知りたいのはただ一点、「世界恐慌が起きたときにわたしのような貧乏人はどう行動すればいいのか?」だけど、できることは何もないようなので(そりゃそうか)、騒いでも仕方がない。

ただ、貧乏っていっても、こうしてときどき歌舞伎を観たり、お酒飲んだり、博多通りもんをお取り寄せしたりもできるんだから、豊かと言えば豊かだし、将来の心配ばかりしてないで、今の幸せは幸せとして十分味わっていたいなと思う。

お勉強の日

今日は免許の更新に行った。
新宿もおまわりさんだらけだったので、また犯行予告~?と思ったが、警察についたら「サミットのため特別警戒中」と張り紙がしてあった。
まあテロでも犯行予告でもおそろしいのは一緒だけど。
今もしかして日本中であんなふうにおまわりさんがうろうろしてるのかな。
いざとなったら彼らが守ってくれるのかな。

免許の写真は場末のスナックのママみたいな微妙な写りになってしまった。やっぱりこないだかけたパーマ、似合ってないのかもなー。
優良講習の、恐怖をあおるようなビデオを見て、やっぱりわたしには運転は絶対できないなあと再確認した。

それから森美術館で開かれたアート講座を受講。「現代アートを買ってみる?ーアートマーケットの最新情報」講師は辛美沙さん。
すごく面白かったし、いろいろ考えさせられたけど、それについてはまた今度。

雨ふり

きょうは大鹿さんのお絵描き教室。
晴れたら不忍池でスケッチ大会の予定だったのに、あいにくの雨。でも、室内でスケッチしたり、お弁当食べたり、こども図書館に行ったり、いつもよりにぎやかで楽しかった。

ME AND MY GIRL

きょうは、編集者Aさんと、宝塚月組「ME AND MY GIRL」を観に行った。
さすがに、ちょっと古めかしいというか予定調和な感じもしたが、何度も再演されてるだけあって非常に良くできていた。とくに、ヒロインがちゃんと活躍するのが良いと思う。

わたしはけっこうぽかんと見ていたが、観終わった後に、Aさんが、どこがどう良くできているかとか、物語の構造についてだとか、主人公のカップルがしつこいくらいにくりかえし愛を語る場面が出てくるのが、観客にアピールするのにいかに有効であるかなど、くわしく解説してくれた。
な、なるほど。いかにわたしが大づかみな直感だけで芝居を観ているかよくわかった。
でも、良くできた作品は、勘だけの人でも、通の人でも、宝塚ファンでも、ファンじゃなくても、みんな楽しめるものなのだ。

宝塚の男役は、女性が理想の男性を演じるから現実よりカッコイイのだと言われる。
そうなのかもしれないが、個人的にはさほど男役にはグッとこない。娘役にもべつに。
男役とか娘役とかいうのは、ひとりひとりの女性の中に多かれ少なかれ存在する、男性的な部分と女性的な部分に人格を与えて極端に表現している、とも読めると思う。(男性的とか女性的とかいうのは、なんというか便宜的な言い方ではあるが)

主体的で行動力があってトップスターに駆け上がっていくカッコイイ女性と、きゃしゃで可憐で受け身だけどやさしい永遠の少女的な女性と、両立することはなかなか出来ないが、どっちも、自分があんなふうだったらいいのになあ、と思ってしまう代表的なプロトタイプだ。(セクシー美女の役はしばしば男役が担当するのも興味深い)
現実にはあそこまで男らしい女性にも娘らしい女性にもちょっとお目にかかれないし、どっかでバランスをとっていかなきゃならない、そのさじ加減が難しいのだ。

ほぼ必ず主役カップルが結ばれるのは、愛こそすべてとかなんとかいうだけじゃなく、女性の中の自己矛盾の統合を無意識的に象徴してるからと考えられなくもないのでは。
まあふつうは、難しく考えずに単に男役カッコイイーと言ってりゃいいとは思うけど。

あと、男役にしろ娘役にしろ、いわゆる男ウケやらモテという視点を超越している。
女子アナとかスチュワーデスには宝塚ファンが多いそうだ。これは推測だけど、日ごろ他人の視線を意識してればしてる人ほど、観客がほとんど女性ばかりの、あの劇場に行ったときの開放感も大きいのかも。

デザイン・フェスタ見物記

きょうは、東京ビッグサイトの、デザイン・フェスタにでかけた。
学園祭みたいなノリなのかなー?と思ってずっと敬遠していたのだが、食わず嫌いは良くないので、今回はじめて見に行ってみた。(と言っても、わたしは母校の学祭にも結局一度も行かずじまいだったので、あれが学祭っぽいのかどうか判断できないのだけど…。)

たしかに、とても規模の大きなイベントだった。
でも、若さのエネルギー爆発!みたいな感じかというとそうでもなく、全体的に、けっこう保守的というか、まったりとして勢いがない印象だった。(作品自体の質だけでなく、プレゼンテーションの方法の問題も大きいと思う)
手芸が8割、オタクが5割、ゴスロリが2割、あと大正ロマン風も多かった。そういうものが、作り手にも見物客にも人気があるってことかー。(オタクは村上隆さんが出た時点で終わってるジャンルだと思う。ああいったものが好きで作っているならしょうがないのだが。)
おびただしい数の出品者だったが、バリエーションは意外に少なくて、奇をてらったような作品でも、わりと似たり寄ったりの傾向だった。

目立っていたのは、コスプレの人たち。
パフォーマンスとかアパレルについてはよくわからないのでそれ以外で、ざっと見た感じ、これは面白いな、と目を引かれたのは10~15組くらい。(仕事にできるレベルの人ということなら他にもたくさんいたが)
まあ、そんなもんか…。

正直言って「わたしだってがんばるぞ!」っていう気分にはならなかったし、逆に「好きを仕事にするのって大変だなー」と暗澹たる気持ちになった。
好きなことをやるのは基本だし、個性は自然に出てくるものだけど、ただ好きなことを好きなようにやってるだけじゃ埋もれてしまうってことだ。
もちろん、仕事になるかどうかだけが基準ではないし、わたしだってえらそうなことが言える分際じゃあないが、人のふり見て我がふり直せって感じで、こっちが猛反省してしまった。
わたしはもう学生には戻りたくない。

そもそもお祭りにケチつけてもしょうがないんだけど、少なくともあれはアートイベントを名乗っちゃいけないのでは…?
大勢参加しているなかにはアートっぽい人もちらほらいたけど、アートって言葉は、軽々しく使っちゃいけないと思う。

じゃあデザインイベントかっていうとどうなんだろう。
あれは手工芸品のフリマだと思う。ほとんどみんななんか小物を販売していたし。
可愛い手芸の見本市って感じで、雑貨屋さんの買い付けとかにはよさそう。
そういうものだと思って行けば、お買い物好きな人はかなり楽しめるだろう。
あとは、おじさんとか、ふだんあまり雑貨屋さんに行かない人も面白がりそうだ。(わたしだって、手芸は好きだし、雑貨も大好きだけど)

純粋なアートイベントだったらあんなにお客は呼べないだろうし、立ち止まってゆっくり見るという雰囲気ではないが、お客さんが多いのはたしかに魅力的ではある。
ああいうのは、ただ見に行くだけより、参加しちゃったほうが楽しいのかもね。

シバザクラ

今日は、はるばると、埼玉県の羊山公園にシバザクラのお花畑を見にでかけた。
ギリギリ雨は降らなかったが、あいにくの曇り空だった。それにちょっと見頃をはずした感じだった。西武線沿線はシバザクラ押しのポスターだらけだったけど、うーん、期待してたよりは、ちょっとこぢんまりしてたかな…。
でもけっこうな観光客があつまっていた。

部分的に満開のところはすごくきれいで、あの真ん中にぼんっと飛び込みたい!と思った。
ちょうど全面的に見頃のときに来れたらさぞかしすばらしいことだろう。行き帰りの電車から新緑のグラデーションを見られたのも楽しかった。
でもなー、ああいう公園がもっと近くにあったらいいのになー。

なでしこリーグ

今日は、駒沢競技場に、なでしこリーグを見に行った。日テレベレーザとアルビレックス新潟レディースの試合。

まあわたしはサッカーとか見てもぜんぜんわけがわからないのだけど。(サッカーといえば高校のときに体育の授業でちょこっとやっただけで、グラウンドの中に入ってみたらあんまり広くてぼうぜんとした覚えがある。ボールけっても転がるだけで上に飛ばないしさ…。)
でも、わけわからないなりに、面白かった。しかも無料だよ~。

もしかしたら、こういう見方しちゃいけないのかも知れないし、超低レベルな言い方かも知れないけど、女子がやってるんだと思うと、感覚がどっかでつながるというか、ほんとにすげーなあ!って実感できるとこがある。なんかちょっとタカラヅカ見るのに近いかも。カッコイイんだもん。

上野ぐるぐる

今日は、あきさんと、国立西洋美術館「ウルビーノのヴィーナス」展を見に行った。
待ち合わせの時間より早く上野についたので、国際子ども図書館をのぞいてみた。
「チェコへの扉 子どもの本の世界」という展示をしていた。
いろいろ素敵なのがあったが、しかけ絵本にとくに興味を持った。でも、どれもガラスケースの中に並べられていたので残念。やっぱり絵本は手に取ってみないとなんだかよくわからない。

ヴィーナス展は、ギリシャ時代からのいろんなヴィーナス像をあつめた展示。
「みんなおしりがキレイだねー」と感心しながらみてまわった。
ヴィーナスはたいてい横たわってるのだけど、その向きによる印象の違いが面白かった。頭が左になってるほうが誘惑してる感じがする。お魚をお皿に並べるのと同じ向きだ。

「ウルビーノのヴィーナス」は、やっぱり魅力的。。。ぴちぴちだ。。。
モデルの人もきれいだったのだろうけど、絵だからこそこんなに印象的なのだ。
新婚さんの寝室にかけた絵らしいけど、これはちょっと魅力的すぎないか???

国立西洋美術館の常設展示は大好きだ。
コルビュジエの建築もすばらしいのだけど、いまは改修中なのか、渡り廊下から先には入れず、わたしがいちばん好きなボナールの絵がなかった。でもいつもと違う階段から降りられて面白かった。

それから、上野公園周辺で、あきさんに写真の取り方をレクチャーしていただいた。あきさんは、ながらくウォール街でバリバリ働いたあと、日本に帰国してからは、金融関係の翻訳業と並行して「オレンジページ」などで写真のお仕事もされている。
なにを選び、どう切り取るかの瞬間的な判断など、わかりやすく説明していただいた。
レンズを通すと、ちがったものの見方があることに気づくことが出来てとても新鮮。

それにしても、わたしが撮った写真は、作品というより資料という感じになる。同じカメラで同じものをあきさんが撮った写真とくらべると、なんか、平面的なのだ。
写真の善し悪しはわからないが、自分でも撮ってみると、鑑賞するところがかわるなあ。

すぐにそれをなにかに取り入れようとかいうことではないけど、とても面白かった。

モグラ町

2週間ぶりの外出。
龍昇企画公演「モグラ町」(神楽坂、シアターイワト)を観に行った。脚本・演出が前川麻子さん。

仕事が予定より手間どっていて、今回は行くの無理か…と思ったが、こないだ小説宝石でこの芝居の小説版の挿絵をさせていただいてるし、どうしても観たかった。

前川さん演出の芝居を見るのはネクストアパートメント以来だから、6年ぶり?
やっぱり、さすがだ。前川さんの小説は好きだが、芝居はもっと好きだ。

長い一日

今日はまず「ザ・チョイス大賞展」(伊東屋ギャラリー)を見に行った。
すでに活躍されてる方も多かった。みなさんとてもすばらしく、ちょっと動揺。
銀座まで行ったので、STAGE 1ギャラリーに寄りたいところだったけど、どうしても、今日は千葉市美術館に行きたかったので、そのまま千葉へ。

千葉市美術館でいまやってる展示は、「日本の版画 1941-1950「日本の版画」とは何か」と、「芳年・芳幾の錦絵新聞 東京日々新聞・郵便報知新聞全作品」
ふるえが来るような絶妙な組み合わせ。見る前からワクワク。
日本の版画展は約10年前から1~2年おきにやっていた展示で、今回が最終回。
わたしは1回目は見てないんだけど(すっっっごく残念)、ほんとにいい展示だった。

今回は戦時中の版画が中心で、ちょっと地味だった。戦争中の作品は、極論すればすべて戦争をテーマにしている、というようなことが説明文に書いてあった。
そうだよなあ、目の前にあるわけのわからないものを描かずにいられるわけがない。
花一つ描くにしたって、戦争の影響はあっただろう。戦争に協力するとかなんとかいう次元ではなく。

1944年、45年の作品はほんとに少なくて(展示されたものは、その時期のものを多くあつめていたが)、でもそれでも必死に制作を続けた人もいて、たとえば川上澄生は、1943年に中学校の先生をやめて、戦争が一番大変だった時期に、絵本を作っていたという、なんだかほんとに鬼気迫るものがある。
あとやっぱり、わたしはそんなに好きではないんだけど、棟方志功の作品はすごかった。迫力が違う。リズム感も強烈。ああいう版画、ありそうでほかには全然ない。

錦絵新聞は、明治時代初期、浮世絵(木版の錦絵)から印刷への移行期に、その名のとおり、錦絵で新聞を作ってしまったという、へんてこなもの。
大衆向けに、内容はほとんどがゴシップ(女房が浮気して夫に刺されたとか)だけど、現代の挿絵のルーツとも言えると思うので、とても興味があった。
印刷もまた、版画といえば版画だし…。
落合芳幾の作品の多さと、月岡芳年の作品の人物の描き方、臨場感に圧倒された。

美術館の中に4時間半くらいいた(ほんとはもっといたかった!)。

それから、千葉から引き返してきて、ギャラリーDAZZLEさんの「THE MOVIES 21」展のオープニングに顔を出した。「ようこそ先輩」展でご一緒した、西山亜紀さんが出展されてたので。
人がたくさんでゆっくり見られなかったけど、おしゃれな展示。
そのあと二次会にもお邪魔した。いろいろおしゃべりして、とても楽しかった。

雷神不動北山櫻

オーパギャラリーにちょこっと顔を出して、マッチ箱の在庫を追加した。

それから、新橋演舞場で久々に歌舞伎見物。演目は「通し狂言 雷神不動北山櫻」。
友人のとわちゃんが、招待券があるからと誘ってくれた。ありがたいねえ…。

市川海老蔵さまが早変わりで五役を勤めるのが売りで、他の出演者はちょっと地味。
通し狂言ってけっこう途中で飽きて眠っちゃったりするけど、今回のは、歌舞伎十八番の「毛抜」「鳴神」「不動」を続けて観られるので、(海老さまはそんなに好きじゃないが)見所が多くてなかなか楽しめた。
五役をやらなくてはというのに演出がしばられてる感じがしなくもなかったが、一人五役という芯がないと、全体がもっとバラバラになってしまうのかもしれない。
最後のほうの立ち回りがお正月らしく華やかで面白かった。

わたしは、もし男に生まれ変わったら「成田屋!」ってかけ声をやる人になりたい。
女でも時々いるけど、いまいち迫力に欠けるので。

成田山の開基1070年を記念してロビーにお寺の出張所(?)が設けてあった。
そういえば、千葉育ちなのに成田山には行ったことがないなあ。